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ビタミンの栄養学的機能についての問題 4問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.ビタミンB群の機能に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.核酸の合成には、ビタミンB1が関与している。
2.アミノ基転移反応には、ビタミンB2が関与している。
3.ピルビン酸からオキサロ酢酸への交換には、ナイアシンが関与している。
4.ピルビン酸からアセチルCoAへの変換には、ビタミンB12が関与している。

5.脂肪酸の合成には、パントテン酸が関与している。

 

 

B.ビタミンB群に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.ビタミンB1が欠乏すると、血中の乳酸値が低下する。
2.ナイアシンの必要量は、エネルギー消費量が多くなると増加する。
3.ビタミンB6の必要量は、たんぱく質の摂取量が多くなると減少する。
4.葉酸が欠乏すると、悪性貧血になる。
5.ビタミンB12が欠乏すると、血中ホモシステイン値が低下する。

 

 

C.ビタミンの欠乏状態における身体状態の変化に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.ビタミンDの欠乏では、骨塩量が減少する。
2.ビタミンKの欠乏では、血液凝固の時間が短縮する。
3.ビタミンB1の欠乏では、乳酸の血中濃度が低下する。
4.ビタミンB12の欠乏では、DNAの合成が促進される。
5.葉酸の欠乏では、ホモシステイン血中濃度が低下する。

 

 

D.ビタミンCに関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.体内に蓄積しやすい。
2.還元作用を持つ。
3.非ヘム鉄の吸収を抑制する。
4.欠乏すると、血液凝固が亢進する。
5.腸内細菌によって合成される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正解5

 

1.
核酸の合成には、「ビタミンB12葉酸」が関与している。

 

核酸デオキシリボ核酸(DNA)とリボ核酸RNA)の総称であり、前者は主に遺伝情報の貯蔵、後者は情報の伝達やタンパク質合成などの役割を担う。両者はいずれも、5 炭糖に核酸塩基が結合した「ヌクレオシド」を単位としてできている。

核酸の合成には、葉酸(補酵素型はテトラヒドロ葉酸)とビタミンB12(補酵素型はメチルコバラミン)が関与している。

ビタミンB1(補酵素型はチアミンピロリン酸:TPP、あるいはチアミン二リン酸:TDP)は、特に糖質代謝に不可欠。

 

2.
アミノ基転移反応には、「ビタミンB6」が関与している。

 

アミノ基転移反応などのアミノ酸代謝に特に関与しているのは主にビタミンB6(補酵素型はピリドキサール5’-リン酸:PLP、あるいはピリドキサミン5’-リン酸:PMP)。

ビタミンB2(補酵素型はフラビンモノヌクレオチド:FMN、あるいはフラビンアデニンジヌクレオチド:FAD)はフラビン酵素の補因子として、特にエネルギー代謝(脂質代謝)に関与している。

 

3.
ピルビン酸からオキサロ酢酸への交換には、「ビオチン」が関与している。

 

ピルビン酸→オキサロ酢酸の代謝は炭酸固定反応であり、ビオチンがビオチン酵素のの構成成分として関与している。

ナイアシン(補酵素型はニコチンアミドアデニンジヌクレオチドNAD、あるいはニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸:NADP)は、エネルギー代謝脂肪酸合成などの補酵素として働く。

 

4.
ピルビン酸からアセチルCoAへの変換には、「ビタミンB1」が関与している。

 

ピルビン酸→アセチルCoAの代謝には、ビタミンB1、B2、ナイアシンパントテン酸補酵素として関与。

ビタミンB12核酸の合成やホモシステインメチオニン代謝補酵素として関与。

 

5.正答
脂肪酸の合成には、パントテン酸が関与している。

 

脂肪酸の合成にはパントテン酸補酵素型である、補酵素A(コエンザイムA、CoA、CoASH)を始め、ビタミンB2ナイアシン、ビオチンが補酵素として関わっている。

 


B.正答2

 

1.
ビタミンB1が欠乏すると、血中の乳酸値が「上昇する」。

 

ビタミンB1が欠乏すると、ピルビン酸からアセチルCoAへの代謝が出来なくなり、乳酸が生成される。

 

2.正答
ナイアシンの必要量は、エネルギー消費量が多くなると増加する。

 

ナイアシン(補酵素型はニコチンアミドアデニンジヌクレオチドNAD、あるいはニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸:NADP)は、エネルギー代謝脂肪酸合成などの補酵素として働く。
エネルギー代謝が必要になればなるほど、ナイアシン必要量は増加する。

 

3.
ビタミンB6の必要量は、たんぱく質の摂取量が多くなると「増加する」。

 

アミノ基転移反応などのアミノ酸代謝に特に関与しているのは主にビタミンB6(補酵素型はピリドキサール5’-リン酸:PLP、あるいはピリドキサミン5’-リン酸:PMP)。

たんぱく質摂取量が多くなるほど、代謝も必要となるため、ビタミンB6必要量は増加する。


4.
ビタミンB12」が欠乏すると、悪性貧血になる。

 

葉酸又はビタミンB12の欠乏=DNA合成障害による巨赤芽球性貧血をきたす
ビタミンB12欠乏=神経障害や脊髄の変性がみられるようになるが、これを悪性貧血という(胃からの内因子分泌欠如が原因となるもの)

 

5.
ビタミンB12が欠乏すると、血中ホモシステイン値が「上昇する」。

 

ビタミンB12葉酸は、ホモシステインからメチオニンを生成する反応に関与する。

 


C.正答1

 

1.正答
ビタミンDの欠乏では、骨塩量が減少する。

 

2.
ビタミンKの欠乏では、血液凝固の時間が「延長する」。

 

ビタミンK欠乏により、血液凝固がうまく行われないため延長する。

 

3.
ビタミンB1の欠乏では、乳酸の血中濃度が「上昇する」。

 

ビタミンB1が欠乏すると、ピルビン酸からアセチルCoAへの代謝が出来なくなり、乳酸が生成される。

 

4.
ビタミンB12の欠乏では、DNAの合成が「抑制される」。

 

ビタミンB12核酸の合成やホモシステインメチオニン代謝補酵素として関与。

葉酸又はビタミンB12の欠乏=DNA合成障害による巨赤芽球性貧血をきたす
ビタミンB12欠乏=神経障害や脊髄の変性がみられるようになるが、これを悪性貧血という(胃からの内因子分泌欠如が原因となるもの)



葉酸の欠乏では、ホモシステイン血中濃度が「上昇する」。

 

葉酸ビタミンB12が不足すると、ホモシステインからメチオニンへの代謝が低下して血中ホモシステイン値が上昇する。
血清ホモシステイン高値は、葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12の摂取不足に伴って生じる場合が多いと考えられている。

 


D.正答2

 

1.
体内に蓄積「しにくい」。

 

水溶性ビタミンなので、蓄積しにくいです。

 

2.正答
還元作用を持つ。

 

ビタミンCが酸化されることにより他の物質を還元する力を持っている。
その力により、からだの中で様々な酵素反応に必要な金属イオンを還元して、酵素反応を助けることができる。
有名な例として、ビタミンCは、皮膚や骨、血管に多く含まれるコラーゲン繊維を作るために必要である。

 

3.
非ヘム鉄の吸収を「促進する」。

 

非ヘム鉄には2価鉄と3価鉄があり、腸管からは2価鉄で吸収される。
3価鉄を2価鉄へと変換する際に、ビタミンCが関与しているため、非ヘム鉄の吸収が促進する。

 

4.
欠乏すると、血液凝固が「低下する」。

 

欠乏すると、壊血病になります。

 

5.
腸内細菌によって「合成されない」。

 

 

今回は以上。

繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

頑張っていきましょう!!