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ミネラルの分類と栄養学的機能についての問題 4問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.ミネラルとそれを構成成分とするたんぱく質の組み合わせである。正しいものを1つ。

 

1.亜鉛  アルカリホスファターゼ
2.セレン トランスフェリン
3.鉄   セルロプラスミン
4.銅   グルタチオンペルオキシダーゼ
5.ヨウ素 ヘモグロビン

 

 

B.ミネラルに関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.骨の主成分は、シュウ酸カルシウムである。
2.血中カルシウム濃度が上昇すると、骨吸収が促進する。
3.骨中マグネシウム量は、体内マグネシウム量の約10%である。
4.モリブデンが欠乏すると、克山病が発症する。
5.フッ素のう歯予防効果は、歯の表面の耐酸性を高める事による。

 

 

C.ミネラルの栄養に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.マグネシウムの99%は、骨に存在する。
2.クロムは、インスリン作用を増強する。
3.メンケス病は、先天的な銅の過剰症である。
4.カルシトニンは、骨吸収を促進する。
5.運動は、骨形成を抑制する。

 

 

D.血液中のカルシウム濃度とその変化とその応答に関する記述である。正しいものを

1つ。

 

1.カルシウム濃度が低下すると、カルシトニンの分泌が高まる。
2.カルシウム濃度が低下すると、活性型ビタミンDの産生が高まる。
3.カルシウム濃度が低下すると、腎臓におけるカルシウムの再吸収が抑制される。
4.カルシウム濃度が上昇すると、副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌が促進される。
5.カルシウム濃度が上昇すると、骨吸収が促進される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答1

 

亜鉛  アルカリホスファターゼ
セレン グルタチオンペルオキシダーゼ
鉄   トランスフェリン ヘモグロビン
銅   セルロプラスミン
ヨウ素 

 


B.

 

1.
骨の主成分は、「リン酸カルシウム」である。

 

2.
血中カルシウム濃度が上昇すると、骨吸収が「抑制する」。

 

血中カルシウム濃度が上昇すると、骨吸収が抑制され、血中カルシウム濃度を正常化する。

骨吸収:古い骨が壊されること
骨形成:新しい骨がつくられること

 

3.
骨中マグネシウム量は、体内マグネシウム量の「約50~60%」である。

 

マグネシウムは生体内で約50~60%がリン酸塩や炭酸塩として骨に沈着し、残りの約40%は筋肉や脳、神経に存在する。

 

4.
「セレン」が欠乏すると、克山病が発症する。

 

<セレン>
甲状腺ホルモンであるチロキシン(T4)をより活性型であるトリヨードチロニンに変換するためにも必要であり、セレンの欠乏症は過労、精神の減退、甲状腺腫、クレチン症、再発性の流産を繰り返す不育症を含めた甲状腺機能低下の症状を引き起こすことがある。

 

<克山病(けしゃんびょう・こくさんびょう・こくざんびょう)>
1935年頃、中国東北部の克山県に原因不明の心筋疾患が多発し、克山病と名付けられた。
ヒトでは極めて稀で、通常ではほとんど報告されていない。

 

モリブデン
肝臓や腎臓に多く存在し、体内での代謝や体の中に入った有害物質を分解する酵素の成分として、微量ですが必要なミネラル。 鉄分の働きを高め、造血に関わる作用があることから、「血のミネラル」とも言われている。

 

5.正答
フッ素の「う歯予防効果」は、歯の表面の耐酸性を高める事による。

 


C.正答2

 

1.
「カルシウム」の99%は、骨に存在する。

 

マグネシウムは生体内で約50~60%がリン酸塩や炭酸塩として骨に沈着し、残りの約40%は筋肉や脳、神経に存在する。


2.正答
クロムは、インスリン作用を増強する。

 

生体内に存在するクロムの量は極微量ですが、インスリン作用を増強し、正常な糖質代謝コレステロール代謝、結合組織代謝たんぱく質代謝の維持に関係している。

 

3.
メンケス病は、先天的な銅の「欠乏症」である。

 

<メンケス病>
生まれつき銅が欠乏する病気。
食事中から摂取される銅が体内に吸収されず、中枢神経細胞が銅欠乏に陥ることと、銅を必要とする 酵素 が働かなくなることで様々な症状が出る。

 

4.
カルシトニンは、骨吸収を「抑制」する。

 

骨吸収:古い骨が壊される。骨から血液中にカルシウムを移動させる。
また、腸管からのカルシウム吸収率を増やし、尿中に排泄されるカルシウム量を減らす。
副甲状腺ホルモンが関与

 

骨形成:新しい骨がつくられること。血液中から骨にカルシウムを移動させる。
また、尿中に排泄されるカルシウム量を増やし、腸管からのカルシウム吸収率を減らす。
カルシトニンが関与

 

5.
運動は、骨形成を「促進」する。

 

骨に負荷がかかる適度な「運動」が骨密度を高める
運動によって骨に負荷が加わると、骨に弱いマイナスの電気が発生してカルシウムを呼び寄せ、骨にカルシウムが沈着しやすくなり、骨密度を高める。

 


D.正答2

 

この問題は、「骨吸収と骨形成」「副甲状腺ホルモンとカルシトニン」の作用・働きを理解しているかどうかです。

下の部分をまるっと覚えて、理解につなげていきましょう。

 

骨吸収:古い骨が壊される。骨から血液中にカルシウムを移動させる。
また、腸管からのカルシウム吸収率を増やし、尿中に排泄されるカルシウム量を減らす。
副甲状腺ホルモンが関与

 

骨形成:新しい骨がつくられること。血液中から骨にカルシウムを移動させる。
また、尿中に排泄されるカルシウム量を増やし、腸管からのカルシウム吸収率を減らす。
カルシトニンが関与

 

1.
カルシウム濃度が低下すると、「副甲状腺ホルモン」の分泌が高まる。

 

血中カルシウム濃度が低下すると、骨吸収や腎臓におけるカルシウムの再吸収を促進する副甲状腺ホルモンの分泌が高まり、血中カルシウム濃度が上昇する。

 

2.正答
カルシウム濃度が低下すると、活性型ビタミンDの産生が高まる。

 

血中カルシウム濃度が低下すると、腸管からのカルシウム吸収を促進する活性型ビタミンDの産生が高まり、血中カルシウム濃度が上昇する。

 

3.
カルシウム濃度が低下すると、腎臓におけるカルシウムの再吸収が「促進される」。

 

血中カルシウム濃度が低下すると、腎臓におけるカルシウムの再吸収が促進され、血中カルシウム濃度が上昇する。

 

4.
カルシウム濃度が上昇すると、「カルシトニン」の分泌が促進される。

 

血中カルシウム濃度が上昇すると、骨形成や腎臓におけるカルシウムの排泄を促進するカルシトニンの分泌が高まり、血中カルシウム濃度が低下する。

 

5.
カルシウム濃度が上昇すると、骨吸収が「抑制される」。

 

血中カルシウム濃度が上昇すると、骨吸収が抑制され、血中カルシウム濃度が低下する。

 

 


今回は以上。

繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

頑張っていきましょう!!