食事摂取基準の基礎的理解についての問題 3問【管理栄養士国家試験過去問解説】
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A.日本人の食事摂取基準(2015年版)の科学的根拠に関する記述である。正しいものを2つ。
1.系統的レビューの方法を用いた。
2.各々の栄養素のエビデンスレベルは異なる。
3.目安量(AI)の算定根拠は、症例報告が多い。
4.耐用上限量(UL)の算定根拠は、介入研究が多い。
5.目標量(DG)の算定根拠となる研究の典型的な観察期間は、数か月である。
B.日本人の食事摂取基準(2015年版)の策定に関する記述である。正しいものを2つ。
1.対象者には、高血圧や高血糖のリスクがあるものは含まない。
2.成人のエネルギーの指標には、BMI(kg/㎡)を用いる。
3.食物繊維の目標量(DG)は、1歳以上の全ての年齢区分で設定された。
4.生活習慣病の重症化予防は、策定方針に含まれている。
5.成人男子のナトリウム(食塩相当量)の目標量(DG)は、9.0g/日未満である。
C.日本人の食事摂取基準(2015年版)における策定の基本的事項に関する記述である。正しいものを1つ。
1.摂取源には、サプリメントは含まれない。
2.参照体位は、望ましい体位を示している。
3.BMI(kg/㎡)は、18歳以上のエネルギー収支バランスの指標である。
4.高齢者の年齢区分は、65歳以上である。
5.目安量(AI)は、生活習慣病の予防を目的とした指標である。
続いて回答と解説。
A.正答1と2
1.正答
系統的レビューの方法を用いた。
系統的レビュー:あるテーマに関して、系統的・網羅的に文献収集を行ない、個々の研究の質を吟味し、一定の結論を導く方法
2.正答
各々の栄養素のエビデンスレベルは異なる。
3.
目安量(AI)の算定根拠は、「実験研究・疫学研究(介入研究を含む)」が多い。
4.
耐用上限量(UL)の算定根拠は、「症例報告」が多い。
5.
目標量(DG)の算定根拠となる研究の典型的な観察期間は、「数年~数十年」である。
B.正答2と4
1.
対象者には、高血圧や高血糖のリスクがあるものは「含まれる」。
対象者には、高血圧・脂質異常・高血糖・腎機能低下に関するリスクを有していても、自立した日常生活を営んでいる者は含まれる。
2.正答
成人のエネルギーの指標には、BMI(kg/㎡)を用いる。
3.
食物繊維の目標量(DG)は、「3歳以上」の全ての年齢区分で設定された。
2015年版では「6歳以上」だったが、2020年版では「3歳以上」の全ての年齢区分で設定されている。
4.正答
生活習慣病の重症化予防は、策定方針に含まれている。
国民の健康の保持・増進・生活習慣病の予防を策定方針としている。
5.
成人男子のナトリウム(食塩相当量)の目標量(DG)は、「7.5g/日未満」である。
2015年版では「8.0g/日未満」だったが、2020年版では「7.5g/日未満」に設定されている。
C.正答3
1.
摂取源には、サプリメントは「含まれる」。
2.
参照体位は、「日本人の平均的な体位」を示している。
3.正答
BMI(kg/㎡)は、18歳以上のエネルギー収支バランスの指標である。
4.
高齢者の年齢区分は、70歳以上である。
高齢者の年齢区分が、「65~74歳」と「75歳以上」の2つに分かれている。
5.
目安量(AI)は、「摂取不足の回避」を目的とした指標である。
生活習慣病の発症予防を目的とした指標として「目標量(DG)」がある。
今回は以上。
繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。
頑張っていきましょう!!