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クリティカルケアの栄養アセスメントと栄養ケアについての問題 3問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.広範囲熱傷患者の急性期の病態と栄養管理に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.血管透過性は、低下する。
2.尿中窒素排泄量は、減少する。
3.高血糖をきたす。
4.水分を制限する。
5.NPC/N(非たんぱく質カロリー窒素比)を、健常時より高くする。

 

 

B.重症熱傷患者の入院翌日の病態と栄養管理に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.基礎代謝が、低下する。
2.血管透過性が、低下する。
3.健常時よりNPC/N(非たんぱく質カロリー窒素比)を低くする。
4.グルタミンを制限する。
5.水分を制限する。

 

 

C.受傷後3日目の広範囲熱傷患者における病態と栄養管理に関する記述である。誤っているものを1つ。

 

1.熱傷面積の推定には、9の法則を用いる。
2.水分喪失量は、増加している。
3.高血糖をきたしやすい。
4.消化管が使用可能な場合は、経腸栄養法が推奨される。
5.NPC/N比(非たんぱく質カロリー窒素比)は、500とする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答3

 

1.
血管透過性は、「亢進」する。

 

炎症により血管透過性は亢進する。

 

炎症:局所の組織細胞障害や作用した障害因子に対する生体の局所的防御修復反応

炎症を起こす細胞:リンパ球、マクロファージ、好中球、好塩基球由来の肥満細胞などの免疫担当細胞。

 

急性炎症の五徴候
・発赤:毛細血管拡張→局所での血液量増
・腫脹:病巣の毛細血管透過性亢進→滲出液(しんしゅつえき)増→間質で浮腫
・熱感:血流増加→局所での温度上昇・全身の体温上昇
・疼痛:痛覚をつかさどる神経が物理的・化学的に刺激される事により起こる
・機能障害:上記の4兆候の結果、炎症を起こしている局所での機能障害が起こる事

 

2.
尿中窒素排泄量は、「増加」する。

 

広範囲熱傷により組織の破壊・炎症発生 → 体タンパク質の異化が亢進 → 尿中窒素排泄量増加

 

3.正答
高血糖をきたす。

 

炎症による耐糖能低下(インスリン抵抗性)・ストレス応答により、高血糖になる。

 

4.
水分「は十分摂取する」。

 

熱傷による体温上昇・不感蒸泄量・体表面からの水分喪失の増加による脱水を防ぐため、水分は十分に摂取する。

 

5.
NPC/N(非たんぱく質カロリー窒素比)を、健常時より「低く」する。

 

体タンパク質の異化防止・組織修復促進のため、高タンパク質食とする。

 

NPC/Nの分子(NPC, non-protein calorie)はエネルギー投与量を表し、分母(N, nitrogen)はたんぱく質投与量を表す。
たんぱく質投与量を増やせば、分母が大きくなるので、NPC/Nは低くなる。

 


B.正答3

 

1.
基礎代謝が、「亢進」する。

 

炎症によるストレス応答により、基礎代謝が亢進する。

 

2.
血管透過性が、「亢進」する。

 

3.正答
健常時よりNPC/N(非たんぱく質カロリー窒素比)を低くする。

 

4.
グルタミンを「摂取」する。

 

グルタミンは組織再生・免疫能向上に関与するため、積極的に摂取する。

 

5.
水分を「十分に摂取」する。

 


C.正答5

 

1.
熱傷面積の推定には、9の法則を用いる。

 

9の法則は成人に対して用い、幼児・小児では「5の法則」を用いる。

 

<9の法則>
患者(成人)の熱傷面積を推算する方法。
頭部・左上肢・右上肢・左体幹前面・右体幹前面・左体幹後面・右体幹後面・左下肢前面・右下肢前面・左下肢後面・右下肢後面で、それぞれ9%、陰部を1%の合計100%で計算する。

 

※5の法則の詳細まで試験で聞かれる事はほぼ無いので割愛。出題されたらごめんね。


5.正答
NPC/N比(非たんぱく質カロリー窒素比)は、「100以下」とする。

 

体タンパク質の異化防止・組織修復促進のため、高タンパク質食とする。

 

NPC/Nの分子(NPC, non-protein calorie)はエネルギー投与量を表し、分母(N, nitrogen)はたんぱく質投与量を表す。
たんぱく質投与量を増やせば、分母が大きくなるので、NPC/Nは低くなる。

 

 

 

今回は以上。

繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

頑張っていきましょう!!