授乳期の生理的特徴についての問題 3問【管理栄養士国家試験過去問解説】
今日も楽しく!
知識を身に着けていきましょう!!
質問等ありましたら、コメント欄にお気軽にどうぞ
A.母乳に関する記述である。正しいものを1つ。
1.乳糖は成熟乳より初乳に多く含まれる。
2.ラクトフェリンは、初乳より成熟乳に多く含まれる。
3.吸啜刺激は、プロラクチンの分泌を抑制する。
4.母乳の脂肪酸組成は、母親の食事内容の影響を受ける。
5.母親の摂取したアルコールは、母乳に移行しない。
B.初乳より成熟乳に多く含まれる母乳成分である。正しいものを1つ。
1.たんぱく質
2.乳糖
3.IgA
4.ラクトフェリン
5.リゾチーム
C.牛乳より母乳に多く含まれる成分である。正しいものを1つ。
続いて回答と解説。
A.正答4
1.
乳糖は「初乳より成熟乳に」多く含まれる。
初乳に比べて乳糖(ラクトース)と脂肪を多く含む。
2.
ラクトフェリンは、「成熟乳より初乳に」多く含まれる。
初乳は成熟乳に比べ、たんぱく質や感染防御因子(ラクトフェリン・分泌型IgA・リゾチーム)を多く含む。
3.
吸啜刺激は、プロラクチンの分泌を「促進」する。
妊娠中
エストロゲン・プロゲステロンの作用 → 乳腺組織が発育
プロラクチンの作用 → 乳汁産生
※分娩前は「胎盤エストロゲン」の作用で乳汁分泌が抑制される。
分娩後
出産時に胎盤が排出されると、(胎盤)エストロゲンが減少し、乳汁分泌が亢進される。
プロラクチン(乳汁産生)・オキシトシン(射乳促進)の分泌促進
4.正答
母乳の脂肪酸組成は、母親の食事内容の影響を受ける。
5.
母親の摂取したアルコールは、母乳に「移行する」。
B.正答2
2.乳糖
成熟乳は、初乳に比べて乳糖(ラクトース)と脂肪を多く含む。
初乳:生後3~5日に分泌される乳汁。感染防止・免疫向上のため、免疫に関わる「分泌型IgA」やたんぱく質濃度が高い。1日100ml程度。
成乳:生後10日以降に分泌される乳汁。脂質と乳糖(ラクトース)濃度が高い。分泌量も1日780ml程度となり、エネルギー量も増加する。
C.正答3
3.乳糖
母乳と牛乳の比較として問われやすい部分
母乳に多い:乳糖・多価不飽和脂肪酸・ビタミン(K以外)
牛乳に多い:カゼイン(たんぱく質)・ミネラル・ビタミンK
「カロリーと脂質」はほぼ変わらないが、「多価不飽和脂肪酸量」は母乳が多い。
今回は以上。
繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。
頑張っていきましょう!!