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エネルギー・栄養素別食事摂取基準についての問題 3問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.日本人の食事摂取基準(2015年版)におけるエネルギー産生栄養素バランスに関する記述である。誤っているものを1つ。

 

1.エネルギー産生栄養素バランスは、目安量(AI)として設定された。
2.炭水化物のエネルギーには、アルコールを含む。
3.たんぱく質の下限は、推奨量(RDA)以上であると設定された。
4.脂質の上限は、飽和脂肪酸の目標量(DG)を考慮して設定された。
5.活用時には、基準とした値の幅を柔軟に用いる。

 

 

B.日本人の食事摂取基準(2015年版)における、成人の推定平均必要量(EAR)の策定根拠に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.ビタミンB1は、尿中にビタミンB1の排泄量が増大し始める摂取量から算定された。
2.ナイアシンは、尿中にナイアシン代謝産物の排泄量が増大し始める摂取量から算定された。
3.ビタミンCは、壊血病を予防できる摂取量から算定された。
4.カルシウムは、骨粗鬆症を予防できる摂取量から算定された。
5.鉄は、出納試験で、平衡状態を維持できる摂取量から算定された。

 

 

C.日本人の食事摂取基準(2015年版)における、水溶性ビタミンの推定平均必要量(ERA)の設定根拠に関する記述である。正しいものを2つ。

 

1.ビタミンB1は、脚気を予防できる最少摂取量から算定された。
2.ビタミンB2は、尿中ビタミンB2排泄量が増大し始める摂取量から算定された。
3.ナイアシンでは、ペラグラを予防できる最少摂取量から算定された。
4.ビタミンB12は、尿中ビタミンB12排泄量が増大し始める摂取量から算定された。
5.ビタミンCは、壊血病を予防できる最少摂取量から算定された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答1

 

1.
エネルギー産生栄養素バランスは、「目標量(DG)」として設定された。

 

<エネルギー産生栄養素バランス>
タンパク質、脂質、炭水化物が総エネルギー摂取量に占めるべき割合のこと。
これを設定するために、まずタンパク質の目標量を定め、次に脂質の目標量を定め、その残りから炭水化物の目標量を算定。
必要量のあるタンパク質と、必須脂肪酸(n-3系脂肪酸、n-6系脂肪酸)の目安量を参照しながら脂質の目標量(下限)を算定し、これらの合計の残りから炭水化物の目標量(範囲)を算定する。
それぞれの栄養素の不足を回避し、生活習慣病の発症と重症化を予防することを求めている。


目標量に関しては、必要なエネルギー量を確保した上でのバランスとすること。

 

炭水化物はアルコールを含むが、アルコール摂取を進めるものではない。

 

飽和脂肪酸については、摂取量を少なくすることで、総コレステロールとLDLコレステロールが低下し循環器疾患リスクが小さくなるという報告が多いことから、飽和脂肪酸を7%エネルギー以下に抑えるという「目標量」が設定された。
必須脂肪酸であるn-6系脂肪酸とn-3系脂肪酸については「目安量」を設定した。

18歳以上の男性は1日60g、18歳以上の女性だと1日50gのたんぱく質摂取を推奨している。

 

推奨量:ある対象集団において測定された必要量の分布に基づき、母集団に属するほとんどの人(97~98%)が充足している量として定義されたもの。

 

 

B.正答1

 

1.正答
ビタミンB1は、尿中にビタミンB1の排泄量が増大し始める摂取量から算定された。

 

2.
ナイアシンは、「ペラグラの発症を予防できる最少摂取量」から算定された。

 

3.
ビタミンCは、「心臓血管系の疾病予防効果並びに抗酸化作用効果」から算定された。

 

4.
カルシウムは、「要因加算法を用いて」算定された。

 

5.
鉄は、「要因加算法を用いて算定された。

 


C.正答2と3

 

1.
ビタミンB1は、「尿中ビタミンB1排泄量が増大し始める摂取量(体内飽和量)」から算定された。

 

2.正答
ビタミンB2は、尿中ビタミンB2排泄量が増大し始める摂取量から算定された。

 

3.正答
ナイアシンでは、ペラグラを予防できる最少摂取量から算定された。

 

4.
ビタミンB12は、悪性貧血患者にビタミンB12を筋肉内注射し、血液学的性状(平均赤血球容積)及び血清ビタミンB12濃度を適正に維持するために必要な量を基にして」算定された。

 

5.
ビタミンCは、「心臓血管系の疾病予防効果並びに抗酸化作用効果」から算定された。


ちなみにビタミンB6は、ビタミンB6必要量はたんぱく質摂取量が増加すると増すため、推奨量は、推定平均必要量に推奨量算定係数1.2を乗じた値とされてます。

 


今回は以上。

繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

頑張っていきましょう!!