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栄養障害の栄養アセスメントと栄養ケアについての問題その4 5問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.脂質異常症の栄養管理に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.高カイロミクロン血症では、脂質のエネルギー比率を20~30%Eとする。
2.高LDL-コレステロール血症では、飽和脂肪酸の摂取を控える。
3.低HDL-コレステロール血症では、トランス脂肪酸の摂取を控える。
4.高トリグリセリド血症では、アルコール摂取量を25g/日以下とする。
5.高トリグリセリド血症では、果糖を含む加工食品の摂取を控える。

 

 

B.高カイロミクロン血症の栄養管理に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.炭水化物の摂取エネルギー比率は、30%E以下とする。
2.たんぱく質の摂取エネルギー比率は、10%E以下とする。
3.脂質の摂取エネルギー比率は、15%E以下とする。
4.n-3系脂肪酸の摂取量は、制限する。
5.食物繊維の摂取量は、制限する。

 

 

C.高LDL-コレステロール血症の栄養管理に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.炭水化物の摂取エネルギー比率を40%E未満とする。
2.飽和脂肪酸の摂取エネルギー比率を10%E以上とする。
3.トランス脂肪酸の摂取を増やす。
4.コレステロールの摂取量を200mg/日未満とする。
5.食物繊維の摂取量を10g/日以下とする。

 

 

D.高トリグリセリド血症の栄養管理に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.炭水化物の摂取エネルギー比率を70%E以上とする。
2.果糖を多く含む加工食品の摂取を増やす。
3.n-3系脂肪酸の摂取を増やす。
4.アルコールの摂取量を50g/日以下とする。
5.高カイロミクロン血症では、脂質の摂取エネルギー比率を20%E以上とする。

 

 

E.高尿酸血症の栄養管理および治療薬とその主な効果の組み合わせである。正しいものを1つ。

 

1.十分に水分を摂取する  ――――  尿酸産生抑制
2.果糖の過剰摂取を控える ――――  尿酸排泄促進
3.アロプリノール     ――――  尿酸産生抑制
4.プロベネシド      ――――  尿酸産生抑制
5.コルヒチン       ――――  尿酸排泄促進

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答1

 

1.高カイロミクロン血症では、脂質のエネルギー比率を「15%E以下」とする。

 

高カイロミクロン血症は、食事由来の脂質を輸送するカイロミクロンの過剰増加が原因で起こる疾患。カイロミクロンの生成を抑制するため、脂質の摂取を制限する。

 

2.
高LDL-コレステロール血症では、飽和脂肪酸の摂取を控える。

 

飽和脂肪酸は血中LDL-コレステロール値を上昇させるため、飽和脂肪酸のエネルギー比率を7%E未満とする。

 

3.
低HDL-コレステロール血症では、トランス脂肪酸の摂取を控える。

 

トランス脂肪酸の多量摂取により、血中LDL-コレステロール値が上昇し、血中HDH-コレステロール値が低下する事が報告されているため、摂取を控える。

 

4.
高トリグリセリド血症では、アルコール摂取量を25g/日以下とする。

 

アルコールの過剰摂取は、血中トリグリセリド値を上昇させる可能性があるため、控える。

※むしろ飲まない。が一番だが、なかなかやめられない(ブログ主)

 

5.
高トリグリセリド血症では、果糖を含む加工食品の摂取を控える。

 

果糖の過剰摂取は、血中トリグリセリド値を上昇させる可能性があるため、摂取を控える。

 


B.正答3

 

1.
炭水化物の摂取エネルギー比率は、「50~60%E」とする。

 

2.
たんぱく質の摂取エネルギー比率は、「13~20%E」とする。

 

3.正答
脂質の摂取エネルギー比率は、15%E以下とする。

 

4.
n-3系脂肪酸の摂取量は、「増やす」。

 

5.
食物繊維の摂取量は、「増やす」。

 


C.正答4

 

1.
炭水化物の摂取エネルギー比率を「50~60%E」とする。

 

2.
飽和脂肪酸の摂取エネルギー比率を「4.5%E以上、7%E未満」とする。


3.
トランス脂肪酸の摂取を「減らす」。

 

4.正答
コレステロールの摂取量を200mg/日未満とする。

 

5.
食物繊維の摂取量を「積極的に摂取する」。

 


D.正答3

 

1.
炭水化物の摂取エネルギー比率を「やや低め」とする。

 

炭水化物の過剰摂取は、血中トリグリセリドを上昇させる可能性があるため、摂取を控える。

 

厚労省のHPをみても、本当に「やや低め」としか書いておらず、数字が表示されていない。日本動脈硬化学会での2012年度版の動脈硬化性疾患予防ガイドラインでは、摂取エネルギーの「50~60%」とあるが、それだと上限が2型糖尿病の食事と特に変わらない。だったら何故「やや低め」と基準を濁しているのかが、よく分からない。不思議な話。どんな風にカロリー計算してるんでしょうね?(ブログ主)

 

2.
果糖を多く含む加工食品の摂取を「減らす」。

 

3.正答
n-3系脂肪酸の摂取を増やす。

 

4.
アルコールの摂取量を「25g/日以下」とする。

 

5.
高カイロミクロン血症では、脂質の摂取エネルギー比率を「15%E以下」とする。

 


E.正答3

 

1.
十分に水分を摂取する  ――――  「尿酸排泄促進」

 

水分摂取→尿量増加→尿酸排泄促進

 

2.
果糖の過剰摂取を控える ――――  「尿酸産生抑制」

 

果糖の代謝過程で、プリン塩基を含むATPが分解され、プリン塩基の代謝産物である尿酸が産生する。
果糖の過剰摂取を控える事で、尿酸産生を抑制することができる。

 

3.正答
アロプリノール     ――――  尿酸産生抑制

 

尿酸産生に関与する酵素の働きを阻害し、尿酸産生を抑制する薬剤。

 

4.
プロベネシド      ――――  「尿酸排泄促進」

 

尿細管における尿酸の再吸収を抑制し、尿酸排泄を促進する薬剤。

 

5.
コルヒチン       ――――  「白血球遊走障害」

 

炎症の原因である白血球の遊走を阻害し、痛風発作の発症を抑制する薬剤。
イメージとしては痛み止めのようなもののように感じるが、痛風発作初期にしか有効でなく、鎮痛・消炎作用はほとんどない。

 


今回は以上。

繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

頑張っていきましょう!!