成人期・高齢期の生理的特徴についての問題 3問【管理栄養士国家試験過去問解説】
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A.更年期の女性に起こる変化に関する記述である。正しいものを1つ。
1.血清HDL-コレステロール値の上昇
2.エストロゲン分泌量の増加
3.黄体形成ホルモン(LH)分泌量の増加
4.卵胞刺激ホルモン(FSH)分泌量の減少
5.骨吸収の抑制
B.更年期女性の生理的変化に関する記述である。正しいものを1つ。
1.血中黄体形成ホルモン値は、低下する。
2.血中プロゲステロン値は、低下する。
3.血中エストロゲン値は、上昇する。
4.血中LDLコレステロール値は、低下する。
5.骨密度は、上昇する。
C.成人期と比較して高齢期で低下する項目で、誤っているものを1つ。
1.基礎代謝
2.体重1㎏当たりのたんぱく質必要量
3.嚥下機能
4.骨密度
5.肺活量
続いて回答と解説。
A.正答3
1.
血清HDL-コレステロール値の「低下」
・血中HDLコレステロールが低下する
・血中LDLコレステロールが上昇する
・虚血性心疾患のリスクが上昇する
2.
エストロゲン分泌量の「減少」
卵巣機能低下により、卵巣由来のエストロゲンの分泌は減少する。
<閉経前のホルモン分泌>
・脳下垂体前葉から、卵胞刺激ホルモンや黄体形成ホルモンが、卵巣に存在する卵胞を刺激する。
・卵胞からは、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌される。
<閉経後のホルモン分泌>
・卵巣機能が低下するため、卵巣から分泌される卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌が低下する。
・脳下垂体は正常に機能しているため、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌させようと、卵胞刺激ホルモンや黄体形成ホルモンの分泌は上昇する。
3.正答
黄体形成ホルモン(LH)分泌量の増加
卵巣機能低下によりプロゲステロンが減少するため、上位ホルモンである黄体形成ホルモンの分泌は増加する。
4.
卵胞刺激ホルモン(FSH)分泌量の「増加」
卵巣機能低下によりエストロゲンが減少するため、上位ホルモンである卵胞刺激ホルモンの分泌は増加する。
5.
骨吸収の「促進」
卵巣機能低下に伴い、破骨細胞の活性化を抑制するエストロゲンの分泌が低下するため、骨吸収が促進する。
・破骨細胞:骨吸収(骨を溶かす)を担う細胞。パラソルモンにより促進される。
・骨芽細胞:骨形成(骨をつくる)を担う細胞。カルシトニンにより促進される。
「骨への負荷が減る・閉経によるエストロゲン分泌低下・ビタミンDが不足」で骨量は減少しやすくなる
B.正答2
1.
血中黄体形成ホルモン値は、「上昇する」。
<閉経前のホルモン分泌>
・脳下垂体前葉から、卵胞刺激ホルモンや黄体形成ホルモンが、卵巣に存在する卵胞を刺激する。
・卵胞からは、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌される。
<閉経後のホルモン分泌>
・卵巣機能が低下するため、卵巣から分泌される卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌が低下する。
・脳下垂体は正常に機能しているため、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌させようと、卵胞刺激ホルモンや黄体形成ホルモンの分泌は上昇する。
2.正答
血中プロゲステロン値は、低下する。
3.
血中エストロゲン値は、「低下する」。
4.
血中LDLコレステロール値は、「上昇する」。
・血中HDLコレステロールが低下する
・血中LDLコレステロールが上昇する
・虚血性心疾患のリスクが上昇する
5.
骨密度は、「低下する」。
卵巣機能低下に伴い、破骨細胞の活性化を抑制するエストロゲンの分泌が低下するため、骨吸収が促進する。
「骨への負荷が減る・閉経によるエストロゲン分泌低下・ビタミンDが不足」で骨量は減少しやすくなる
C.正答2
2.体重1㎏当たりのたんぱく質必要量
年代別のたんぱく質の総エネルギーに対する摂取目標量(%)
18~49歳 男性13~20% 女性13~20%
50~64歳 男性14~20% 女性14~20%
65歳以上 男性15~20% 女性15~20%
今回は以上。
女性ホルモンに関しては以前もしましたが覚えていたでしょうか?
繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。
頑張っていきましょう!!