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エネルギー代謝の測定法についての問題 2問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.エネルギー代謝の測定に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.直接法では、体温の変化を測定する。
2.二重標識水法では、呼気中の安定同位体の経日的変化を測定する。
3.呼吸商は、酸素消費量を二酸化炭素産生量で除して求める。
4.グルコースのみが燃焼した場合の呼吸商は、0.7である。
5.たんぱく質の燃焼量(g)は、尿中窒素排泄量(g)に6.25を乗じて求める。

 

 

B.エネルギー代謝の測定に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.直接法では、酸素消費量からエネルギー消費量を評価する。
2.二重標識水法では、酸素と水素の安定同位元素の減少速度よりエネルギー消費量を求める。
3.基礎代謝量は、睡眠状態で測定する。
4.脂肪の燃焼では、酸素消費量と二酸化炭素産生量のモル数は等しい。
5.二酸化炭素産生量は、安静時より運動時に減少する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答5

 

1.
直接法では、「外気と熱の交流を遮断した部屋に入れ、発生した熱量を測定する」。

 

エネルギー代謝の評価法は直接熱量測定法と間接熱量測定法に大別される。

 

直接法:消費されたエネルギーが熱となって放散されるため、その熱量を直接的に測定することによりエネルギー消費量を知ることができます。しかし非常に大がかりであり、活動内容も限定されるため、現在ではほとんど使用されていない。

 

間接法:ヒトがエネルギーを生成する際には食物から摂取した栄養素と酸素が化学反応を起こし、二酸化炭素を産生するという生理的なメカニズムを利用して、呼気中の酸素および二酸化炭素の濃度と容積からエネルギー消費量を算出する。

 

2.
二重標識水法では、「尿中」の安定同位体の経日的変化を測定する。

 

<二重標識水法>
安定同位体である重水素水(2H216O)と酸素-18(1H218O)を混合した二重標識水を経口投与し、体内で均一濃度に達した後、およそ1週間から2週間にかけて体外へと徐々に排出されます。
その際に水素は汗や尿など水分(H2O)として排出されますが、酸素は水分に加えて二酸化炭素(CO2)としての排出経路を持ち備えています。
この水素と酸素の排出経路違いを利用して、複数回にわたり採取した尿中の同位体の分析から二酸化炭素産生量を算出します。

 

3.
呼吸商は、「二酸化炭素産生量を酸素消費量で除して求める」。

 

呼吸商:エネルギー源となる栄養素が燃焼する時に消費する酸素量に対して産生される二酸化炭素量の割合。

 

4.
グルコースのみが燃焼した場合の呼吸商は、「1.0」である。

 

呼吸商
糖質:1.0
たんぱく質:0.85
脂質:0.75

 

5.正答
たんぱく質の燃焼量(g)は、尿中窒素排泄量(g)に6.25を乗じて求める。

 

タンパク質に含まれる平均窒素量は16%であるため、100/16=6.25となり、これを窒素係数とよぶ。

 


B.正答2

 

1.
「間接法」では、酸素消費量からエネルギー消費量を評価する。

 

直接法:消費されたエネルギーが熱となって放散されるため、その熱量を直接的に測定することによりエネルギー消費量を知ることができます。しかし非常に大がかりであり、活動内容も限定されるため、現在ではほとんど使用されていない。

 

間接法:ヒトがエネルギーを生成する際には食物から摂取した栄養素と酸素が化学反応を起こし、二酸化炭素を産生するという生理的なメカニズムを利用して、呼気中の酸素および二酸化炭素の濃度と容積からエネルギー消費量を算出する。

 

2.正答
二重標識水法では、酸素と水素の安定同位元素の減少速度よりエネルギー消費量を求める。


3.
基礎代謝量は、「覚醒状態」で測定する。

 

基礎代謝量は生きていくために必要な最小のエネルギー消費量であり、早朝空腹時に快適な室内において、安静仰臥位で測定される。

 

4.
脂肪の燃焼では、酸素消費量と二酸化炭素産生量のモル数は「異なる」。

 

糖質と脂質が燃焼する時の酸素消費量に対する二酸化炭素産生量の割合を、非たんぱく質呼吸商という。
糖質のみが燃焼した場合は1.0で分子と分母は等しくなり、脂肪のみが燃焼した場合は0.75と分子が分母より小さくなる。
言い換えると、糖質のみが燃焼した場合は、酸素消費量と二酸化炭素産生量のモル数(体積比)は等しく、脂肪のみが燃焼した場合は、酸素消費量のモル数に比べ二酸化炭素産生量のモル数は少なくなる。


5.
二酸化炭素産生量は、安静時より運動時に「増加する」。

 

運動すると呼吸数も増えるので、二酸化炭素産生量も増加する。

 

 

 


今回は以上。

今回で、基礎栄養学の部分は終了です。
5年分で、全70問でした。
今回の分は、重要度としては高くないけど、理解しておいた方がいいものではあるので、把握はしておきましょう。

繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

頑張っていきましょう!!