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肥満と代謝疾患についての問題 4問【管理栄養士国家試験過去問解説】

今日も楽しく!知識を身に着けていきましょう!!

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A.肥満とメタボリックシンドロームに関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.わが国では、BMI23kg/㎡以上を肥満とする。

2.メタボリックシンドロームの診断には、LDL-コレステロール値を用いる。

3.肥満は、骨粗鬆症のリスク因子である。

4.腸間膜に蓄積した脂肪は、内臓脂肪である。

5.レプチンは、食欲を更新させる。

 

 

B.肥満と代謝疾患に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.肥満者は、インスリン感受性が高い。

2.肥満者は、レプチンの分泌が低下している。

3.二次性肥満は、原発性肥満より多い。

4.クッシング症候群は、中心性肥満を起こす。

5.メタボリックシンドロームの診断基準項目に、BMIが含まれる。

 

 

C.肥満症の診断基準に必須な健康障害に関する記述である。誤っているものを1つ。

 

1.脂質異常症

2.高血圧

3.閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)

4.COPD慢性閉塞性肺疾患

5.変形性関節症

 

 

D.尿酸の代謝および高尿酸血症に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.ロイシンは、尿酸の前駆体である。

2.アルコールの摂取は、尿酸の排泄を抑制する。

3.肥満度が上がれば、尿酸値が低下する。

4.尿酸結石の予防には、尿を酸性化する。

5.高尿酸血症では、水分制限をすすめる。

 

 

 

 

続いて回答と解説。

 

 

 

 


A.正解4

 

1.

わが国では、「BMI25kg/㎡以上」を肥満とする

 

肥満の目安となるBMI(体格指数)は、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で求められます。性別にかかわらず、BMI18.5以上25未満が「普通体重」、25以上が「肥満」と判定されます。

 

 

2.

メタボリックシンドロームの診断には、LDL-コレステロール値を「用いない」。

 

メタボリックシンドロームの診断基準

 

必須項目
腹部肥満 ウエストサイズ 男性85cm以上 女性90cm以上

 

選択項目 3項目のうち2項目以上
中性脂肪値(又は高トリグリセライド値)・HDLコレステロール値(脂質代謝異常)
中性脂肪値 150mg/dl以上 HDLコレステロール値 40mg/dl未満(いずれか、または両方)
・血圧   収縮期血圧最高血圧) 130mmHg以上 拡張期血圧最低血圧)  85mmHg以上(いずれか、または両方)
・血糖値   空腹時血糖値 110mg/dl以上

 

3.

肥満は、骨粗鬆症のリスク因子「とならない」。

 

栄養不足になりやすい「やせ」がリスク因子となります。
骨粗鬆症のリスク因子閉経等による女性ホルモン「エストロゲン」分泌量減少加齢・遺伝・骨折経験体型・骨密度喫煙習慣・飲酒・生活習慣

 

<体型・骨密度>小柄な人は骨が小さく、カルシウム蓄積量も少ない傾向があり、筋肉も少ないと骨を支える力も弱くなってしまう。また、やせの女性は「エストロゲン」の分泌量が低下しやすい。

 

4.正答

 

脂肪には2種類
内臓脂肪:腹部を中心とした臓器の周囲に付着する脂肪

皮下脂肪:皮膚と筋肉の間につく脂肪でおしりや太ももなどにつきやすい傾向

 

5.レプチンは、食欲を「抑制」させる。

 

脂肪細胞から分泌されるレプチンは、視床下部に作用して、摂食の抑制とエネルギー消費を亢進させる働きがある。

 

 

B.正解4

 

1.

肥満者は、インスリン感受性が「低い」。

 

2.

肥満者は、レプチンの分泌が「亢進」している。

 

3.

二次性肥満は、原発性肥満より「少ない」。

 

二次性肥満:原因となる基礎疾患があり、二次的に起こる肥満。薬の副作用での肥満が該当。

原発性肥満:生活習慣や遺伝的素因などが原因で起こる肥満の事。多くの肥満がこれ。

 

4.正答

クッシング症候群では、コルチゾールの分泌が過剰になってしまう。体幹に脂肪が沈着しやすく、中心性肥満(内臓脂肪型の肥満)を起こしてしまう。

 

5.

メタボリックシンドロームの診断基準項目に、BMIが「含まれない」。

 

 

C.正解4

 

COPD慢性閉塞性肺疾患)>従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称です。 タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患であり、喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病といえます。

 

<変形性関節症>加齢とともに骨と骨との間のクッションの役割をする軟骨がすり減って痛みが発生する。原因は関節軟骨の老化によることが多く、肥満や素因(遺伝子)も関与しています。

 

 

D.正解2

 

1.

ロイシンは、尿酸の前駆体「ではない」。
尿酸の前駆体:プリン塩基である「アデニン」「グアニン」であり、アミノ酸ではない。

 

2.正答

 

アルコールは体内での尿酸産生を増加させます。 また尿中への尿酸の排泄を阻害し尿酸を体内にとどめます。 さらにアルコールの利尿作用により尿酸は濃縮されます。

 

3.

肥満度が上がれば、尿酸値が「上昇」する。

 

肥満者が高尿酸血症になる要因として、まず挙げられるのは過食。

尿酸の前駆体であるプリン体は、ほとんどすべての食品中に含まれるため、過食は尿酸の体内への過剰な流入につながり、高尿酸血症をきたしやすくなります。

また内臓脂肪蓄積の蓄積が尿酸産生を亢進するという報告や、インスリン抵抗性により尿酸の再吸収が促進され、尿酸排泄が低下するという説もあります。

 

4.

尿酸結石の予防には、尿を「アルカリ」化する。

 

尿のアルカリ化により、尿中での尿酸の融解度を高め、尿酸結石を予防します。

 

5.

高尿酸血症では、「積極的な水分摂取」を勧めます。

 

尿中への尿酸排泄量を増加させるため、1日の尿量が2リットル以上となるように水分を十分に摂取します。

 

高尿酸血症

血液中の尿酸の濃度を示した血清尿酸値が、7.0mg/dLを超えている状態。

痛風や腎結石、尿路結石の原因であるほか、高尿酸血症がある人では、肥満や高血圧、脂質異常症高血糖を複合的に合併することが多くなっています。

 

高尿酸血症の治療>

基本は、生活習慣を改善することです。

まずは肥満のある人は肥満の是正、肥満のない人は肥満の予防のために、糖尿病の食事療法に準じた摂取エネルギーの適正化が必要です。

肥満は体内でのプリン体の合成を促進し、食べすぎによりプリン体の摂取増につながります。またインスリン抵抗性を介した尿酸の排泄低下を招きます。

次に尿酸の原料となるプリン体の摂取制限をします。飲酒習慣のある人は節酒および禁酒が必要です。

さらには飲水量を多くして尿量を増やすことで、尿酸の排泄を助けます。

 

 

 

今回は以上。

出来るだけ早めに更新できるようにしていきますね。

繰り返しが大事です!

 

何回繰り返すの?

 

正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

 

 頑張っていきましょう!!