管理栄養士国家試験合格に向けてチャレンジする人を応援するブログ

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乳幼児・小児疾患の栄養アセスメントと栄養ケアについての問題その1 4問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.食物アレルギーに関する記述である。誤っているものを1つ。

 

1.卵白のアレルゲンには、オボムコイドがある。
2.小麦のアレルゲンには、グルテンがある。
3.ピーナッツは、アナフィラキシーショックの原因となる。
4.鶏肉のアレルゲン性は、加熱により低下する。
5.牛乳アレルギーでは、ヨーグルトを代替食品とする。

 

 

B.先天性代謝異常症とその栄養管理で制限する栄養素の組み合わせである。正しいものを1つ。

 

1.フェニルケトン尿症  ――― チロシン
2.メープルシロップ尿症 ――― 芳香族アミノ酸
3.ホモシスチン尿症   ――― メチオニン
4.糖原病Ⅰ型      ――― ブドウ糖
5.ガラクトース血症   ――― 果糖

 

 

C.先天性代謝異常症とその食事療法の組み合わせである。正しいものを1つ。

 

1.フェニルケトン尿症  ――― 乳糖制限食
2.メープルシロップ尿症 ――― フェニルアラニン制限食
3.ガラクトース血症   ――― 分枝アミノ酸制限食
4.ホモスチン尿症    ――― メチオニン制限食
5.糖原病Ⅰ型      ――― 糖質制限

 

 

D.ガラクトース血症(Ⅰ型)で除去すべき食品成分である。正しいものを1つ。

 

1.グルコース
2.フルクトース
3.スクロース
4.マルトース
5.ラクトース

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答5

 

5.牛乳アレルギーでは、「豆乳等」を代替食品とする。

 

ヨーグルトは、牛乳アレルギーの原因であるカゼインを含むため、代替食品としては不適切。

 


B.正答3

 

1.
フェニルケトン尿症  ――― 「フェニルアラニン

 

フェニルケトン尿症フェニルアラニンチロシンに変換する酵素が欠損

 

2.
メープルシロップ尿症 ――― 「分枝アミノ酸

 

メープルシロップ尿症:分枝ケト酸脱水酵素(分枝アミノ酸代謝に関与)が欠損

 

3.正答
ホモシスチン尿症   ――― メチオニン

 

ホモシスチン尿症:メチオニンをシスチンへ変換する酵素が欠損

 

4.
糖原病Ⅰ型      ――― 「果糖・ショ糖・乳糖」

 

糖原病Ⅰ型:グルコース-6-ホスファターゼ欠損により、肝臓グリコーゲンの分解が出来ず、グリコーゲンが過剰に蓄積する。
低血糖予防のため、炭水化物エネルギー比に占めるブドウ糖麦芽糖・でん粉の割合を高くし、果糖・ショ糖・乳糖の割合を低くする。

 

5.
ガラクトース血症   ――― 「乳糖」

 

ガラクトース血症:ガラクトースグルコースへ変換する酵素が欠損

 


C.正答4

 

1.
フェニルケトン尿症  ――― 「フェニルアラニン制限食」

 

フェニルケトン尿症フェニルアラニンチロシンに変換する酵素が欠損

 

2.
メープルシロップ尿症 ――― 「分枝アミノ酸制限食」

 

メープルシロップ尿症:分枝ケト酸脱水酵素(分枝アミノ酸代謝に関与)が

欠損

 

3.
ガラクトース血症   ――― 「乳糖制限食」

 

ガラクトース血症:ガラクトースグルコースへ変換する酵素が欠損

 

4.正答
ホモスチン尿症    ――― メチオニン制限食

 

ホモシスチン尿症:メチオニンをシスチンへ変換する酵素が欠損

 

5.
糖原病Ⅰ型      ――― 「高糖質食」

 

糖原病Ⅰ型:グルコース-6-ホスファターゼ欠損により、肝臓グリコーゲンの分解が出来ず、グリコーゲンが過剰に蓄積する。
低血糖予防のため、炭水化物エネルギー比に占めるブドウ糖麦芽糖・でん粉の割合を高くし、果糖・ショ糖・乳糖の割合を低くする。

 


D.正答5

 

5.ラクトース

 

ガラクトース血症:ガラクトースグルコースへ変換する酵素が欠損

グルコースガラクトースから「乳糖(ラクトース)」が構成されるため、制限が必要

 


今回は以上。

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何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

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摂食機能障害の栄養アセスメントと栄養ケアについての問題 3問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.78歳男性。改訂水のみテスト3点。嚥下造影(VF)検査で、薄いトロミのついた水分は摂取出来た。下あごの可動範囲が小さく、動きは鈍い。舌による食品の押しつぶしは難しかった。この患者に提供する食事の形態として、正しいものを1つ。

 

1.オレンジジュース
2.七分がゆをミキサーにかけたもの
3.全粥
4.煮込みうどん

 


B.胃瘻を施行している患者に傾向移行のため嚥下訓練を開始する。嚥下訓練開始時に用いる食事で、正しいものを1つ。

 

1.寒天ゼリー
2.くずゆ
3.牛乳
4.湯豆腐

 


C.重症嚥下障害患者の直接訓練に用いる嚥下訓練食品である。正しいものを1つ。

 

1.お茶をゼリー状に固めたもの
2.牛乳にとろみをつけたもの
3.ヨーグルト
4.リンゴをすりおろしたもの

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答2

 

2.七分がゆをミキサーにかけたもの

 

下あごの可動範囲が小さい・舌による食品の押しつぶしが難しい・トロミのついた水分は摂取可能とあるため、ミキサー食・トロミ食が最適であると言える。

 


B.正答2

 

2.くずゆ

 

咀嚼の必要がなく、トロミのついた「くず湯」が嚥下訓練開始食として最適であると言える。

 


C.正答1

 

1.お茶をゼリー状に固めたもの

 

ゼリー状かつ「たんぱく質を含まない」お茶ゼリーが、嚥下訓練食品としてさいてきであるといえる。

 

2.牛乳にとろみをつけたもの

 

たんぱく質を含むため、誤嚥時に誤嚥性肺炎を引き起こすリスクが上昇する。

 

 

 

今回は以上。

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クリティカルケアの栄養アセスメントと栄養ケアについての問題 3問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.広範囲熱傷患者の急性期の病態と栄養管理に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.血管透過性は、低下する。
2.尿中窒素排泄量は、減少する。
3.高血糖をきたす。
4.水分を制限する。
5.NPC/N(非たんぱく質カロリー窒素比)を、健常時より高くする。

 

 

B.重症熱傷患者の入院翌日の病態と栄養管理に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.基礎代謝が、低下する。
2.血管透過性が、低下する。
3.健常時よりNPC/N(非たんぱく質カロリー窒素比)を低くする。
4.グルタミンを制限する。
5.水分を制限する。

 

 

C.受傷後3日目の広範囲熱傷患者における病態と栄養管理に関する記述である。誤っているものを1つ。

 

1.熱傷面積の推定には、9の法則を用いる。
2.水分喪失量は、増加している。
3.高血糖をきたしやすい。
4.消化管が使用可能な場合は、経腸栄養法が推奨される。
5.NPC/N比(非たんぱく質カロリー窒素比)は、500とする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答3

 

1.
血管透過性は、「亢進」する。

 

炎症により血管透過性は亢進する。

 

炎症:局所の組織細胞障害や作用した障害因子に対する生体の局所的防御修復反応

炎症を起こす細胞:リンパ球、マクロファージ、好中球、好塩基球由来の肥満細胞などの免疫担当細胞。

 

急性炎症の五徴候
・発赤:毛細血管拡張→局所での血液量増
・腫脹:病巣の毛細血管透過性亢進→滲出液(しんしゅつえき)増→間質で浮腫
・熱感:血流増加→局所での温度上昇・全身の体温上昇
・疼痛:痛覚をつかさどる神経が物理的・化学的に刺激される事により起こる
・機能障害:上記の4兆候の結果、炎症を起こしている局所での機能障害が起こる事

 

2.
尿中窒素排泄量は、「増加」する。

 

広範囲熱傷により組織の破壊・炎症発生 → 体タンパク質の異化が亢進 → 尿中窒素排泄量増加

 

3.正答
高血糖をきたす。

 

炎症による耐糖能低下(インスリン抵抗性)・ストレス応答により、高血糖になる。

 

4.
水分「は十分摂取する」。

 

熱傷による体温上昇・不感蒸泄量・体表面からの水分喪失の増加による脱水を防ぐため、水分は十分に摂取する。

 

5.
NPC/N(非たんぱく質カロリー窒素比)を、健常時より「低く」する。

 

体タンパク質の異化防止・組織修復促進のため、高タンパク質食とする。

 

NPC/Nの分子(NPC, non-protein calorie)はエネルギー投与量を表し、分母(N, nitrogen)はたんぱく質投与量を表す。
たんぱく質投与量を増やせば、分母が大きくなるので、NPC/Nは低くなる。

 


B.正答3

 

1.
基礎代謝が、「亢進」する。

 

炎症によるストレス応答により、基礎代謝が亢進する。

 

2.
血管透過性が、「亢進」する。

 

3.正答
健常時よりNPC/N(非たんぱく質カロリー窒素比)を低くする。

 

4.
グルタミンを「摂取」する。

 

グルタミンは組織再生・免疫能向上に関与するため、積極的に摂取する。

 

5.
水分を「十分に摂取」する。

 


C.正答5

 

1.
熱傷面積の推定には、9の法則を用いる。

 

9の法則は成人に対して用い、幼児・小児では「5の法則」を用いる。

 

<9の法則>
患者(成人)の熱傷面積を推算する方法。
頭部・左上肢・右上肢・左体幹前面・右体幹前面・左体幹後面・右体幹後面・左下肢前面・右下肢前面・左下肢後面・右下肢後面で、それぞれ9%、陰部を1%の合計100%で計算する。

 

※5の法則の詳細まで試験で聞かれる事はほぼ無いので割愛。出題されたらごめんね。


5.正答
NPC/N比(非たんぱく質カロリー窒素比)は、「100以下」とする。

 

体タンパク質の異化防止・組織修復促進のため、高タンパク質食とする。

 

NPC/Nの分子(NPC, non-protein calorie)はエネルギー投与量を表し、分母(N, nitrogen)はたんぱく質投与量を表す。
たんぱく質投与量を増やせば、分母が大きくなるので、NPC/Nは低くなる。

 

 

 

今回は以上。

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手術・周術期の栄養アセスメントと栄養ケアについての問題 4問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.消化管手術と合併症の組み合わせである。正しいものを2つ。

 

1.胃切除     ――― 乳酸アシドーシス
2.十二指腸切除  ――― 葉酸欠乏
3.小腸広範囲切除 ――― 下痢
4.回腸切除    ――― ビタミンB12欠乏
5.回盲部切除   ――― ビタミンC欠乏

 

 

B.消化器手術とその合併症の組み合わせである。正しいものを1つ。

 

1.食道切除 ――― 脂肪吸収障害
2.胃全摘  ――― 巨赤芽球性貧血
3.胆嚢摘出 ――― 低血糖
4.膵臓切除 ――― 嚥下障害
5.直腸切除 ――― ダンピング症候群

 

 

C.消化器手術とそれにより引き起こされる障害リスクの組み合わせである。正しいものを1つ。

 

1.食道切除 ――― ビタミンA吸収障害
2.胃全摘  ――― 骨粗鬆症
3.直腸切除 ――― 巨赤芽球性貧血
4.大腸切除 ――― ダンピング症候群
5.胆嚢摘出 ――― ビタミンB1の吸収障害

 

 

D.消化管手術後の病態とその栄養管理の組み合わせである。正しいものを1つ。

 

1.食道がんの術後         ――― 少量頻回食
2.胃切除後の早期ダンピング症候群 ――― 高炭水化物食
3.胃切除後の後期ダンピング症候群 ――― 低カリウム
4.小腸の大量切除後        ――― 低たんぱく質
5.S状結腸がんの術後       ――― 水分制限

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答3と4

 

1.
胃切除     ――― 「ビタミンB12欠乏」

 

胃切除により「キャッスル内因子」が欠乏し、ビタミンB12吸収障害が起こる。

 

<乳酸アシドーシス>
乳酸が何らかの原因により蓄積して生じるアシドーシスで、致死率が約50%と高く、早急な対応が求められる病態。ショックなどの全身状態の悪い患者、糖尿病、肝不全、腎不全、悪性腫瘍などの全身疾患を有する患者、アルコール中毒患者、ビグアナイド薬を内服中の患者が消化器症状を訴えていれば乳酸アシドーシスの発症を疑う必要がある。さらに、意識障害を伴っている場合は緊急度が高い。

 

2.
十二指腸切除  ――― 「脂肪吸収障害など」

 

十二指腸では、脂質・たんぱく質・糖質代謝に必要な胆液・膵液が分泌されにくくなるため、脂肪を主とした栄養素吸収障害が起きやすくなる。

 

3.正答
小腸広範囲切除 ――― 下痢

 

小腸が短くなるため、栄養素・水分吸収能力が低下し、下痢が出現する。

 

4.正答
回腸切除    ――― ビタミンB12欠乏

 

ビタミンB12は主に回腸から吸収されるため、回腸・回盲部切除ビタミンB12吸収障害が起こる。

 

5.
回盲部切除   ――― 「ビタミンB12欠乏」

 


B.正答2

 

1.
「胆嚢摘出」 ――― 脂肪吸収障害

 

2.正答
胃全摘  ――― 巨赤芽球性貧血

 

胃切除により「キャッスル内因子」が欠乏し、ビタミンB12吸収障害が起こる。

 

3.
膵臓切除」 ――― 低血糖

 

膵臓切除によるグルカゴン分泌能低下により、低血糖をきたす。

 

4.
「食道切除」 ――― 嚥下障害

 

5.
「胃切除」 ――― ダンピング症候群

 

ダンピング症候群は、胃切除後、摂取した食物が急速に小腸に流入するために起こる。
食事中や直後(30分程度)にみられる早期と、食後2~3時間たってみられる後期(晩期)に分けられる。

 

 

C.正答2

 

1.
「小腸広範囲切除」 ――― ビタミンA吸収障害

 

小腸広範囲切除 → 下痢リスク上昇 → ビタミン・ミネラル吸収能低下 → 欠乏症リスク増

 

2.正答
胃全摘  ――― 骨粗鬆症

 

胃全摘では、胃酸によるカルシウムのイオン化が障害されるため、骨粗鬆症の発症リスクが高くなる。

 

3.
「胃全摘」 ――― 巨赤芽球性貧血

 

胃切除により「キャッスル内因子」が欠乏し、ビタミンB12吸収障害が起こる。

 

4.
「胃全摘」 ――― ダンピング症候群

 

ダンピング症候群は、胃切除後、摂取した食物が急速に小腸に流入するために起こる。
食事中や直後(30分程度)にみられる早期と、食後2~3時間たってみられる後期(晩期)に分けられる。

 

5.
「小腸広範囲切除」 ――― ビタミンB1の吸収障害

 

小腸広範囲切除 → 下痢リスク上昇 → ビタミン・ミネラル吸収能低下 → 欠乏症リスク増

 

胆嚢摘出時:胆汁分泌低下 → 脂溶性栄養素の吸収障害が起こる。

 


D.正答1

 

1.正答
食道がんの術後         ――― 少量頻回食

 

食道がん術後は食道通過障害が起こりやすいため、少量頻回食とする。

 

2.
胃切除後の早期ダンピング症候群 ――― 「低炭水化物食」

 

<早期ダンピング症候群>
食物が腸に急速に流れ込むことで起こる。主な症状は、動悸、めまい、冷汗、顔面紅潮、全身倦怠感など。腹痛、下痢、悪心、嘔吐などの腹部症状がみられる場合もある。

 

3.
胃切除後の後期ダンピング症候群 ――― 「低炭水化物食」

 

<後期(晩期)ダンピング症候群>
食物が腸に移動し、短時間で吸収されるため、一時的に高血糖になる。これに反応してインスリンが多く分泌され、低血糖が起こる。
症状としては、食後2~3時間たって、頭痛や倦怠感、冷汗、めまい、手指のふるえなどが現れる。

 

4.
小腸の大量切除後        ――― 「低脂肪食」

 

小腸大量切除により、脂肪吸収障害が起こるため、摂取量を制限する。

 

5.
S状結腸がんの術後       ――― 「水分制限は不要」

 

 

 

今回は以上。

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免疫・アレルギー疾患、癌の栄養アセスメントと栄養ケアについての問題 4問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.食物アレルギーの病態と栄養管理に関する記述である。正しいものを2つ。

 

1.最も多い症状は、下痢である。
2.食後の運動で、アナフィラキシーショックが誘発される。
3.減感作療法では、食物アレルゲンを完全除去する。
4.非特異的治療では、食物アレルゲンを少量から漸増する。
5.鶏卵は、加熱によりアレルゲン性が低下する。

 

 

B.食物アレルギーに関する記述である。誤っているものを1つ。

 

1.バナナは、交差抗原を含む。
2.ヒスタミンは、アレルギー症状を抑制する。
3.加熱処理により、アレルゲン性は減弱する。
4.口腔粘膜の症状が出現する。
5.アナフィラキシーショック時には、エピペンを用いる。

 

 

C.がん患者に関する記述である。誤っているものを1つ。

 

1.がん悪液質には、サイトカインが関与する。
2.がん悪液質では、除脂肪体重が増加する。
3.がん化学療法では、食欲不振がみられる。
4.緩和ケアは、がんと診断されたときから開始される。
5.緩和ケアには、家族への支援が含まれる。

 

 

D.がん患者の栄養管理に関する記述である。誤っているものを1つ。

 

1.化学療法では、悪心が出現する。
2.放射線療法では、食欲不振がみられる。
3.外科療法では、低栄養のリスクがある。
4.がん悪液質では、除脂肪体重が減少する。
5.早期がん患者は、緩和ケアの対象に含めない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答2と5

 

1.
最も多い症状は、「皮膚症状」である。

 

2.正答
食後の運動で、アナフィラキシーショックが誘発される。

 

運動(血行促進)によりヒスタミン放出が起こり、アナフィラキシーショック誘発リスク上昇

 

3.
減感作療法では、食物アレルゲンを「少量から漸増する」。

 

減感作療法:経口負荷試験においてアレルギー発症閾値を決定し、閾値以下の量を毎日摂取することで、アレルゲンに対する過敏反応を軽減させる治療法

 

4.
「減感作療法」では、食物アレルゲンを少量から漸増する。

 

非特異的治療:アレルギー反応を抑制する物質を皮下注射する治療法。アレルギー性鼻炎や花粉症などの治療に用いられる。

 

5.正答
鶏卵は、加熱によりアレルゲン性が低下する。

 

加熱によりたんぱく質が変性 → アレルゲン性低下

 


B.正答2

 

1.
バナナは、交差抗原を含む。

 

交差抗原:たんぱく質構造が似ていて、原因食物以外でもアレルギー症状を引き起こす抗原タンパク質をいう。
メロンとバナナのたんぱく質には、交差抗原が認められている。

 

2.正答
ヒスタミンは、アレルギー症状を「促進」する。

 

3.
加熱処理により、アレルゲン性は減弱する。

 

加熱によりたんぱく質が変性 → アレルゲン性低下

 

4.
口腔粘膜の症状が出現する。

 

5.
アナフィラキシーショック時には、エピペンを用いる。

 

エピペン:アナフィラキシー症状の進行を一時的に緩和し、ショックを防ぐための補助治療剤(アドレナリン自己注射薬)。

 


C.正答2

 

1.
がん悪液質には、サイトカインが関与する。

 

悪液質:疾患によって生じる複合的な代謝異常であり、筋肉量(除脂肪体重)の減少を特徴とする。
がん悪液質の起因として、炎症性サイトカインの分泌量が増加することが関与する。

 

2.正答
がん悪液質では、除脂肪体重が「減少」する。

 

悪液質(カヘキシー):全身の衰弱状態の事。
体重が増加しながら衰える事はない。
重症になればなるほど、衰弱していく可能性が高くなる。

 

3.
がん化学療法では、食欲不振がみられる。

 

4.
緩和ケアは、がんと診断されたときから開始される。

 

緩和ケア:声明を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対し、的確なアセスメントと対処を行なう事で、苦しみを予防・緩和する事で、QOLを改善するアプローチ

 

5.
緩和ケアには、家族への支援が含まれる。

 


D.正答5

 

5.正答
早期がん患者は、緩和ケアの対象に含めない。

 

緩和ケア:声明を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対し、的確なアセスメントと対処を行なう事で、苦しみを予防・緩和する事で、QOLを改善するアプローチ

 

今回は以上。

繰り返しが大事です!
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頑張っていきましょう!!

血液系の疾患・病態、筋・骨格疾患の栄養アセスメントと栄養ケアについての問題 5問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.貧血とその原因の組み合わせである。正しいものを1つ。

 

1.鉄欠乏性貧血  ――― エリスロポエチン産生低下
2.腎性貧血    ――― 赤血球膜異常
3.再生不良性貧血 ――― ナイアシン欠乏
4.溶血性貧血   ――― ビタミンB12欠乏
5.巨赤芽球性貧血 ――― 葉酸欠乏

 

 

B.新生児の頭蓋内出血を予防するために補給する栄養素である。正しいものを1つ。

 

1.ビタミンA
2.ビタミンK
3.ビタミンB₁
4.ビタミンB₁₂
5.ビタミンC

 

 

C.骨粗鬆症に関する記述である。誤っているものを1つ。

 

1.閉経後は、骨吸収が亢進する。

2.ビスホスホネート薬は、骨形成を促進する。
3.グルココルチコイドの長期投与は、リスクを高める。
4.カフェインは、リスク因子である。
5.ビタミンKを多く含む食品は、予防に推奨される。

 

 

D.骨粗鬆症に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.骨吸収は、閉経後に低下する。
2.骨型アルカリホスファターゼは、骨吸収マーカーである。
3.低カルシウム血症となる。
4.食塩摂取過剰は、リスク因子である。
5.治療には、ステロイド薬が用いられる。

 

 

E.くる病に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.日光曝露が制限されていると、発症リスクが高い。
2.完全母乳栄養に比べて、金剛栄養では発症リスクが高い。
3.血清副甲状腺ホルモン値が低下する。
4.血清アルカリホスファターゼ(ALP)値が低下する。
5.低リン食を指導する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答5

 

1.
鉄欠乏性貧血  ――― 「鉄欠乏」

 

2.
腎性貧血    ――― 「エリスロポエチン産生低下」

 

3.
再生不良性貧血 ――― 「造血幹細胞異常」

 

4.
溶血性貧血   ――― 「赤血球膜異常」

 

5.正答
巨赤芽球性貧血 ――― 葉酸欠乏

 

巨赤芽球性貧血:葉酸欠乏・ビタミンB12欠乏が原因となる。

 


B.正答2

 

2.ビタミンK

 

ビタミンK:血液凝固作用  新生児の頭蓋内出血の予防に有効な栄養素となる

 


C.正答2

 

1.
閉経後は、骨吸収が亢進する。

 

破骨細胞による骨吸収を抑制するエストロゲンの分泌低下 → 骨吸収亢進

 

2.正答
ビスホスホネート薬は、骨形成を「抑制」する。

 

3.
グルココルチコイドの長期投与は、リスクを高める。

 

グルココルチコイド(コルチゾール):骨吸収促進、腸管からのカルシウム吸収抑制作用がある。

 

4.
カフェインは、リスク因子である。

 

カフェインの利尿作用により、尿中へのカルシウム排泄促進される。
骨粗鬆症の発症リスクが高まる。

 

5.
ビタミンKを多く含む食品は、予防に推奨される。

 

ビタミンKには骨形成を促進する作用がある。

 


D.正答4

 

1.
骨吸収は、閉経後に「上昇」する。

 

閉経に伴うエストロゲン分泌の低下 → 骨吸収促進

 

2.
骨型アルカリホスファターゼは、「骨形成マーカー」である。

 

3.
「血清カルシウム値は変動しない」。

 

4.正答
食塩摂取過剰は、リスク因子である。

 

ナトリウム摂取量の増加に伴い、尿中カルシウム排泄量が増加するという現象が確認されている。食塩摂取過剰は骨粗鬆症リスク因子と言える。

 

5.
治療には、「ビスホスホネート薬」が用いられる。

 

ビスホスホネート薬:骨吸収抑制により骨粗鬆症を改善する作用がある

 

 

E.正答1

 

1.正答
日光曝露が制限されていると、発症リスクが高い。

 

日光曝露の制限 → 紫外線照射不足 → コレステロールからのビタミンD生合成低下 → くる病発症リスク上昇

 

2.
完全母乳栄養に比べて、金剛栄養では発症リスクが「低い」。

 

育児用ミルクにはビタミンDが添加されている → 混合栄養ではくる病発症リスク低下

 

3.
血清副甲状腺ホルモン値が「上昇」する。

 

血清カルシウム値の低下改善 → 副甲状腺ホルモン分泌増

 

4.
血清アルカリホスファターゼ(ALP)値が「上昇」する。

 

骨軟化症・くる病患者の血液検査値では、血清カルシウム値低下・血清リン値低下・血清アルカリホスファターゼ値上昇が特徴として出てくる。

 

5.
「リンを不足しないよう摂取する」。

 

リンは骨の構成成分であるため、不足しないよう摂取する。

 


今回は以上。

繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

頑張っていきましょう!!

呼吸器疾患の栄養アセスメントと栄養ケアについての問題 3問【管理栄養士国家試験過去問解説】

今日も楽しく!
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A.進行した慢性閉塞性肺疾患COPD)患者の栄養アセスメントの結果である。正しいものを1つ。

 

1.体重の増加
2.安静時エネルギー消費量の増加
3.%1秒量の上昇
4.動脈血酸素分圧(PaO₂)の上昇
5.血清トランスサイレチン値の上昇

 

 

B.慢性閉塞性肺疾患COPD)患者の病態と栄養管理に関する記述である。誤っているものを1つ。

 

1.体重減少のある患者は、予後が悪い。
2.安静時エネルギー消費量は、亢進している。
3.分割食を勧める。
4.低たんぱく質食を勧める
5.高脂肪食を勧める。

 

 

C.70歳男性。慢性閉塞性肺疾患COPD)。身長170㎝、体重45㎏。基礎代謝量は1125㎉/日で、半年前と比較して5㎏の体重減少がみられた。栄養管理に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.高度栄養障害である。
2.エネルギー摂取量は、900㎉/日とする。
3.たんぱく質のエネルギー比率は、10%Eとする。
4.脂質のエネルギー比率は、15%Eとする。
5.経腸栄養剤の使用は、禁忌である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答2

 

1.
体重の「減少」

 

エネルギー消費量増加・食欲不振により、体重減少がみられる。

 

2.正答
安静時エネルギー消費量の増加

 

呼吸運動が活発となるため、安静時エネルギー消費量が増加する。
酸素の取り込みが難しくなるから、呼吸が荒くなるという感じです。

 

3.
%1秒量の「低下」

 

%1秒量:努力肺活量のうち、最初の1秒間に吐き出せる空気の量の割合の事。
慢性閉塞性肺疾患では、十分に息を吐きだす事が出来ないため、%1秒量が低下する。

 

4.
動脈血酸素分圧(PaO₂)の「低下」

 

肺胞でのガス交換障害により、動脈血酸素分圧の低下・動脈血二酸化炭素分圧の上昇が起こる。

 

5.
血清トランスサイレチン値の「低下」

 

エネルギー消費量増加・食欲不振により低栄養状態となる。たんぱく質合成能指標となる血清トランスサイレチン値が低下する。

 

 

B.正答4

 

1.
体重減少のある患者は、予後が悪い。

 

予後:病気にかかった者について、その病気がたどる経過と結末に関する、医学上の見通し。

 

2.
安静時エネルギー消費量は、亢進している。

 

呼吸運動が活発となるため、安静時エネルギー消費量が亢進する。

 

3.
分割食を勧める。

 

1回当たりの食事摂取量が減少するため、分割食としエネルギー量を確保する。

 

4.正答
「高たんぱく質食」を勧める

 

体タンパク質の異化を防ぐため、高タンパク質食とする。

 

5.
高脂肪食を勧める。

 

COPDでは、二酸化炭素の排出機能が低下している。
脂質は、エネルギー産生に伴う二酸化炭素生成量が少ないため、摂取量を増加させる。

 

 

C.正答1

 

1.正答
高度栄養障害である。

 

BMI15.6(低体重)であり、半年で10%の体重減少がみられる事から、高度栄養障害であると判断する。

 

2.
エネルギー摂取量は、「2200㎉/日」とする。

 

高エネルギー食(35㎉/㎏標準体重/日)とする。

 

3.
たんぱく質のエネルギー比率は、「15%E程度」とする。

 

4.
脂質のエネルギー比率は、「20~30%E」とする。

 

5.
経腸栄養剤の使用は、「認められている」。

 


今回は以上。

繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

頑張っていきましょう!!