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内分泌蹴疾患の栄養アセスメントと栄養ケアについての問題 5問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.内分泌疾患の病態と栄養管理に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.クッシング症候群では、インスリン感受性が亢進する。
2.クッシング症候群では、カリウム制限食とする。
3.バセドウ病では、基礎代謝が亢進する。
4.バセドウ病では、たんぱく質制限食とする。
5.橋本病では、血清総コレステロール値が低下する。

 

 

B.内分泌疾患の栄養管理に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.甲状腺機能亢進症では、エネルギーの摂取量を制限する。
2.甲状腺機能亢進症では、たんぱく質の摂取量を制限する。
3.橋本病では、ヨウ素の摂取量を制限する。
4.クッシング症候群では、ナトリウムの摂取量を制限する。
5.クッシング症候群では、カルシウムの摂取量を制限する。

 

 

C.甲状腺疾患の病態と栄養管理に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.バセドウ病では、甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体抗体が陽性となる。
2.バセドウ病では、エネルギー摂取量を制限する。
3.バセドウ病では、水分摂取量を制限する。
4.橋本病では、甲状腺刺激ホルモンが低下する。
5.橋本病では、たんぱく質摂取量を制限する。

 


D.バセドウ病に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.基礎代謝量が低下する。
2.腸管蠕動運動が減弱する。
3.血清甲状腺刺激ホルモン(TSH)値が上昇する。
4.血清遊離トリヨードサイロニン(FT3)値が上昇する。
5.血清総コレステロール値が上昇する。

 

 

E.甲状腺機能亢進時に摂取を制限するものである。正しいものを1つ。

 

1.エネルギー
2.たんぱく質
3.コレステロール
4.ヨード(ヨウ素
5.水分

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答3

 

1.
クッシング症候群では、「インスリン抵抗性」が亢進する。

 

クッシング症候群で過剰分泌されるコルチゾールには、インスリン抵抗性を亢進(細胞が糖質を取り込みにくくなる)させ、血糖値を上昇させる作用がある。→肥満になりやすくなる。

 

2.
クッシング症候群では、「カリウムの摂取量を増やす」。

 

コルチゾールには、微弱なアルドステロン作用がある。コルチゾールの過剰分泌が長期にわたると、カリウム排泄量増加につながるため、カリウム摂取量を増やす事が必要。

 

3.正答
バセドウ病では、基礎代謝が亢進する。

 

甲状腺ホルモンが過剰分泌し、基礎代謝が亢進するため。
バセドウ病の症状は、甲状腺の腫れ、頻脈・動悸、発汗増加、食欲増進、体重減少、指先の震え、いらいら、眼球突出、筋力低下、下痢、月経不順、心房細動、高血圧など。

 

4.
バセドウ病では、たんぱく質「を不足しないよう摂取する」。

 

代謝が亢進するので、それだけエネルギーやその他栄養分がより必要となる。
食欲も増進するため、不足しないよう摂取していく。

 

5.
橋本病では、血清総コレステロール値が「上昇」する。

 

橋本病では代謝が低下し、生体内でのコレステロール利用が減少するため、血清総コレステロール値が上昇する。

橋本病  :甲状腺機能低下症
バセドウ病甲状腺機能亢進症

 


B.正答4

 

1.
甲状腺機能亢進症では、エネルギーの摂取量を「増やす」。

 

代謝が亢進するので、それだけエネルギーやその他栄養分がより必要となる。
食欲も増進するため、不足しないよう摂取していく。

 

2.
甲状腺機能亢進症では、たんぱく質の摂取量を「増やす」。

 

代謝が亢進するので、それだけエネルギーやその他栄養分がより必要となる。
食欲も増進するため、不足しないよう摂取していく。

 

3.
橋本病では、ヨウ素の摂取量を「制限する必要はない」。

 

4.正答
クッシング症候群では、ナトリウムの摂取量を制限する。

 

コルチゾールには、微弱なアルドステロン作用がある。コルチゾールの過剰分泌が長期にわたると、ナトリウムの再吸収が増加するため、ナトリウム摂取量を制限する必要がある。

 

5.
クッシング症候群では、カルシウムの摂取量を「増やす」。

 

コルチゾール過剰分泌による骨粗鬆症を予防するため、カルシウムの摂取量を増加させる。

 


C.正答1

 

1.正答
バセドウ病では、甲状腺刺激ホルモン(TSH:thyroid stimulating hormone)受容体抗体が陽性となる。

 

バセドウ病は、TSH受容体抗体がTSH受容体を刺激することで、甲状腺機能が亢進し、甲状腺ホルモン分泌が過剰となる内分泌疾患。

 

2.
バセドウ病では、エネルギー摂取量を「増やす」。

 

エネルギー代謝が亢進するため、エネルギー摂取量増加が必要。

 

3.
バセドウ病では、水分摂取量を「増やす」。

 

基礎代謝亢進により体水分の喪失量が増えるため、水分摂取量を増加させる。

 

4.
橋本病では、甲状腺刺激ホルモンが「上昇」する。

 

橋本病は甲状腺機能が低下する内分泌疾患のため、甲状腺ホルモンの分泌が低下すると、正のフィードバック作用により、上位ホルモンであるTSH分泌が上昇する。

 

5.
橋本病では、たんぱく質摂取量を「不足しないよう摂取する」。

 

特に制限は必要無し。

 


D.正答4

 

1.
基礎代謝量が「上昇」する。

 

2.
腸管蠕動運動が「増強」する。

 

代謝亢進→腸管蠕動運動増強→下痢リスク増

 

3.
血清甲状腺刺激ホルモン(TSH)値が「低下」する。

 

甲状腺ホルモンの分泌上昇により、負のフィードバック作用により、上位ホルモンであるTSHの分泌が低下する。

 

4.正答
血清遊離トリヨードサイロニン(FT3)値が上昇する。

 

甲状腺機能亢進により、甲状腺ホルモン分泌が上昇する。

 

5.
血清総コレステロール値が「低下」する。

 

代謝亢進→生体内コレステロール利用増加→血清総コレステロール値減少

 


E.正答4

 

4.ヨード(ヨウ素

ヨード(ヨウ素)は甲状腺ホルモンの構成成分であるため、摂取を制限する。

 

 

今回は以上。

あっという間に9月も終わりです。

受験まで、あと5カ月、約150日です(だよな?)。

今からでもカウントダウンしていくと、締め切り効果で集中力や危機感が生まれるのでいいかもしれませんね。

言われるまでもなくやっていた人がいたなら、凄い!

 

繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

頑張っていきましょう!!