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老年症候群の栄養アセスメントと栄養ケアについての問題 4問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.高齢者の病態と栄養管理に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.尿失禁は、脱水症の原因となる。
2.サルコペニアは内臓脂肪量で評価する。
3.誤嚥の予防では、摂取時に顎を挙上した姿勢を避ける。
4.褥瘡患者では、たんぱく質を制限する。
5.フレイルティ(虚弱)の予防では、身体活動を制限する。

 

 

B.褥瘡の状態とに関する記述である。正しいものを2つ。

 

1.栄養状態の低下は、発症の外的要因である。
2.糖尿病患者では、悪化しやすい。
3.踵骨部は、好発部位である。
4.たんぱく質漏出期には、低たんぱく質食とする。
5.水分制限は、褥瘡を改善させる。

 

 

C.褥瘡に関する記述である。誤っているものを1つ。

 

1.評価法には、DESIGN-Rがある。
2.肩甲骨部は、好発部位である。
3.十分なエネルギー摂取が、必要である。
4.滲出液がみられる時には、水分制限を行う。
5.予防には、除圧管理が有効である。

 

 

D.褥瘡に関する記述である。誤っているものを1つ。

 

1.大転子部は、好発部位である。
2.貧血は、内的因子である。
3.十分なタンパク質の摂取量が必要である。
4.亜鉛の摂取量を制限する。
5.30度側臥位は、予防となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答3

 

1.
尿失禁は、脱水症の「原因とならない」。

 

排尿量が増加する訳では無いため、尿失禁が脱水の直接的な原因とはならない。

 

2.
サルコペニアは「筋肉量」で評価する。

 

サルコペニア:加齢に伴う筋肉量の低下の事

 

3.正答
誤嚥の予防では、摂取時に顎を挙上(きょじょう)した姿勢を避ける。

 

上向いて食べたらむせるよね。

挙上:持ち上げること。 医学用語で主に用いられる。 対義語として下垂がある。

 

4.
褥瘡患者では、たんぱく質を「摂取する」。

 

褥瘡は血清アルブミン値 3.0g/㎗以下で好発しやすくなるため、たんぱく質制限するとより悪化してしまう。

 

5.
フレイルティ(虚弱)の予防では、身体活動を「増加させる」。

 

身体を動かす事で、体力の維持向上を図る。

フレイルティ:加齢に伴い様々な機能低下・健康障害がみられる状態

 


B.正答2と3

 

1.
栄養状態の低下は、発症の「内的要因」である。

 

外的要因には、圧迫がある。

 

2.正答
糖尿病患者では、悪化しやすい。

 

血流が悪くなりやすいのも要因

 

3.正答
踵骨(しょうこつ)部は、好発部位である。

 

踵は圧迫されやすいため、褥瘡の好発部位となる。他には大転子部(だいてんしぶ)・仙骨部等
大転子部:股関節横あたりの少し外側に出ている骨の事

 

4.
たんぱく質漏出期には、「高タンパク質食」とする。

 

5.
水分制限は、褥瘡を「悪化」させる。

 


C.正答4

 

4.滲出液(しんしゅつえき)がみられる時には、「水分摂取を積極的に行う」。

 

DESIGN-R:褥瘡の程度を、深さ・浸出液・大きさ・炎症・感染・肉芽組織・壊死組織・ポケットにより判定するもの

 

肩甲骨部:仰臥位(ぎょうがい・仰向けに寝ている姿勢)時に圧迫されやすいため、褥瘡の好発部位となる

 

 

D.正答4

 

4.亜鉛の摂取量を「増加させる」。

 

亜鉛摂取により、組織の再生を促進する。
基本的に褥瘡が起きるリスクがあるという事は、低栄養状態であるため、制限するという方針になるのは考えにくい。

 

貧血:組織に酸素を運搬する赤血球不足により、組織代謝障害・脆弱化を助長する。

 

30度側臥位:仰臥位時に発生する仙骨部の褥瘡、側臥位時に発生する大転子部の褥瘡を予防できる

 

 

 

 

今回は以上。

 

今回で臨床栄養学は終了です。

繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

頑張っていきましょう!!