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神経と構造と機能についての問題 4問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.神経系の構造と機能に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.交感神経は、脊髄から起始する。
2.交感神経が興奮すると、小腸の運動は促進される。
3.迷走神経が興奮すると、胃酸の分泌は抑制される。
4.顔面神経は、そしゃく筋を支配する。
5.舌咽(ぜついん)神経は、下の前方2/3の味覚を伝達する。

 


B.神経系の構造と機能に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.体温調節の中枢は、橋(きょう)に存在する。
2.くも膜は、脳の表面に密着している。
3.交感神経の興奮は、小腸の運動を抑制する。
4.舌下神経は、味覚を伝達する。
5.錐体路(すいたいろ)は、筋からの深部感覚を伝達する。

 

 

C.神経系に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.神経管の閉鎖には、葉酸が必要である。
2.脳神経は、中枢神経系に属する。
3.中脳は、橋と脊髄の間にある。
4.体温調節中枢は、脊髄にある。
5.摂食中枢は、視床(ししょう)にある。

 

 

D.神経系の構造と機能に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.交感神経が興奮すると、消化管の運動は亢進する。
2.副交感神経が興奮すると、唾液の分泌は減少する。
3.摂食中枢は、延髄にある。
4.三叉(さんさ)神経は、味覚の伝達に関与する。
5.味蕾は、味覚の受容器である。

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

A.正解1

 

1.
正答
交感神経は、脊髄から起始する。

 

脊髄の胸髄だったり腰髄だったりと分別されるが、全て脊髄から起始している。

 

<副交感神経での起始部分>
中脳:瞳孔収縮
延髄:唾液分泌促進・心臓抑制・気管支収縮・胃腸蠕動促進
脊髄(仙髄):大腸蠕動促進・膀胱促進

 

2.
交感神経が興奮すると、小腸の運動は「抑制」される。

 

交感神経の興奮で胃腸といった消化器官は運動を抑制し、副交感神経の興奮で運動促進(亢進)します。
消化に適しているのは副交感神経の興奮状態です。

 

3.
迷走神経が興奮すると、胃酸の分泌は「促進」される。

 

迷走神経=副交感神経と捉えてOKです。

 

4.
「三叉神経」は、そしゃく筋を支配する。

 

三叉とはこの神経が眼神経、上顎神経、下顎神経の三神経に分かれることに由来する。
体性運動性と知覚性の混合神経であり、脳神経の中で最大の神経であり、顔の触覚や痛覚、冷熱感、口腔(口の中)・鼻腔(鼻の中)の感覚などを脳に伝える神経である。

咀嚼(そしゃく)筋は「三叉神経」が支配し、表情筋は「顔面神経」が支配している。

 

5.
「顔面神経」は、下の前方2/3の味覚を伝達する。

 

「舌咽神経」は、下の後方1/3の味覚を伝達する。

 

 

B.正解3

 

1.
体温調節の中枢は、「間脳視床下部」に存在する。

 

間脳:「視床」「視床下部」「下垂体」等で構成されている。

 

視床:嗅覚を除き、視覚、聴覚、体性感覚などの大半の感覚を司る。

 

視床下部:自律神経の中枢として機能し、交感神経・副交感神経機能及び内分泌機能を全体として総合的に調節している。
体温調節、抗利尿ホルモン、血圧、心拍数、摂食行動や飲水行動、性行動、睡眠、子宮筋収縮、乳腺分泌などの本能行動、怒りや不安などの情動行動(大脳皮質・辺縁系皮質)の調節、自律神経系をコントロールする中枢の役割の他、内分泌(下垂体ホルモンの調節)の中枢も担っています。
(呼吸運動や血管運動などの自律機能は、中脳・橋・延髄で調節される)

 

下垂体:様々なホルモンの働きをコントロールしている部位。 内分泌中枢とも言われる。大きさはえんどう豆程度で、前葉と後葉からホルモンを分泌し、生体の機能維持を司る。

 

 

2.
「軟膜」は、脳の表面に密着している。

 

脳を保護している髄膜は3層で構成され、、内側から「軟膜」「くも膜」「硬膜」と続く。
脳と軟膜は密着していて、くも膜と硬膜も密着している。
軟膜とくも膜の間は「くも膜下腔」と呼ばれ、脳脊髄液が存在している。

 

3.
正答
交感神経の興奮は、小腸の運動を抑制する。

 

4.
舌下神経は、「舌の運動を支配」する。

 

舌下神経は舌の運動を支配。
味覚伝達神経は「顔面神経」「舌咽神経」「迷走神経」。

 

5.
「脊髄後索路」は、筋からの深部感覚を伝達する。

 

錐体路
主として運動野からおこり脊髄の運動神経細胞に投射する神経線維束。
この線維束が延髄の腹側面の正中線の両側で錐体という膨らみをつくるところからこの名がある。
筋の随意運動を支配しており、錐体路がその走行の途中で障害されると、運動麻痺を起こす。

 

<脊髄後索路>
感覚性(上行性)の伝導路で、感覚・圧覚および深部感覚を伝える経路。

 


C.正解1

 

1.
正答
神経管の閉鎖には、葉酸が必要である。

 

2.
「橋」は、中枢神経系に属する。

 

<橋>
脳幹部のうち、上方は中脳、下方は延髄に続き、前方に丸く膨らんだ部分。(上から中脳・橋・延髄と続く)
上部の中脳や大脳と下部の延髄以下の部分の連絡路で多数の神経繊維が複雑に走り、三叉神経、顔面神経核、蝸牛神経核などがここを通っている。
呼吸調節にも関係している。

 

3.
「橋」は、「中脳と脊髄の間」にある。

 

上(中心部?)から間脳(視床視床下部・下垂体)中脳・橋・延髄・脊髄と続く。

 

4.
体温調節中枢は、「視床下部」にある。

 

視床下部は体温調節、抗利尿ホルモン、血圧、心拍数、摂食行動や飲水行動、性行動、睡眠、子宮筋収縮、乳腺分泌などの本能行動、怒りや不安などの情動行動(大脳皮質・辺縁系皮質)の調節、自律神経系をコントロールする中枢の役割の他、内分泌(下垂体ホルモンの調節)の中枢を担っています。

 

5.
摂食中枢は、「視床下部」にある。

上記参照

 


D.正解5

 

1.
交感神経が興奮すると、消化管の運動は「低下」する。

 

2.
副交感神経が興奮すると、唾液の分泌は「増加」する。

 

3.
摂食中枢は、「(間脳)視床下部」にある。

 

4.
三叉(さんさ)神経は、「咀嚼筋の支配に関与する」。

 

味覚伝達神経は「顔面神経」「舌咽神経」「迷走神経」。

 

5.
正答
味蕾は、味覚の受容器である。

 

 

今回は以上。
繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

頑張っていきましょう!!