血液検査に関して 過去問 2014年度 第32問
血液検査に関する記述である。正しいのはどれか。2つ選べ
(1)HbA1cは、過去1~2週間の血糖値を反映する。
(2)CRP(C反応性たんぱく質)は、炎症の指標として利用される。
(3)PSAは、胃がんの腫瘍マーカーである。
(4)ALTは、ASTより肝特異性が高い。
(5)血清アルブミン値は、ネフローゼ症候群で上昇する。
(1)
HbA1cは、過去1~2カ月の平均血糖値を反映します。
比較的長期の平均値をとるので、直前に血糖値を下げるようごまかそうとしても、この数値をチェックするとバレてしまうという検査項目です。
逆に、直近の平均血糖値を調べる事も出来ます。
1,5-AG(アンヒドログルシトール) 過去数日の平均血糖値を反映
グリコアルブミン 過去約2週間の平均血糖値を反映
(3)
PSA(prostate specific antigen 前立腺特異抗原)
prostateは、前立腺の英訳で、その頭文字を使っています。
それを知っているかはともかく、言葉の意味を知っていれば間違いと気付く問題です。
この問題に限らず、英単語を知っていれば理解出来る事は結構あるので、英語が得意な人は試験に有利と言えます。
specific は、特定の・具体的な・特殊の・明確な・・・という意味を指しますし、
antigen は、抗原・免疫源・・・を指しますし、アンチという事からもイメージしやすいと思います。
(5)
ネフローゼ症候群では、糸球体の働きがうまくいかなくなります。
本来であれば分子の小さい水、アミノ酸、グルコース、無機イオンなどしか通り抜けられないのですが、糸球体の網目というようなイメージでもいいと思いますが、
基底膜の細かい目が粗くなり、より大きな分子であるたんぱく質も尿中に排出してしまいます。
これにより、たんぱく尿となり、腎臓の状態をチェックする指標となります。
そのため、本来であれば血液中にあるタンパク質(血清アルブミン)が、尿へと流れてしまうため、血液>尿から、血液<尿と変化してしまう事になります。
よって、ネフローゼ症候群となると、尿中アルブミン値が上昇するので、血清アルブミン値は下降する事になります。
(2)
CRP(C-reactive protein:C反応性たんぱく質)
肝臓で産生されるたんぱく質で、炎症がおきると産生・増加されます。
(4)
AST:asparate aminotransferase アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ
ALT:alanine aminotransferase アラニンアミノトランスフェラーゼ
共にアミノ基転移酵素の中の1種です。
ASTは、心臓・肝臓・筋肉に多く含まれ、ALTは肝臓に多く含まれます。
この数値が上昇するという事は、それが含まれている箇所に、何かしらの障害が起きているという指標になります。
AST値が上昇するという事は、心臓・肝臓・筋肉のいずれか、または複数・全てに障害が起きているという事なので、特定しづらい場合もあります。
ですが、ALTは、肝臓に大部分が存在するので、ALT値が上昇すると、肝臓に障害が起きていると特定しやすいという事になります。
ですので、ALTの方が、ASTよりも、肝特異性(肝臓に関する障害のリスク)が高いという事になります。
正解は(2)と(4)です。
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