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運動器系の構造と機能についての問題 5問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.運動器系の構造と機能に関する記述である。誤っているものを1つ。

 

1.橈骨(とうこつ)は、前腕の骨である。
2.骨膜は、骨折時の骨再生に関与している。
3.靭帯は、骨と骨を連結する。
4.可動関節は、関節包で覆われている。
5.骨格筋は平滑筋である。

 


B.運動器系に関する記述である。適当なものを1つ。

 

1.骨の主な有機質成分は、コラーゲンである。
2.頸椎(けいつい)は、12個で構成される。
3.橈骨は、下腿(かたい)の骨である。
4.骨格筋は、平滑筋である。
5.白筋は、持続的な収縮に適している。

 

 

C.骨に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.骨の主な有機質成分は、コラーゲンである。
2.骨端(こつたん)軟骨は、乳児期に消失する。
3.骨量は、エストロゲンにより減少する。
4.骨量は、荷重により減少する。
5.破骨細胞は、カルシトニンにより活性化される。

 

 

D.骨に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.骨の主な無機質成分は、炭酸カルシウムである。
2.骨端軟骨は、骨端の関節面を覆う。
3.骨への力学的負荷は、骨量を増加させる。
4.骨芽細胞は、骨吸収を行う。
5.ビスホスホネート薬は、骨吸収を促進する。

 

 

E.骨格筋の構造と機能に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.筋小胞体は、滑面(かつめん)小胞体である。
2.筋線維の数は、筋力トレーニングで増加する。
3.筋収縮は、アクチンフィラメントの短縮で起こる。
4.遅筋繊維は、速筋線維よりミオグロビンが少ない。
5.筋グリコーゲンは、血糖維持に利用される。

 

 

 

 

 

 

 

続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

A.正解5

 

1.
橈骨(とうこつ)は、前腕の骨である。

 

手くびには橈骨(とうこつ),尺骨(しゃっこつ)という2つの骨があり、その先に手根骨(しゅこんこつ)という8つの小さな骨がある。

 

前腕の二本の長い骨のうちの一つ。
断面は角柱状の形状を取り、尺骨と平行に並んで存在している。橈骨と尺骨の大きさや長さを比較すると、橈骨の方がやや小さく短い。
解剖学的正位(腕を体の脇に下げ、掌の表側を前に向けた位置)において、体から離れた外側(がいそく)側に位置し、親指の側にあるのが橈骨。

 

2.
骨膜は、骨折時の骨再生に関与している。

 

硬骨の表面を覆う結合組織の膜。外層は血管に富み、内層に造骨細胞があって、骨の保護・栄養・成長・再生をつかさどる。
骨膜は関節面でないところをすべて完全におおっている。
成長期の骨では骨の表面に骨質をつくる働きをし,成人では骨の栄養に関与する。
成長後でも骨折などの際はその造骨機能を復活して骨質を補充する。
骨膜には知覚神経が豊富に分布し敏感である。

 

3.
靭帯は、骨と骨を連結する。

 

靭帯は強靭な結合組織の短い束で骨と骨を繋ぎ関節を形作り、また補強する。
主成分は長いコラーゲンの繊維である。
靭帯には関節の可動域を制限する働きもある。
なお、骨と骨格筋を繋ぐのは靱帯ではなく腱である。

 

4.
可動関節は、関節包で覆われている。

 

関節包は袋のように関節を包み込み、この内側にある滑膜(かつまく)というところから少量の水(関節液)を分泌している。
なめらかな軟骨と関節液の存在により、関節はスムーズに動く事が出来る。

 

5.
正答
「胃や腸などの内臓の筋肉」は、平滑筋である。

 

筋組織は、3つの種類に分類される。

 

骨格筋:骨格(骨)および他の構造(身体)を動かす。一般的に筋肉と呼ばれるもの。

 

心筋 :心臓を収縮して、血液を送り出す。

 

平滑筋:サルコメア(筋節)のない筋肉。血管、膀胱、子宮など、管状あるいは袋状器官では「壁」にみられ、消化管(胃・小腸・大腸など)では消化物を筋収縮により運ぶ役割を持つ。

 


B.正解1

 

1.
正答
骨の主な有機質成分は、コラーゲンである。

 

2.
頸椎(けいつい)は、「7個」で構成される。

 

3.
橈骨は、「前腕」の骨である。

 

下腿骨は、脛(すね)部分の骨の事を指す。
2本骨があり、前の方にある太い方の「弁慶の泣き所」が脛骨(けいこつ)、後ろの方が腓骨(ひこつ)という。

 

4.
「胃や腸などの内臓の筋肉」は、平滑筋である。

 

5.
「赤筋」は、持続的な収縮に適している。

白筋:迅速な運動(無酸素運動)、ミオグロビン・ミトコンドリアが少ない。
赤筋:持続的運動(有酸素運動)、ミオグロビン・ミトコンドリアが多い。

 


C.正解1

 

1.
正答
骨の主な有機質成分は、コラーゲンである。

 

2.
骨端(こつたん)軟骨は、「思春期末」に消失する。

 

骨の主要部分(骨幹)と骨組織で一体化するまで単独で骨化が進行する骨の突起部分で、骨の「成長板」とも呼ばれる。

小児の骨を伸ばす働きがあり、この働きが止まると、身長もそれ以上伸びません。成長が止まると、成長板は骨に置き換わります。骨によって成長が止まる時期は異なりますが、20歳までにはすべての成長板が骨になります。

 

3.
骨量は、エストロゲンにより「増加」する。

 

エストロゲン(卵巣ホルモン)は、破骨細胞による骨吸収を抑制し、骨量を増加させる。
エストロゲンが更年期等で分泌が減少すると、破骨細胞の抑制が出来ず、骨がもろくなりやすくなる。

 

4.
骨量は、荷重により「増加」する。

 

骨には負荷がかかると、その負荷に応じて骨自身を強くする仕組みがある。
骨量を増やすには、運動・食事・日光浴というのが大事だと、どっかのサイトで言ってました。

 

5.
破骨細胞は、「副甲状腺ホルモン」により活性化される。

 

副甲状腺ホルモン:血中カルシウム濃度を上昇させるため、破骨細胞を活性化し、骨吸収を促進させる。
尿中に排泄されるカルシウムの量を減らし(排泄抑制、再吸収促進)、腸管からのカルシウム吸収率を増やす。

 

カルシトニン:腸管からのカルシウム吸収率を減らし、尿中に排泄されるカルシウムの量を増やす(排泄促進、再吸収抑制)。
血液中から骨にカルシウムを移動させる骨形成を促進。

 

 

D.正解3

 

1.
骨の主な無機質成分は、「リン酸カルシウム」である。

 

2.
骨端軟骨は、「骨端と骨幹の間の軟骨」である。

 

3.
正答
骨への力学的負荷は、骨量を増加させる。

 

4.
骨芽細胞は、「骨形成」を行う。

骨吸収は「破骨細胞」が行う。

 

5.
ビスホスホネート薬は、骨吸収を「抑制」する。

骨粗しょう症治療薬として処方されるので、覚えておきましょう。

 


E.正解1

 

1.
正答
筋小胞体は、滑面(かつめん)小胞体である。

 

<筋小胞体>
筋細胞に見られる、カルシウムイオン貯蔵に特殊化した小胞体で、ATPを加水分解してカルシウムイオンを取り込むCa2+ATPアーゼが膜に存在する。
滑面小胞体のうち、収縮刺激伝達系として特殊化したもの。
弛緩した筋ではカルシウムイオンを含み、カルシウムイオンの放出によって筋を収縮させる。

 

2.
筋線維の「容積」は、筋力トレーニングで増加する。

 

筋線維の「数」は増えない。

 

3.
筋収縮は、「アクチンフィラメントがミオシンフィラメントの間に滑り込む」ことで起こる。


4.
遅筋繊維は、速筋線維よりミオグロビンが「多い」。

 

白筋:速筋線維 迅速な運動(無酸素運動)、ミオグロビン・ミトコンドリアが少ない。
赤筋:遅筋繊維 持続的運動(有酸素運動)、ミオグロビン・ミトコンドリアが多い。


5.
筋グリコーゲンは、血糖維持に「利用されない」。

 

筋肉には「グルコース-6-ホスファターゼ」が無いため、グリコーゲンからグルコースを生成する事が出来ない。

 

グルコース-6-ホスファターゼ>
グルコースの恒常性維持のための役割をもつ肝臓と腎臓で見られ、網状組織内部原形質の内膜に存在する。
筋肉と脳はこの酵素を含んでおらず、結果、いくらかのグルコース-6-リン酸は、グリコーゲンの分解で解糖系によってアデノシン三リン酸 (ATP) 合成に使われていることになる。

 

この酵素の事はしっかり覚えておきましょう!

試験で関連問題が2~3問出る可能性がありますので。

 

 

 

 

今回は以上。
紛らわしいキーワードが多いので、しっかり整理していってね。

繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

頑張っていきましょう!!