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新生児期・乳児期についての問題 4問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.新生児期・乳児期の生理的特徴に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.生理的体重減少は、生後数日で起こる。
2.生理的黄疸は、生後1カ月頃に出現する。
3.第一乳臼歯が生えるのは、生後5カ月頃である。
4.糸球体濾過量は、生後6カ月頃に成人と同程度になる。
5.呼吸数は、生後6カ月頃に成人と同程度になる。

 

 

B.新生児期・乳児期の栄養に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.頭蓋内出血の予防として、ビタミンAを投与する。
2.母乳性黄疸が出現した場合には、母親のカロテン摂取量を制限する。
3.乳糖不耐症では、乳糖強化食品を補う。
4.ビタミンDの欠病により、くる病が起こる。
5.フェニルケトン尿症では、フェニルアラニンを増量したミルクを用いる。

 

 

C.離乳の進め方に関する記述である。誤っているものを2つ。

 

1.哺乳反射の減弱は、離乳開始の目安となる。
2.離乳の開始は、生後5~6か月頃が適当である。
3.フォローアップミルクを使用する場合は、生後9カ月以降とする。
4.離乳の完了は、乳汁をのんでいない状態を意味する。
5.食事量の評価は、成長の経過で行う。

 

 

D.離乳の進め方に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.離乳の開始は、生後2~3か月頃が適当である。
2.離乳食を1日3回にするのは、離乳開始後1カ月頃である。
3.舌でつぶせる固さのものを与えるのは、生後7~8カ月頃からである。
4.フォローアップミルクは、育児用ミルクの代替品として用いる。
5.哺乳反射の減弱は、離乳完了の目安となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答1

 

1.正答
生理的体重減少は、生後数日で起こる。

 

生後2~3日で5~10%の体重減少が生じる。
これを生理的体重減少と呼び、主な原因は胎児期に割合が多い細胞外液が減少する事にある。
生後1~2週間で、出生時体重に回復する。

 

2.
生理的黄疸は、「生後2~3日頃」に出現する。

 

生後2~3日に黄疸が出現し、生後2週間程度で消失する。
成人型ヘモグロビンに比べ、胎児型ヘモグロビンの寿命が短く、ビリルビンの産生が過剰になる事が原因として挙げられる。

 

3.
第一乳臼歯が生えるのは、「1歳半頃」である。

 

4.
糸球体濾過量は、「2歳頃」に成人と同程度になる。

 

5.
呼吸数は、「思春期以降」に成人と同程度になる。

 


B.正答4

 

1.
頭蓋内出血の予防として、「ビタミンK」を投与する。

 

<ビタミンK>
脂溶性ビタミンの一種である。 ビタミンK依存性タンパク質の活性化に必須であり、動物体内で血液の凝固や組織の石灰化に関わっている。 したがって欠乏すると出血傾向となり、また骨粗鬆症動脈硬化に関連していると考えられている。


<ビタミンA>
脂溶性ビタミンに分類される。ビタミンAは動物の体内に存在し、β-カロテンなど動物の体内でビタミンAに変換されるものは総称してプロビタミンAと呼ぶ。
ビタミンAは目の正常な機能の維持、皮膚や粘膜の正常保持、成長および分化に関与しているため、不足すると夜盲症、皮膚や粘膜の乾燥、成長障害、胎児の奇形などを引き起こすおそれがあり、妊婦では必要摂取量が増加する。


2.
母乳性黄疸が出現した場合には、「月齢と共に軽快していく事が多いため、特に食事内容を制限する必要はない」。

 

生理的黄疸は生後2週間程度で消失するが、それよりも続くと母乳性黄疸の可能性が高くなる。母乳にはビリルビン代謝を遅らせる酵素が含まれているため、1~2カ月と長引く場合がある。成長と共に肝臓機能が発達し、母乳を多回数飲ませる事でビリルビンが便と一緒に排出され、黄疸が良くなる傾向にある。

 

3.
乳糖不耐症では、「乳糖除去食品」を補う。

 

アレルゲンと考え方は同じ。乳糖を処理できない体質であれば、乳糖を与えないようにする。

 

4.正答
ビタミンDの欠病により、くる病が起こる。

 

5.
フェニルケトン尿症では、フェニルアラニンを「減量した」ミルクを用いる。

 

設問3と同様。
フェニルアラニン代謝できないため、減量したミルクを使用する。

 

フェニルケトン尿症フェニルアラニンチロシンに変換する酵素の欠損により、血中フェニルアラニン値が上昇する。
フェニルアラニンが蓄積すると精神発達に障害をきたし、チロシンが少なくなると色素が作れなくなり髪の毛や皮膚の色は薄くなる。
また希に酵素の働きを助ける補酵素の欠乏でも同様のことが起こる、この場合はさらに神経の働きを伝える物質も少なくなるためより重い精神発達の障害が早期から出現する。

 


C.正答3と4

 

1.
哺乳反射の減弱は、離乳開始の目安となる。

 

スプーン等を口に入れても舌で押し出す事が少なくなる等、哺乳反射の減弱が離乳開始の目安となる。

 

2.離乳の開始は、生後5~6か月頃が適当である。

 

あくまでも目安である。成長状態を見ながら判断する。

 

3.正答
フォローアップミルクを使用する場合は、「特に使用する時期は限定されていない」。

 

4.正答
離乳の完了は、「エネルギーや栄養素の大部分が母乳又は育児用ミルク以外の食物から取れるようになった状態」を意味する。

 

食べ物のメインが乳汁→固形物になった状態だという事であり、ミルクをそれ以降も与える事に関しては問題無い。

 

5.
食事量の評価は、成長の経過で行う。

 

成長には人より早い・遅いがあるので、比較して焦らない。

 


D.正答3

 

1.
離乳の開始は、「生後5~6か月頃」が適当である。

 

2.
離乳食を「1日2回」にするのは、離乳開始後1カ月頃である。

 

3.正答
舌でつぶせる固さのものを与えるのは、生後7~8カ月頃からである。

 

4.
フォローアップミルクは、育児用ミルクの代替品として「用いない」。

 

フォローアップミルク:離乳食が順調に進まず、鉄不足のリスクが高い場合に使用する。母乳や育児用ミルクの代替品ではない。
主食ではなくプラスαで与えるものであるため、サプリメントのようなイメ―ジを持っていました。

 

5.
哺乳反射の減弱は、「離乳開始の目安」となる。

 

 

 

今回は以上。

繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

頑張っていきましょう!!