血圧が上昇・下降する理由 レニン・アンジオテンシン・アルドステロンの働きについて
皆さん、こんにちは。
世間では3連休に入りましたが、受験生には関係ない(?)です。
少しでも多くの時間を勉強に費やし、目標である合格を掴み取りましょう。
今回は、血圧バランスを保つのに重要な働きを持つホルモンの作用の流れについて、話しをしていきます。
レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系(RAA:Renin-Angiotensin-Aldosterone system)と呼ばれますが、まずは作用していく流れを追っていきます。
1.ナトリウム・水分喪失、体液量・循環血液量が減少する。
2.「 腎臓の傍糸球体細胞 」から、「 レニン 」(たんぱく質分解酵素)が分泌。
3.レニンは、「 肝臓 」から分泌される「 アンジオテンシノーゲン 」を「 アンジオテンシンI 」に変換する。
4.アンジオテンシンIは、「 肺 」より分泌される「 アンジオテンシン変換酵素(ACE)」により、「 アンジオテンシンII 」に変換される。
5.アンジオテンシンIIは、血管の緊張上昇・交換神経系刺激により、心拍出量を増加させる事で血圧を維持する。
6.さらに、アンジオテンシンIIは、「 副腎皮質 」からの「 アルドステロン 」分泌を促進。
7.アルドステロンは、「 遠位尿細管 」に作用し、ナトリウム・水の再吸収を促進。(カリウム再吸収は抑制されますが、試験にはここまで出ないと思います。)
8.血圧上昇・体液量維持・ナトリウム濃度維持が出来たら、レニン分泌が抑制。(← これを「 ネガティブ・フィードバック 」という)
という順番で、低下した血圧を上昇させ、ホメオスタシスを維持させます。
私は受験時、覚えるのに少し苦労しました。
最初は無作為に出題された順番で言葉を覚えようとしたからです。
でも、それだと全体の流れを把握しずらいので、混乱が生まれやすくなります。
なので、上記のように作用順番を整理し、その順番通りにキーワードを覚えていきました。
血圧低下
傍糸球体レニン
肝臓ノーゲン
テンシンI
肺エース
テンシンII
副腎皮質アルドステロン
(遠位)尿細管で再吸収
こういった感じで、作用と一緒に、どこから分泌され、どのように変化・作用していくのかも合わせて覚えていきました。
作用の流れが把握できたら、あとはキーワードを覚えていくだけなので、単語帳に順番通り書き込み、繰り返して記憶にとどめていけるようにしていました。
ちなみに単語帳に書き込み、自分で流れを整理して覚え始めた後、参考書を見直していたら簡潔に整理されていたので少し悲しくなりましたが、苦労した分、逆に強く印象に残り、頭に入りやすかったです。
眺めて覚えるよりも、文字にして書き込んでいく方が、記憶にとどめやすいので、その効果もあったのかもしれません。
QBに血圧・体液の調節に関する問題がありました。
(1)レニンは、血圧上昇により腎臓から分泌が亢進する。
(2)アンジオテンシンIは、腎臓でのカリウムの再吸収を促進する。
(3)バソプレッシンは、腎臓でのナトリウムの再吸収を促進する。
(4)アルドステロンは、傍糸球体装置から分泌される。
(5)アンジオテンシンIIは、末梢血管を収縮させる。
(1)は、レニンは血圧低下を受けて、通常の状態にするため(血圧上昇のため)に分泌されるので、誤り。
(2)アンジオテンシンIは、特に生理的な作用は知られていない。また、カリウムは血圧低下に働く因子でもある。誤り。
(4)アルドステロンは、副腎皮質より分泌されるので誤り。傍糸球体はレニンが分泌される。
(5)アンジオテンシンIIは、末梢血管を収縮させる事で、血圧上昇を促すので、これは正答。
(3)のバソプレッシンは、腎臓における水分保持の生る作用を持つので誤り。
レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系の流れを把握していれば、正解を導く事が出来る問題でした。
覚え方は個人で異なるでしょうが、しっかりと把握して、合格へ近づけていきましょう。
今回は、ここまで。