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腎・尿路疾患の栄養アセスメントと栄養ケアについての問題その1 4問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.微小変化型ネフローゼ症候群に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.エネルギー摂取量は、20~25㎉/㎏標準体重/日とする。
2.たんぱく質接す量は、1.5g/㎏標準体重/日とする。
3.浮腫がみられる時の水分摂取量は、前日尿量+500mlとする。
4.LDL-コレステロール値は、低下する。
5.ステロイド薬の反応は、微小変化型以外のネフローゼ症候群に比べて悪い。

 

 

B.62歳男性。身長170㎝、体重80㎏(標準体重63.6㎏)、管理職(軽労作)。糖尿病腎症と診断された。血圧145/91(単位省略)、推算糸球体ろ過量(eGFR)70ml/分/1.73㎡、血清カリウム値4.5mEq/L。微量アルブミン尿がみられる。この患者の栄養管理に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.エネルギー摂取量は、40㎉/㎏標準体重/日とする。
2.たんぱく質摂取量は、1.2g/㎏標準体重/日とする。
3.炭水化物の摂取エネルギー比率は、70%/Eとする。
4.カリウム摂取量は、1500㎎/日以下とする。
5.水分摂取量は、前日の尿量と同量とする。

 

 

C.58歳男性、事務職。身長165㎝、体重63㎏(標準体重60㎏)の糖尿病腎症患者である。持続性タンパク尿(0.8g/gクレアチニン)がみられ、推算糸球体ろ過量(eGFR)50ml/分/1.73㎡。この患者の1日当たりの目標エネルギー量とたんぱく質量の組み合わせである。正しいものを1つ。

 

エネルギー量 ――― たんぱく質
(㎉/日)      (g/日)
1.1200 ――― 50
2.1600 ――― 30
3.1600 ――― 50
4.2200 ――― 30
5.2200 ――― 50

 


D.CKD(慢性腎臓病)の栄養アセスメントに関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.重症度分類には、尿中尿素窒素値を用いる。

2.たんぱく質摂取量の推定には、血清総たんぱく質値を用いる。
3.食塩摂取量の推定には、血清ナトリウム値を用いる。
4.ビタミンD活性化障害の評価には、血清カリウム値を用いる。
5.代謝性アシドーシスの評価には、動脈血重炭酸イオン値を用いる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答3

 

1.
エネルギー摂取量は、「35㎉/㎏標準体重/日」とする。

 

2.
たんぱく質接す量は、「1.0~1.1g/㎏標準体重/日」とする。

 

3.正答
浮腫がみられる時の水分摂取量は、前日尿量+500mlとする。

 

4.
LDL-コレステロール値は、「上昇する」。

 

ネフローゼ症候群では、糸球体の障害により低アルブミン血症となる。
これを改善するため、アルブミンを合成する臓器である肝臓の機能が亢進する。
肝臓ではアルブミン以外にも、コレステロールが合成されているため、肝機能亢進によりコレステロール合成量が増加し、LDL-コレステロール値が上昇する。

 

5.
ステロイド薬の反応は、微小変化型以外のネフローゼ症候群に比べて「良い」。

 

ステロイド薬投与により、糸球体の炎症反応を抑制することができる。
微小変化型ネフローゼ症候群では、ステロイド薬の効果が出やすい傾向にある。

 


B.正答2

 

1.
エネルギー摂取量は、「25~30㎉/㎏標準体重/日」とする。

 

微量アルブミン尿が出現しているため、糖尿病腎症第2期であると判断できる。

 

2.正答

たんぱく質摂取量は、1.2g/㎏標準体重/日とする。

 

1.0~1.2g/㎏標準体重/日となる。

 

3.
炭水化物の摂取エネルギー比率は、「50~60%/E」とする。

 

4.
カリウム摂取量は、「制限する必要がない」。

 

5.
水分摂取量は、「不足しないよう摂取する」。

 


C.正答3

 

エネルギー量 ――― たんぱく質
(㎉/日)      (g/日)

 

3.1600 ――― 50

 

持続性タンパク尿がある、推算糸球体ろ過量(eGFR)30ml/分/1.73㎡以上であることから、糖尿病腎症第3期であると判断できる。

エネルギー量:25~30㎉×60㎏(標準体重)=1500~1800㎉/日
たんぱく質量:0.8~1.0g×60㎏(標準体重)=約50~60g/日

 


D.正答5

 

1.
重症度分類には、「原疾患・GFR・たんぱく尿(アルブミン尿)」を用いる。

 

2.
たんぱく質摂取量の推定には、「尿中尿素窒素排泄量」を用いる。

 

3.
食塩摂取量の推定には、「尿中ナトリウム値」を用いる。

 

4.
ビタミンD活性化障害の評価には、「血清カルシウム値・リン値・副甲状腺ホルモン値など」を用いる。

 

5.正答
代謝性アシドーシスの評価には、動脈血重炭酸イオン値を用いる。

 


今回は以上。

繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

頑張っていきましょう!!