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腎・尿路疾患の栄養アセスメントと栄養ケアについての問題その2 5問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.CKD(慢性腎臓病)の栄養アセスメントに関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.推算糸球体濾過量(eGFR)の算出には、血清クレアチニン値を用いる。
2.重症度分類には、尿潜血を用いる。
3.たんぱく質摂取量の推定には、1日尿中尿酸排泄量を用いる。
4.ビタミンD活性化障害の評価には、血清カリウム値を用いる。
5.エリスロポエチン産生障害の評価には、血清マグネシウム値を用いる。

 

 

B.CKD(慢性腎臓病)における成人の栄養管理に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.ステージ1では、リンの摂取量を制限する。
2.ステージ2では、カリウムの摂取量を制限する。
3.ステージ3aでは、食塩の摂取量を8g/日とする。
4.ステージ4では、たんぱく質の摂取量を0.6~0.8g/㎏標準体重/日とする。
5.ステージ5では、エネルギーの摂取量を40~45㎉/㎏標準体重/日とする。

 

 

C.CKD(慢性腎臓病)における成人の栄養管理に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.ステージ1では、カリウムの摂取量を制限する。
2.ステージ2では、たんぱく質の摂取量を制限する。
3.ステージ3では、食塩摂取量を7g/日とする。
4.ステージ4では、エネルギー摂取量を25~35㎉/㎏標準体重/日とする。
5.ステージ5では、たんぱく質摂取量を0.6g/㎏標準体重/日未満とする。

 

 

D.55歳女性。身長160㎝、体重56㎏、BMI21.8、血圧150/95、推算糸球体濾過量(eGFR)93ml/分/1.73㎡、尿たんぱく質量0.5g/日。この患者の栄養管理として、食塩は5g/日とした。1日当たりのエネルギー量とたんぱく質量の組み合わせである。正しいものを1つ。

 

エネルギー量 ――― たんぱく質
(㎉/日)       (g/日)
1.1200 ――― 60
2.1200 ――― 80
3.1600 ――― 45
4.1600 ――― 60
5.2100 ――― 45

 

 

E.透析患者の栄養管理に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.血液透析では、たんぱく質摂取量を1.0g/㎏標準体重/日とする。
2.血液透析では、飲料水の摂取量を30ml/㎏標準体重/日とする。
3.血液透析では、カリウムの摂取量を制限しない。
4.腹膜透析では、腹膜吸収エネルギー量を含めてエネルギー量を25㎉/㎏標準体重/日とする。
5.腹膜透析では、リン摂取量を2500㎎/日とする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答1

 

1.
推算糸球体濾過量(eGFR)の算出には、血清クレアチニン値を用いる。

 

推算糸球体濾過量(eGFR)の算出には、血清クレアチニン値・年齢・性別が必要。

 

2.
重症度分類には、「原疾患・GFR・タンパク尿(アルブミン尿)」を用いる。

 

3.
たんぱく質摂取量の推定には、1日「尿中尿素窒素排泄量」を用いる。

 

4.
ビタミンD活性化障害の評価には、「血清カルシウム値・リン値・副甲状腺ホルモン値等」を用いる。

 

ビタミンDときたら、カルシウムやリン、血中カルシウム濃度を上げる副甲状腺ホルモン、血中カルシウム濃度を下げるカルシトニンといったキーワードが関連として出てきたら最高です。

 

5.
エリスロポエチン産生障害の評価には、「血清エリスロポエチン値」を用いる。

 

エリスロポエチンは骨髄で赤血球を産生する働きがあるのを覚えていましたか?

 


B.正答4

 

1.
ステージ1では、リンの摂取量を「制限しない」。

 

2.
ステージ2では、カリウムの摂取量を「制限しない」。

 

3.
ステージ3aでは、食塩の摂取量を「6g/日」とする。

 

4.正答
ステージ4では、たんぱく質の摂取量を0.6~0.8g/㎏標準体重/日とする。

 

5.
ステージ5では、エネルギーの摂取量を「25~35㎉/㎏標準体重/日」とする。

 


C.正答4

 

1.
ステージ1では、カリウムの摂取量を「制限しない」。

 

2.
ステージ2では、たんぱく質の摂取量を「過剰な摂取をしない」。

 

3.
ステージ3では、食塩摂取量を「6g/日未満」とする。

 

4.正答
ステージ4では、エネルギー摂取量を25~35㎉/㎏標準体重/日とする。

 

5.
ステージ5では、たんぱく質摂取量を「0.6~0.8g/㎏標準体重/日」とする。

 


D.正答4

 

BMIは普通体重(18.5≦BMI≦25.0)であるため、エネルギー量は標準とする。
推算糸球体濾過量・尿蛋白量から腎機能の低下が確認されるが軽度であるため、たんぱく質を制限する必要はないと考えられる。
エネルギー量=30㎉×56㎏(標準体重)=約1600㎉/日、たんぱく質量1.0g×56㎏=約60g/日とする。

 

エネルギー量 ――― たんぱく質
(㎉/日)       (g/日)
4.1600 ――― 60

 


E.正答1

 

1.正答
血液透析では、たんぱく質摂取量を1.0g/㎏標準体重/日とする。

 

0.9~1.2g/㎏標準体重/日とする。

 

2.
血液透析では、飲料水の摂取量を「できるだけ少なくする」。

 

3.
血液透析では、カリウムの摂取量を「2000㎎/日以下に制限する」。

 

4.
腹膜透析では、腹膜吸収エネルギー量を含めてエネルギー量を「30~35㎉/㎏標準体重/日」とする。

 

5.
腹膜透析では、リン摂取量を「たんぱく質(g)×15(㎎/日)以下」とする。

 

 

今回は以上。

繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

頑張っていきましょう!!