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免疫・アレルギー疾患の成因・病態・診断・治療の概要についての問題 4問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.自己免疫疾患に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.橋本病では、甲状腺機能は亢進する。
2.強皮症では、嚥下障害がみられる。
3.関節リウマチでは、蝶形紅斑がみられる。
4.シェーグレン症候群では、唾液分泌が増加する。

5.全身性エリテマトーデス(SLE)は、男性に多い。

 

 


B.免疫・アレルギー疾患に関する記述である。正しいものを2つ。

 

1.全身性エリテマトーデス(SLE)は、男性に多い。
2.強皮症では、食道の蠕動運動は低下する。
3.バセドウ病は、甲状腺刺激ホルモン(TSH)に対する抗体により発症する。
4.シェーグレン症候群では、唾液の分泌が増加する。
5.エイズ(AIDS)では、日和見感染が起こる。

 

 

C.免疫・アレルギー疾患とその特徴的な症候の組み合わせに関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.急性糸球体腎炎    低血圧
2.強皮症        蝶形紅斑
3.シェーグレン症候群  唾液分泌低下
4.バセドウ病      体重増加
5.橋本病        眼球突出

 

 

D.免疫・アレルギー疾患に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.強皮症では、胃食道逆流症がみられる。
2.全身性エリテマトーデス(SLE)は、男性に多い。
3.関節リウマチでは、蝶形紅斑がみられる。
4.シェーグレン症候群では、涙液分泌の増加がみられる。
5.食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、IgA依存性である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A.正解2

 

1.
橋本病では、甲状腺機能は「低下」する。

甲状腺機能が亢進し過ぎる症状は、「バセドウ病」です。

 

<橋本病>
甲状腺に慢性の炎症が起こる病気で慢性甲状腺炎ともいう。
慢性の炎症のため小さい甲状腺が腫れてきたり、甲状腺ホルモンを作る働きが低下して甲状腺ホルモンがへって甲状腺機能低下症を起こしたりする。
男女比は約1対20くらいで女性の割合が多く、年齢は30~40歳代で起こりやすいという特徴がある。
橋本病の原因は自己免疫の異常である。
免疫機能は本来細菌やウイルスから身体を守るための機能だが、その働きがうまくいかなくなり自分の身体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患である。
橋本病では、免疫異常によって、甲状腺に炎症が起きている甲状腺の自己免疫疾患である。

 

炎症が持続すると、甲状腺ホルモンを作る働きが不十分となることがある。
甲状腺ホルモンが不足し甲状腺機能低下症となると、全身がむくんだり、汗や髪の毛の量が減って、皮膚が乾燥してかさかさしたり、熱を生産できないため寒がりになったり、胃腸の働きが悪くなり食欲がなくなったり、便秘や声が低くなりかすれ声になったり、物忘れがひどくなったという症状さまざまな症状が現れる。

 

2.
正答
強皮症では、嚥下障害がみられる。

 

皮膚やさまざまな臓器が硬くなってしまうこと。難病に指定されている末梢循環障害も伴う膠原病の一つ。
皮膚や内臓が硬くなるという特徴を持つ病気で、その症状は手指の皮膚からはじまり、徐々に消化器、心臓、腎臓、肺など全身のさまざまな臓器に現れます。
「SSc:Systemic Sclerosis:全身性硬化症」という病名で呼ばれることもあります。

 

3.
「全身性エリテマトーデス」では、蝶形紅斑がみられる。

 

<蝶形紅斑(ちょうけいこうはん)>
鼻から両頬にかけて現れる蝶のような形をした皮膚の赤み(紅斑)。
蝶が羽を広げたような形をしていることから名付けられた。
蝶形紅斑にかゆみや痛みはない場合が多く、皮膚を触ると少し盛り上がっていることもある。

 

<全身性エリテマトーデス(SLE:systemic lupus erythematosus)>
きわめて多彩で、“全身性”という病名のとおり、全身の様々な臓器に障害を起こしやすいという特徴があります。
systemicとは、全身のという意味で、この病気が全身のさまざまな場所、臓器に、多彩な症状を引き起こすということを指しています。
lupus erythematosusとは、皮膚に出来る発疹が、狼に噛まれた痕のような赤い紅斑であることから、こう名付けられました(lupus、ループス:ラテン語で狼の意味)。
発熱、 全身倦怠感 などの 炎症 を思わせる症状と、関節、皮膚、そして腎臓、肺、中枢神経などの内臓のさまざまな症状が一度に、あるいは経過とともに起こってきます。
その原因は、今のところわかっていませんが、免疫の異常が病気の成り立ちに重要な役割を果たしています。

 

4.
シェーグレン症候群では、唾液分泌が「減少」する。

 

<シェーグレン症候群>
中年の女性に多く、自己免疫疾患の一つ。涙や唾液を作り出す組織に炎症がおき、涙や唾液が十分に作り出せなくなってしまう。ドライアイやドライマウスなどが引き起こされる。まれに、全身に炎症性の症状が現れることも。発症のピークは50代とされるが、小さな子どもから高齢者まで幅広い年齢層の人がかかる可能性を持っている。また、関節リウマチなどの膠原病を患っている人が発症することもある。 
乾燥性角結膜炎・慢性唾液腺炎を主徴とする疾患。


5.

全身性エリテマトーデス(SLE)は、「女性」に多い。

 

全身性エリテマトーデス(SLE:systemic lupus erythematosus)は、関節、腎臓、皮膚、粘膜、血管の壁に起こる慢性かつ炎症性の自己免疫結合組織疾患です。 関節、神経系、血液、皮膚、腎臓、消化管、肺、その他の組織や臓器に問題が発生します。

噛まれたような皮膚の紅斑(蝶形紅斑)が特徴の炎症性疾患。
患者の約8割が腎障害を併発で圧倒的に多い女性の発症が特徴。
免疫複合体が全身に沈着して病気を引き起こす。

 


B.正解2かつ5

 

1.
全身性エリテマトーデス(SLE)は、「女性」に多い。


2.
正答
強皮症では、食道の蠕動運動は低下する。

 

3.
バセドウ病は、「甲状腺刺激ホルモン受容体」に対する抗体により発症する。

 

バセドウ病
いわゆる自己免疫性疾患のひとつである。自己免疫性疾患とは、通常は細菌やウイルスなどの外敵を攻撃・排除する免疫細胞(抗体)が、何らかの原因で自身の体の組織を外敵とみなし、誤って攻撃して起こる病気である。
甲状腺刺激ホルモン受容体抗体が、甲状腺刺激ホルモンを刺激する事で、甲状腺機能が亢進し、甲状腺ホルモンの分泌が過剰となる内分泌疾患。

 

4.
シェーグレン症候群では、唾液の分泌が「減少」する。

 

5.
エイズ(AIDS)では、日和見感染が起こる。

 

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)がCD4陽性リンパ球に感染し、その数が減少する事で免疫不全が生じ、病原性の低い微生物に感染する日和見感染症や悪性腫瘍を合併する。

 


C.正解3


1.
急性糸球体腎炎    「高血圧」

 

2.
強皮症        「嚥下障害」

 

3.
正答
シェーグレン症候群  唾液分泌低下

 

4.
バセドウ病      「眼球突出」

 

5.
橋本病        「体重増加」

 


D.正解1

 

1.
正答
強皮症では、胃食道逆流症がみられる。

 

食道の粘膜下層と平滑筋層に線維化が起こり、蠕動運動が低下するため、胃食道逆流症がみられる。

 

2.
全身性エリテマトーデス(SLE)は、「女性」に多い。

 

3.
「全身性エリテマトーデス」では、蝶形紅斑がみられる。

 

4.
シェーグレン症候群では、涙液分泌の「減少」がみられる。

 

5.
食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、「IgE」依存性である。

アレルギーと言えば「IgE」

 

 

今回は以上。
繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

頑張っていきましょう!!