消化器疾患の栄養アセスメントと栄養ケアについての問題その3 4問【管理栄養士国家試験過去問解説】
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A.代謝性肝硬変患者の栄養モニタリング項目である。正しいものを1つ。
1.肝性脳症の有無
2.浮腫の有無
3.筋肉量
4.ウエスト/ヒップ比
B.非代償期性肝硬変で上昇する項目である。正しいものを1つ。
1.血清総コレステロール値
2.血中アンモニア値
3.フィッシャー比
4.血漿膠質浸透圧
5.早期空腹時の呼吸商
C.C型慢性肝炎患者に対する鉄分制限食の主な目的である。正しいものを1つ。
1.C型肝炎ウィルスの除去
2.活性酸素の産生抑制
3.夜間の低血糖予防
4.肝性脳症の予防
5.腹水の予防
D.肝硬変の栄養管理に関する記述である。正しいものを1つ。
1.腹水がある場合には、エネルギーの摂取量を制限する。
2.食道静脈瘤がある場合には、亜鉛の摂取量を制限する。
3.高アンモニア血症がある場合には、脂質の摂取量を制限する。
4.低血糖がある場合には、ラクツロースを投与する。
5.フィッシャー比低下がある場合には、分枝アミノ酸を投与する。
続いて回答と解説。
A.正答3
3.筋肉量
肝硬変では、肝機能低下により肝臓におけるアミノ酸の利用が低下する。代償的に筋肉における分枝アミノ酸の消費が高まるため、筋肉量の減少がみられることがある。
この現象は非代償期にみられる浮腫や肝性脳症より早期に出現すると考えられるため、代償性肝硬変患者のモニタリング項目として最適であると言える。
B.正答2
1.
血清総コレステロール値
肝臓におけるコレステロール合成障害のため低下する。
2.正答
血中アンモニア値
肝臓における尿素回路障害により上昇する。
3.
フィッシャー比
肝臓における芳香族アミノ酸代謝障害により、フィッシャー比(分枝アミノ酸/芳香族アミノ酸)が低下する。
4.
血漿膠質浸透圧
肝臓におけるアルブミン合成障害により低下する。
5.
早期空腹時の呼吸商
肝臓におけるグルコース合成障害により、エネルギー源としての脂質の利用が高まり、呼吸商が低下する。
C.正答2
2.活性酸素の産生抑制
C型慢性肝炎では、鉄の代謝臓器である肝臓に、鉄の過剰沈着が起こる。その過剰な鉄は、活性酸素を産生し、肝炎症状を悪化させるため鉄を制限する。
D.正答5
1.
腹水がある場合には、「水分・食塩の摂取量」を制限する。
2.
食道静脈瘤がある場合には、「刺激物や硬い食物の摂取量」を制限する。
静脈瘤破裂を防ぐため
3.
高アンモニア血症がある場合には、「たんぱく質の摂取量」を制限する。
ラクツロース:高アンモニア血症に伴う精神神経障害、手指振戦、脳波異常症候の改善・産婦人科術後の排ガス・排便の促進、小児における便秘の改善等に用いる薬剤
5.正答
フィッシャー比低下がある場合には、分枝アミノ酸を投与する。
芳香族アミノ酸を制限し、分枝アミノ酸を投与してフィッシャー比を高くする。
今回は以上。
暑さの方もだいぶ落ち着いてきたと思いますが、いかがでしょうか?
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