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空腹感と食欲についての問題 3問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.摂食行動の調節に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.グルコース濃度の上昇により、空腹感が生じる。
2.遊離脂肪酸濃度の上昇により、満腹感が得られる。
3.インスリンは、食欲を抑制する。
4.レプチンは、食欲を促進する。
5.グレリンは、食欲を抑制する。

 


B.食欲と日内リズムに関する記述である。誤っているものを1つ。

 

1.摂食中枢は、視床下部にある。
2.レプチンは、脂肪細胞から分泌される。
3.セロトニンは、食欲を促進する。
4.コルチゾールの日内リズムは、摂食サイクルに影響される。
5.消化酵素の活性には、日内リズムがある。

 

 

C.食欲と日内リズムに関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.食経験は、食欲の形成に影響しない。
2.血中遊離脂肪酸濃度の上昇は、食欲を抑制する。
3.レプチンは、摂食を促進する。
4.食事のサイクルは、日内リズムに影響しない。
5.視床下部の視交叉上核(しこうさじょうかく)は、日内リズムを調節する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A.正解3

 

1.
グルコース濃度の上昇により、「満腹感」が生じる。

 

血液のグルコース濃度が低下(低血糖)すると、エネルギー補給のために空腹感が生まれます。その後、グルコースを摂取し、または糖新生等で血液のグルコース濃度が上昇すると、満腹感が得られる。

 

2.
遊離脂肪酸濃度の上昇により、「空腹感」が得られる。

 

空腹時には脂肪細胞の中性脂肪が分解され、遊離脂肪酸が血液中に放出される。遊離脂肪酸濃度が上昇すると摂食中枢が刺激され、空腹感が得られる。

 

3.
正答
インスリンは、食欲を抑制する。

 

インスリンを脳に直接作用させると満腹中枢を刺激し、胃排泄を遅延させることで食欲を抑える。

 

4.
レプチンは、食欲を「抑制」する。

 

<レプチン (leptin)>
脂肪細胞によって作り出され、強力な飽食シグナルを伝達し、交感神経活動亢進によるエネルギー消費増大をもたらす。
肥満の抑制や体重増加の制御の役割を果たすペプチドホルモンであり、食欲と代謝の調節を行う。

 

5.
グレリンは、食欲を「促進」する。

 

グレリン (ghrelin) >
胃から産生されるペプチドホルモン。下垂体に働き成長ホルモン (GH) 分泌を促進し、また視床下部に働いて食欲を増進させる働きを持つ。

 


B.正解3

 

1.
摂食中枢は、視床下部にある。

 

視床下部 ( 自律神経系調整部位 )の役割>
体温調節
抗利尿ホルモン
血圧・心拍数
摂食行動や飲水行動
性行動
睡眠
子宮筋収縮
乳腺分泌などの本能行動
怒りや不安などの情動行動(大脳皮質・辺縁系皮質)の調節
自律神経系をコントロールする中枢
内分泌(下垂体ホルモンの調節)の中枢


2.
レプチンは、脂肪細胞から分泌される。

 

<レプチン (leptin)>
脂肪細胞によって作り出され、強力な飽食シグナルを伝達し、交感神経活動亢進によるエネルギー消費増大をもたらす。
肥満の抑制や体重増加の制御の役割を果たすペプチドホルモンであり、食欲と代謝の調節を行う。

 

3.
正解
セロトニンが不足すると」、食欲を促進する。

 

セロトニン:精神的安定や意欲、満腹感などを伝える神経伝達物質
喜びや快楽を伝えるドーパミン、怒りや恐怖などを伝えるノルアドレナリンなどの暴走を防ぎ、食欲を抑制する働きもあります。
生体リズム、睡眠、体温調節などに関与し、睡眠を促す作用のあるメラトニンの原料になる。

 

4.
コルチゾールの日内リズムは、摂食サイクルに影響される。

 

コルチゾール(Cortisol)>
副腎皮質ホルモンである糖質コルチコイドの一種。
炭水化物、脂肪、およびタンパク代謝を制御し、生体にとって必須のホルモンである。
コルチゾールは起床時に最も高く、正午に向けて低下し、更に就寝時には一番低い状態へと変化する。

 

5.
消化酵素の活性には、日内リズムがある。

 

消化酵素の活性は、規則正しい摂食サイクルに合わせて変動します(摂食時刻に応じて酵素活性が高くなります)。栄養素の消化吸収を効率よく行うために出来ている身体の仕組みのようです。

 


C.正解5

 

1.
食経験は、食欲の形成に「影響する」。

 

美味しいものを食べたらそればかり食べてしまうとか。味を知らないような、事前情報のない食材で、食欲は湧きにくい。

 

2.
血中遊離脂肪酸濃度の上昇は、食欲を「亢進する」。

 

空腹時には脂肪細胞の中性脂肪が分解され、遊離脂肪酸が血液中に放出される。遊離脂肪酸濃度が上昇すると摂食中枢が刺激され、空腹感が得られる。

 

3.
レプチンは、摂食を「抑制する」。

 

<レプチン (leptin)>
脂肪細胞によって作り出され、強力な飽食シグナルを伝達し、交感神経活動亢進によるエネルギー消費増大をもたらす。
肥満の抑制や体重増加の制御の役割を果たすペプチドホルモンであり、食欲と代謝の調節を行う。
脳の視床下部にある食欲中枢に作用して食欲を抑制させる働きを持つ。

 

4.
食事のサイクルは、日内リズムに「影響する」。


5.
正答
視床下部の視交叉上核(しこうさじょうかく)は、日内リズムを調節する。

 

<視交叉上核(suprachiasmatic nucleus、略称:SCN)>
脳の視床下部にある非常に小さい領域で、哺乳類の概日リズムを統率する時計中枢としての役割を担っている。

 

 


今回は以上。
基礎部分となるので、あまり解説を掘り下げてしまうと覚える量も増えて効率が悪くなってしまうので、ちょっと解説が大変ですが、何とか情報をお届けしたいと思ってます。


繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

頑張っていきましょう!!