管理栄養士国家試験合格に向けてチャレンジする人を応援するブログ

独学で学習を進める人をはじめ、受験勉強中の悩みを解消するための情報をお伝えしていきます。

消化器疾患の栄養アセスメントと栄養ケアについての問題その1 4問【管理栄養士国家試験過去問解説】

今日も楽しく!
知識を身に着けていきましょう!!
質問等ありましたら、コメント欄にお気軽にどうぞ

 


A.胃食道逆流性の栄養管理に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.食後は、すぐに仰臥位をとる
2.1回当たりの食事量を多くする。
3.高脂肪食を選択する。
4.カフェインの摂取を控える。
5.かんきつ類を多く摂取する。

 

 

B.胃食道逆流症の栄養管理に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.高脂肪食の摂取を勧める。
2.かんきつ類の摂取を勧める。
3.分割食を勧める。
4.コルセットの着用を勧める。
5.食後すぐの仰臥位を勧める。

 

 

C.胃食道逆流症の栄養管理に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.1回当たりの食事量を多くする。
2.脂質の摂取エネルギー比率を、35%E以上とする。
3.夕食後は、1時間以内に就寝する。
4.就寝は、仰臥位を勧める。
5.胃瘻では、半固形タイプの栄養剤を用いる。

 

 

D.腸疾患に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.潰瘍性大腸炎では、白血球の低下がみられる。
2.クローン病では、チャイルド分類で重症度を評価する。
3.イレウスでは、経腸栄養法を選択する。
4.たんぱく質漏出性胃腸症では、高たんぱく質食とする。
5.過敏性腸症候群では、高TNF-α抗体製剤が用いられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答4

 

1.
食後は、すぐに「半座位(ファーラー位)」をとる

 

半座位(ファーラー位):ベッドに寝た状態(仰臥位)から、上半身を45度起こした姿勢
仰臥位:仰向け状態

 

仰臥位だと胃内容物逆流のリスクが高まる。

 

2.
1回当たりの食事量を「少なくして頻回食」とする。

 

1回当たりの食事量を減らして、胃内容物逆流リスクを下げる。

 

3.
「低脂肪食」を選択する。

 

胃内滞留時間の長い脂肪は制限する。

 

4.正答
カフェインの摂取を控える。

 

カフェインは胃を刺激し、胃酸分泌を促進するため控える。

 

5.
かんきつ類を「控える」。

 

かんきつ類は酸味が強く、胃を刺激し、胃酸分泌を促進するため控える。

 


B.正答3

 

1.
高脂肪食の摂取を「控える」。

 

2.
かんきつ類の摂取を「控える」。

 

3.正答
分割食を勧める。

 

4.
コルセットの着用を「控える」。

 

コルセットは腹圧を上昇させ、胃内容物逆流リスクを高めるので、着用を控える。

 

5.
食後すぐの「半座位」を勧める。

 


C.正答5

 

1.
1回当たりの食事量を「少なくする」。

 

2.
脂質「は低脂肪食とする」。

 

適正な脂質量を調べましたが、確認できませんでした。

 

3.
夕食後は、「3時間以上経過後」に就寝する。

 

4.
就寝は、「半座位」を勧める。


5.正答
胃瘻では、半固形タイプの栄養剤を用いる。

 

液体タイプと比較して流動性が低くなるため、胃内容物逆流リスクを低下させる事が出来る。

 


D.正答4

 

1.
潰瘍性大腸炎では、白血球の「上昇」がみられる。

 

潰瘍性大腸炎では、炎症を引き起こす白血球が増加する。

潰瘍性大腸炎クローン病の炎症を起こしている腸管粘膜には、顆粒球・単球・細胞障害性Tリンパ球などの活性の高い白血球が集まっている。炎症性腸疾患ではこれらの白血球が、まちがった情報を与えられて自分の体を攻撃しているといわれている。

 

2.
クローン病では、「IOIBDスコア・CDAIスコア」で重症度を評価する。

 

IOIBD(The International Organisation for the study of Inflammatory Bowel Disease)スコア
CDAI(Crohn’s disease activity index)スコア

 

クローン病の重症度分類スコアの事。

 

腹痛・体重減少・38℃以上の発熱というような10項目があるのがIOIBDスコア。寛解期か活動期かをだけを判定するもの。
10項目のそれぞれに当てはまれば1点、当てはまなければ0点とし、2点以上であれば活動性、1点以下であれば寛解と判断するスコア

 

CDAIスコアは臨床項目に関するデータを集計して、軽症・中等症・重症と判定するもの。
過去1週間の腹痛や下痢などの症状や、合併症の数などを点数化し、一定の計算式にしたがって出す指数であり計算式は複雑となっている。

 

チャイルド分類:肝硬変の重症度分類

 

3.
イレウスでは、「経静脈栄養法」を選択する。

 

イレウス(腸閉塞)では経腸栄養法(胃腸を経由して栄養素を吸収させる方法)は禁忌のため、経静脈栄養法を選択する。

 

4.正答
たんぱく質漏出性胃腸症では、高たんぱく質食とする。

 

喪失したたんぱく質を補給するため、たんぱく質摂取量を増加させる。

 

5.
クローン病」では、高TNF-α抗体製剤が用いられる。

 

高TNF-α抗体製剤:抗炎症作用を持つ薬剤で、炎症反応の起こらない過敏性腸症候群には用いられない。
クローン病潰瘍性大腸炎では、炎症を引き起こすTNF-αの産生量が増加するため有効となる。

 


今回は以上。

繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

頑張っていきましょう!!