薬と栄養・食事の相互作用についての問題 5問【管理栄養士国家試験過去問解説】
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A.薬物とその作用の組み合わせである。正しいものを1つ。
1.アンギオテンシン変換酵素阻害薬 ―― コレステロール合成の抑制
2.α-グルコシダーゼ阻害薬 ―― 食後血糖値の上昇抑制
3.アロプリノール ―― 血圧の降下
4.マジンドール ―― 食欲の亢進
5.ラクツロース ―― 低血糖の予防
B.薬剤とその適応疾患の組み合わせである。正しいものを1つ。
1.エリスロポエチン製剤 ―― 骨粗鬆症
2.HMG-COA還元酵素阻害薬 ―― 胃食道逆流症
3.抗TNF-α抗体製剤 ―― クローン病
4.ヒスタミンH2受容体拮抗薬 ―― 高LDL-コレステロール血症
5.ビスホスホネート薬 ―― 腎性貧血
C.医薬品の薬理効果に及ぼす食品の影響に関する記述である。( )に入る正しいものの組み合わせを1つ。
( A )であるカルシウム拮抗薬の薬理効果は、( B )を摂取する事により( C )する
1.A 抗凝固薬 B 納豆 C 増強
2.A 抗凝固薬 B グレープフルーツジュース C 減弱
3.A 降圧薬 B 納豆 C 増強
4.A 降圧薬 B グレープフルーツジュース C 減弱
5.A 降圧薬 B グレープフルーツジュース C 増強
D.食品が医薬品の薬理効果に及ぼす影響に関する記述である。( )に入る正しいものの組み合わせを1つ。
( A )であるワルファリンの薬理効果は、( B )を多量に含む食品を摂取する事により( C )する
1.A 抗炎症薬 B ビタミンA C 増強
2.A 抗炎症薬 B ビタミンK C 減弱
3.A 抗凝固薬 B ビタミンA C 増強
4.A 抗凝固薬 B ビタミンK C 減弱
5.A 抗凝固薬 B ビタミンK C 増強
E.食品が医薬品に及ぼす影響に関する記述である。正しいものを1つ。
1.クロレラは、ワルファリンの効果を減弱する。
2.納豆は、HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)の効果を増強する。
3.グレープフルーツは、カルシウム拮抗薬の効果を減弱する。
4.牛乳は、ビスホスホネート薬の効果を増強する。
5.セント・ジョーンズ・ワートは、スルホニル尿素(SU)薬の効果を増強する。
続いて回答と解説。
A.正答2
1.
アンギオテンシン変換酵素阻害薬 ―― 「血圧の降下」
2.正答
α-グルコシダーゼ阻害薬 ―― 食後血糖値の上昇抑制
3.
アロプリノール ―― 「尿酸合成の抑制」
4.
マジンドール ―― 「食欲の抑制」
ラクツロース:難消化性糖類の一つ。腸内細菌によるアンモニア産生・吸収を抑制する。
B.正答3
1.
エリスロポエチン製剤 ―― 「腎性貧血」
赤血球合成を促進する事で、腎性貧血を改善する。
2.
HMG-COA還元酵素阻害薬 ―― 「高LDL-コレステロール血症」
コレステロール合成に関与する「HMG-COA」還元酵素の働きを阻害する事で、高LDL-コレステロール血症を改善する。
3.正答
抗TNF-α抗体製剤 ―― クローン病
炎症の原因である「TNF-α」の産生量を減少させる事で、クローン病を改善する薬剤。
4.
ヒスタミンH2受容体拮抗薬 ―― 「胃食道逆流症」
胃酸分泌を促進するヒスタミンH2受容体に作用し、胃酸分泌を抑制→胃食道逆流症を改善する。
5.
ビスホスホネート薬 ―― 「骨粗鬆症」
骨吸収を抑制する事で、骨粗鬆症を改善する。
C.正答5
(降圧薬)であるカルシウム拮抗薬の薬理効果は、(グレープフルーツジュース)を摂取する事により(増強)する
5.A 降圧薬 B グレープフルーツジュース C 増強
カルシウム拮抗薬は、血管収縮抑制作用のある降圧薬。グレープフルーツ摂取により、薬物代謝酵素の活性が阻害され、カルシウム拮抗薬の血中濃度が上昇し、薬理効果が増強する。
D.正答4
(抗凝固薬)であるワルファリンの薬理効果は、(ビタミンK)を多量に含む食品を摂取する事により(減弱)する
4.A 抗凝固薬 B ビタミンK C 減弱
ワルファリンは、抗血液凝固作用がある。ワルファリン服用時に、血液凝固能を持つビタミンKを摂取すると、薬理効果が減弱する。
E.正答1
1.正答
クロレラは、ワルファリンの効果を減弱する。
ワルファリンは、抗血液凝固作用がある。ビタミンKはワルファリンと拮抗した作用を持ち、薬理効果を減弱する。ワルファリン服用時に、ビタミンKを多く含む納豆・クロレラ等を摂取すると、薬理効果が減弱するため、禁忌となる。
2.
「グレープフルーツ」は、HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)の効果を増強する。
3.
グレープフルーツは、カルシウム拮抗薬の効果を「増強する」。
4.
牛乳は、ビスホスホネート薬の効果を「減弱する」。
牛乳中のカルシウムとビスホスホネート薬がキレートを形成し、薬の吸収が抑制されて薬理効果は減弱する。
5.
セント・ジョーンズ・ワートは、「ワルファリンの効果を増強する」。
セント・ジョーンズ・ワート(西洋オトギリソウ)の摂取で、薬物代謝酵素の活性が促進され、ワルファリンの血中濃度が低下し、薬理効果は減弱する。
<セントジョーンズワート(西洋オトギリソウ)>
古くからヨーロッパを中心にうつ病などの民間療法として使用され、軽度から中度のうつ病や、更年期障害、自律神経失調症、ストレスの緩和、ダイエット時のイライラ感などに効果があるサプリメントとして販売されている。
今回は以上。
繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。
頑張っていきましょう!!