集中力を高める食べ物の続き
皆さん、こんにちは。
それでは、前回の続きです。
まず、私の大前提の考え方として、「脳の栄養 = ブドウ糖」ではないという事です。
私は、「脳の栄養 = 脂質とたんぱく質」と考えています。
理由は簡単です。
人間の身体は、大部分が水分で占められていて、次いで脂質・たんぱく質、さらにミネラルと続き、糖質はごくわずかだからです。
身体の構成物質のごくわずかしか占めないものが、身体の、しかも全身を司る部分でもある脳が、糖質がメインエネルギーであるはずがないです。
ここら辺の話を深くしだすと大変な事になるので、これくらいにします。
という事で、これを基準に話をすると、前回挙げた10項目のほとんどが「あり得ない」となるわけなんですね。
基本は「血糖値を上げる = 脳のエネルギーになる ⇒ 集中力持続!」という論調ですから。
「空腹感を強く感じる ⇒ 集中出来ない ⇒ エネルギー補充 ⇒ 集中力をとりもどす!」ならわかります。
という訳で、10項目の中で「有効なのかな?」と感じるものは、
集中力を回復させるには香りでスッキリ!ペパーミントティー
小腹が空いたらナッツをかじろう
ブルーベリーなどのルチン、アントシアニン
レシチンを多く含む食品
カフェインを含む飲み物
の5つです。
半分になりましたね。
「集中力にはサプリでカルシウムとマグネシウムを摂る」
が含まれないのは、不思議に思いますか?
少し解説すると、
集中力の低下の原因にイライラなど精神の不安定があります。
集中力は眠気などにも左右されがちですが、気持ちが不安定な状態では思考回路がうまく働きません。
血中カルシウム濃度が下がると気分がイライラするのは有名です。この状態になると脳は適格な判断ができなくなり、記憶力も低下すると言われています。
ここの部分には、同意できます。
イライラや精神状態で、集中出来るかどうかは、大きく左右されやすいからです。
ですが、この解決方法が、「サプリで補給」というのは違うと感じる訳です。
サプリを否定している訳ではないです(必要だとも言うつもりも無いですが)。
これについては、以下のようなものを見つけましたので、転載させていただきます。
「カルシウムとイライラ」についてですが、血液中のカルシウム濃度が低下する病気で、情緒不安定、集中困難といった精神症状(イライラ、といっても良いでしょう)が起きることは医学的にも認められています。
ところが、このような病気は、カルシウムの摂取不足で起きるのではなく、ホルモンの病気(副甲状腺機能低下症)やビタミンD 欠乏症で起きるもので、カルシウム摂取の不足によって起きるものではありません。カルシウムを著しく制限した食事をとれば、血液中のカルシウム濃度が低下する可能性はあり得ますが、そのような患者は、現代日本では著しくまれだと思って良いと思います。
低カルシウム血症の場合、テタニー(筋のけいれん)や、慢性的ならくる病などの症状を伴うことが多く、イライラだけが出現することは滅多にないと考えられます。「イライラ」を訴えて外来を受診された患者さんがいたとすると、他の低カルシウム血症を疑わせる症状、副甲状腺機能低下症を疑わせる病歴(例えば甲状腺の手術等)、あるいはビタミンD欠乏症を疑わせる病歴(極端に偏った食事等)など、いずれかの理由がなければ、「イライラ」というだけで低カルシウム血症を疑うことはまずありません。
とはいえ、「“カルシウムが足りないとイライラする”という考えは正しくない」とまで言い切るのは、言い過ぎではないかと思います。
周囲を取り巻く環境の話までもしだすと論点がズレていくので、食べ物での話で限定します。
カルシウムとイライラの関連性が無いとは言いませんが、それよりも大きな原因があります。
血糖値の上昇と下降の繰り返しです。
血糖値が上昇すると、必ず正常値に戻そうと、下降する働きが生まれます。
その際に、精神的に不安定になってしまったり、眠気・倦怠感が生まれます。
それが大きな原因です。
こういった意味でも、「血糖値を上げずにエネルギーを補給する方法」を追求する方が、感情の変化が生まれにくくなり、集中力にも繋がると考えています。
次回に続きます。