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個体の恒常性とその調節機構についての問題3問【管理栄養士国家試験過去問解説】

今日も楽しく!
知識を身に着けていきましょう!!
楽しくないと、知識の吸収が遅くなるかもしれないですよ??
 

A.内分泌系と神経系による情報伝達機構に関する記述である。正しいものを2つ。
 
1.セカンドメッセンジャーは、細胞質内で働く。
2.脱分極は、細胞膜電位が負の方向に変化する事をいう。
3.神経活動電位の電動速度は、無髄繊維が有髄繊維より早い。
4.アドレナリンは、細胞室内の受容体に結合する。
5.ノルアドレナリンは、内分泌系と神経系で働く。
 

B.生体の情報伝達に関する記述である。正しいものを1つ。
 
1.脂溶性ホルモンの受容体は、細胞膜にある。
2.セカンドメッセンジャーは、細胞間の情報伝達に働く。
3.副交感神経終末の伝達物質は、アセチルコリンである。
4.シナプスにおける情報伝達は、双方向である。
5.神経活動電位の伝達速度は、無髄繊維が有髄繊維より速い。
 
 
C.個体の恒常性に関する記述である。正しいものを1つ。
 
1.細胞外液のpHは、7.0に維持されている。
2.体液の浸透圧は、9%の食塩水の浸透圧に等しい。
3.体温は、1日の内で早朝に最も高い。
4.メラトニンは、概日リズム(サーカディアンリズム)に関係する。
5.消化管の運動は、交感神経の興奮で亢進する。
 
 
 

続いて回答と解説。
 
 
 
 
 
 
A.正解1と5
 
1.
正答
セカンドメッセンジャーは、細胞質で働きます。
「細胞内において」、情報伝達物質が受容体に結合すると、新たに別の情報伝達物質が作られ、これが細胞の代謝や変化に影響を及ぼす。
この二次的に産生される情報伝達物質のことをセカンドメッセンジャーという。
 
試験に頻出するセカンドメッセンジャーとしては、「サイクリックAMP(cAMP)」があります。
他には「サイクリックGMP(cGMP)」「イノシトールリン酸」「ジアシルグリセロール」「カルシウムイオン」等があるが、参考程度で良いよ。
 
一番大事なのは、この「細胞質で働く」という事です。
 
2.
負の方向ではなく「正の方向」に働きます。
 
<脱分極>
細胞膜が興奮していないときの膜電位を静止電位という。
このとき、膜の内側はマイナスに、外側はプラスになっている。
 膜が刺激を受けると、Na+に対する透過性が増大し、Na+は細胞内に流入する。
プラスイオンが細胞内に流入するので細胞内はプラスに傾く。
これを脱分極という。
 
3.
神経活動電位の伝達速度は、「無髄繊維<有髄繊維」です。
有髄繊維が「髄鞘」を持っているから。
 
髄鞘(ずいしょう)>
髄鞘(ミエリン)は神経細胞の軸索を取り囲んでいる物質であり、絶縁体の役割り(電気線の絶縁体、ビニールテープのようなもの)を果たしています。
ミエリンは神経の電気信号が身体の他の部分へ伝わる速度を速めます。
ミエリンが失われると、この電気信号の伝わり方が遅くなったり、遮断されたりすることがあり、多くの神経症状をきたします。
 
4.
アドレナリンは「細胞膜」の受容体に結合します。
 
5.
正答
これはそのまま覚えよう。
 

B.正解3
 
1.
脂溶性ホルモンの受容体は「細胞内(核内)」にあります。
 
<補足>
受容体の多くは細胞の表面、つまり細胞膜上に存在します。
「水溶性のホルモン」は、この細胞膜にある受容体と結合し、結果「環状AMP」がつくられ、細胞内の酵素が活性化されて、特定の反応が起こる仕組みになっています。
ただ「脂溶性ホルモン」は、細胞膜にある受容体ではなく、リン脂質でできた細胞膜を通り、核内にある受容体と結合します。
主な脂溶性ホルモン:ステロイドホルモン
主な水溶性ホルモン:ペプチドホルモン アミン
 
2.
「細胞内において」、情報伝達物質が受容体に結合すると、新たに別の情報伝達物質が作られ、これが細胞の代謝や変化に影響を及ぼす。
この二次的に産生される情報伝達物質のことをセカンドメッセンジャーという。
 
3.
正答
副交感神経節前神経<アセチルコリン>→副交感神経節後神経<アセチルコリン
交感神経節前神経 <アセチルコリン>→交感神経節後神経 <ノルアドレナリン(またはカテコールアミン>
 
4.
双方向ではなく「一方向」です。
シナプス神経細胞間の接合部で、シナプスにおける情報伝達は、一方向に伝わります。
 
5.
無髄繊維より「髄鞘を持つ有髄繊維」の方が速い
 
髄鞘
髄鞘(ミエリン)は神経細胞の軸索を取り囲んでいる物質であり、絶縁体の役割り(電気線の絶縁体、ビニールテープのようなもの)を果たしています。
ミエリンは神経の電気信号が身体の他の部分へ伝わる速度を速めます。
ミエリンが失われると、この電気信号の伝わり方が遅くなったり、遮断されたりすることがあり、多くの神経症状をきたします。
 
 
C.正解4
 
1.
細胞外液のpHは、「7.40±0.05」に維持されています。
 
2.
9%ではなく「0.9%」
 
3.
体温は早朝が最も「低い」です。
寒い冬に布団から抜け出るのがつらい理由はこれ(?)。
体温は日内変動があり、早朝が最も低く、夕刻前が最も高くなります。
 
4.
サーカディアンリズムとか概日リズムとか言ってますけど、「体内時計」の事です。
約1日周期で繰り返される生体リズムの事です。
試験に頻出なのは、問3のような「体温」と、今回の「メラトニン」です。
 
メラトニンは、脳内の松果体において生合成されるホルモンです。
網膜から入った外界の光刺激は、体内時計(生物時計・視交叉上核)を経て松果体に達します。
明るい光によってメラトニンの分泌は抑制されるため、日中にはメラトニン分泌が低く、夜間に分泌量が十数倍に増加する明瞭な日内変動が生じます。
 
5.
消化管の運動は「交感神経」の興奮で「抑制」し、「副交感神経」の興奮で「亢進」します。
 
 
今回は以上。
出来るだけ早めに更新できるようにしていきますね。
繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。
 
頑張っていきましょう!!