管理栄養士国家試験合格に向けてチャレンジする人を応援するブログ

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栄養アセスメントの意義と方法についての問題その2 4問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.栄養素とその欠乏の評価に用いる臨床検査項目の組み合わせである。正しいものを1つ。

 

1.たんぱく質 ――― 尿中ケトン体
2.ビタミンB1 ――― プロトロンビン時間
3.ビタミンC  ――― 尿中ビリルビン
4.カルシウム ――― 血清トリグリセリド
5.鉄     ――― 血清フェリチン

 

 

B.骨格筋量のアセスメント指標である。正しいものを1つ。

 

1. 肩甲骨下部皮下脂肪厚
2. 血中ヒスチジン
3. 血清CRP(C反応性たんぱく質)値
4. 尿中アルブミン排泄量
5. クレアチニン身長係数

 

 

C.高血圧患者に対し、24時間蓄尿を行ったところ、1日尿中ナトリウム排泄量が200mEqであった。推定される食塩の摂取量として、正しいものを1つ。

 

1.4g
2.6g
3.8g
4.10g
5.12g

 

 

D.高血圧患者の栄養食事指導のため、24時間蓄尿を行ったところ、尿量が2リットル、尿中ナトリウム濃度が85mEq/Lであった。算出した1日尿中食塩排泄量として、正しいものを1つ。

 

1.8g
2.10g
3.12g
4.14g
5.16g

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答5

 

5.鉄     ――― 血清フェリチン

 

尿中ケトン体:糖代謝異常を判定するための指標。血糖コントロール不良の糖尿病や絶食時に尿中ケトン体が陽性となる。

 

プロトロンビン時間:血液凝固能を判定するための指標。ビタミンK欠乏や肝硬変の発症時に、プロトロンビン時間が延長する。

 

尿中ビリルビンビリルビン代謝能を判定するための指標。肝硬変や閉塞性黄疸発症時に、尿中ビリルビンが陽性となる。

 

血清トリグリセリド:糖質摂取過剰により増加する。中性脂肪

 


B.正答5

 

1. 
肩甲骨下部皮下脂肪厚:体脂肪量のアセスメント指標

 

2. 
血中ヒスチジン値:先天性アミノ酸代謝異常症の一種であるヒスチジン血症のアセスメント指標

 

3. 
血清CRP(C反応性たんぱく質)値:炎症のアセスメント指標

 

4. 
尿中アルブミン排泄量:腎機能などのアセスメント指標

 

5.正答
クレアチニン身長係数

 


C.正答5

 

「推定食塩摂取量=24時間尿中ナトリウム排泄量÷17」で算出されるため、200÷17=約12gとなる。

 

5.12g

 

D.正答2

 

食塩1.0gに含まれるナトリウムは、17mEqというルールがあります。(NaCl 1g=17mEq)

ここでは

 

「尿中食塩排泄量=尿中ナトリウム(mEq)÷17mEq」という式を用いる。

 

この患者は尿量2リットルのため、

 

「尿中ナトリウム=85mEq/L×2L=170mEq」

 

となり、

 

「尿中食塩排泄量=170mEq÷17mEq=10g」

 

と算出できる。


2.10g

 

 


今回は以上。
今回のCとDの設問に関しては、式を知らないと解けないです。
本番時、もしわからない問題に出くわしてしまったら、さっさと飛ばして一通り終わらせてから戻ってきましょう。
でないと、時間が無くなってしまいますので、効率良く時間を使っていきましょう。

繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

頑張っていきましょう!!

栄養アセスメントの意義と方法についての問題 4問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.主観的包括的評価(SGA)に用いられる情報である。正しいものを1つ。

 

1.血糖値
2.尿ケトン体
3.便潜血
4.仙骨部浮腫
5.膝下高

 

 

B.身体兆候と病態の組み合わせである。誤っているものを1つ。

 

1.アキレス腱肥厚 ――― 血清LDL-コレステロール高値
2.腹水      ――― 血清アルブミン低値
3.満月様顔貌   ――― 浮腫
4.味覚異常    ――― 亜鉛欠乏
5.さじ状爪    ――― 鉄欠乏

 

 

C.寝たきりの患者の身長を測定するための計測項目である。正しいものを1つ。

 

1.頭囲
2.上腕周囲長
3.ウエスト周囲長
4.下腿周囲長
5.膝下高

 

 

D.栄養アセスメントの項目と病態の組み合わせである。正しいものを1つ。

 

1.血清コリンエステラーゼ    ――― たんぱく質の合成低下
2.血清トランスサイレチン    ――― 鉄の欠乏
3.血清レチノール結合たんぱく質 ――― 銅の欠乏
4.尿中ケトン体         ――― たんぱく質の異化亢進
5.尿中尿素窒素         ――― ブドウ糖の利用障害

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答4

 

4.仙骨部浮腫

 

<主観的包括的評価(SGA:subjective global assessment of nutrition status)>
栄養評価を示す多角的指標であり、臨床的問診と身体検査の 2本柱で構成されている。特殊な装置や技術は必要とせずに、総合的な情報を入手することができる。

臨床的問診(病歴):体重・食事摂取状況・身体機能・基礎疾患等
身体状況     :皮下脂肪・筋肉量・くるぶし部浮腫・仙骨部浮腫・腹水等

 


B.正答3

 

1.
アキレス腱肥厚 ――― 血清LDL-コレステロール高値

 

血清LDL-コレステロール高値 → アキレス腱にLDL-コレステロールが沈着し、アキレス腱肥厚が出現する。

 

2.
腹水      ――― 血清アルブミン低値

 

血清アルブミン低値により、血漿膠質浸透圧が低下し、腹水(浮腫)が出現する。

 

3.正答
満月様顔貌   ――― 「クッシング症候群」


4.
味覚異常    ――― 亜鉛欠乏

 

亜鉛欠乏により、味覚に関与する味細胞の生成能が低下し、味覚異常が出現する。

 

5.
さじ状爪    ――― 鉄欠乏

 

鉄が欠乏すると爪が薄くなり、さじ状爪(スプーンネイル)が出現する。

 


C.正答5

 

5.膝下高

膝下高と年齢から、身長が算出できる。

 

(例)計算式の数値に多少ばらつきはあるようだが、このような方法で推定値を出す事が可能
男性:64.02+(膝高cm×2.12)-(年齢×0.07) 誤差±3.43cm
女性:77.88+(膝高cm×1.77)-(年齢×0.10) 誤差±3.26cm

 


D.正答1

 

1.正答
血清コリンエステラーゼ    ――― たんぱく質の合成低下

 

コリンエステラーゼ
肝臓で合成される酵素たんぱく質
コリンエステルをコリンと有機酸に加水分解する酵素で、アルブミン同様、肝臓における蛋白合成能を反映する。
コリンエステラーゼ(ChE)低値は肝機能低下と低栄養状態があり、急性・慢性肝炎や肝硬変、急性重症感染症、慢性消耗性疾患、悪性腫瘍などがある。

 

2.
血清トランスサイレチン    ――― 「たんぱく質の合成低下」

 

3.
血清レチノール結合たんぱく質 ――― 「たんぱく質の合成低下」

 

4.
尿中ケトン体         ――― 「ブドウ糖の利用障害」

 

5.
尿中尿素窒素         ――― 「たんぱく質の異化亢進」

 

 

今回は以上。

繰り返しが大事です!
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医療と臨床栄養についての問題 4問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.医療と臨床栄養に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.クリニカルパスにより、チーム医療は不要になる。
2.リスクマネジメントには、リスクの特定が含まれる。
3.ノーマリゼーションは、患者の重症度を判別することである。
4.アドヒアランスは、障がい者への栄養介入を実施する事である。
5.セカンドオピニオンは、患者が栄養食事指導を受ける権利である。

 

 

B.臨床栄養に関わる用語とその説明の組み合わせである。正しいものを1つ。

 

1.アドヒアランス    ――― 治療への患者の積極的な参加
2.バリアンス      ――― 情報開示に対する患者の権利
3.ターミナルケア    ――― 重症度の判別
4.ノーマライゼーション ――― 治療の標準化
5.リスクマネジメント  ――― 障がい者と健常者との共生

 

 

C.臨床栄養の用語とその内容の組み合わせである。正しいものを1つ。

 

1.ターミナルケア       ――― 障がい者と健常者の共存
2.クリニカルパス       ――― 医療の標準化
3.アドヒアランス       ――― 痛みを抑える治療
4.インフォームド・コンセント ――― 重症度の判定
5.ノーマリゼーション     ――― 情報開示に対する患者の権利

 


D.患者の栄養管理に関する記述である。誤っているものを1つ。

 

1.栄養管理により、疾患の治癒が促進される。
2.栄養管理により、入院期間の短縮が期待される。
3.クリニカルパスには、栄養指導を含めない。
4.栄養サポートチームは、患者のQOLを優先する。
5.インフォームドコンセントが必要である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答2

 

1.
クリニカルパスにより、チーム医療は「円滑になる」。

 

クリニカルパス:標準的な診断や必要な治療・検査やケアなどを時間軸に沿って示したもの。

 

2.正答
リスクマネジメントには、リスクの特定が含まれる。

 

3.
トリアージ」は、患者の重症度を判別することである。

 

ノーマリゼーション:障がい者と健常者が区別されることなく、社会生活を共にする事が望ましいという考え方。

 

4.
アドヒアランスは、「患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受ける事をいう」。

 

5.
セカンドオピニオンは、「患者が主治医以外の者に意見を求める事」をいう。

 

 

B.正答1

 

1.正答
アドヒアランス    ――― 治療への患者の積極的な参加

 

2.
バリアンス      ――― 「クリニカルパスからの逸脱」

 

情報開示に対する患者の権利は、リスボン宣言で示されている。

 

3.
ターミナルケア    ――― 「終末期医療」

 

4.
ノーマライゼーション ――― 「障がい者と健常者との共生」

 

5.
リスクマネジメント  ――― 「医療におけるリスク管理

 


C.正答2

 

1.
ターミナルケア       ――― 「終末期医療」

 

2.正答
クリニカルパス       ――― 医療の標準化

 

3.
アドヒアランス       ――― 「治療への患者の積極的な参加」

 

4.
インフォームド・コンセント ――― 「説明と同意」

 

5.
ノーマリゼーション     ――― 「障がい者と健常者の共存」

 


D.正答3


3.正答
クリニカルパスには、栄養指導を「含める」。

 

 

今回は以上。

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医療・介護制度の基本についての問題 4問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.介護報酬・診療報酬に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.療養食加算は、入院基本料に加算できる。
2.栄養マネジメント加算は、居宅サービス費に加算できる。
3.栄養サポートチーム加算は、入院時食事療養費に加算できる。
4.入院栄養食事指導料の算定対象に、がん患者が含まれる。
5.在宅患者訪問栄養食事指導料の算定要件に、調理実技の指導が必須である。

 

 

B.診療報酬における栄養食事指導料の算定に関する記述である。正しいものを2つ。

 

1.外来患者は、初回20分の栄養食事指導で算定できる。
2.小児食事アレルギー患者の外来栄養食事指導料は、9歳未満の場合に算定できる。
3.入院栄養食事指導料は、入院期間中に3回算定できる。
4.集団栄養食事指導料は、外来患者と入院患者が混在した場合も算定できる。
5.集団栄養食事指導料の算定は、1回の対象者数の上限が20人である。

 

 

C.診療報酬における在宅患者訪問栄養食事指導料の算定用件に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.指導に従事する管理栄養士は、常勤に限る。
2.算定回数は、1カ月1回に限る。
3.指導時間は、1回20分以上とする。
4.指導内容には、食事の用意や摂取などに関する具体的な指導が含まれる。
5.訪問に要した交通費は、指導料に含まれる。

 

 

D.糖尿病透析予防指導管理料の算定が出来るチームを組んだ。チームのメンバーのうち、医師と管理栄養士以外の職種で正しいものを1つ。

 

1.薬剤師
2.看護師
3.臨床工学士
4.理学療法士
5.臨床検査技師

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答4

 

1.
療養食加算は、入院基本料に「加算できない」。

 

療養食加算は介護報酬、入院基本料は診療報酬における加算で、それぞれ独立している。

 

2.
栄養マネジメント加算は、居宅サービス費に「加算できない」。

 

栄養マネジメント加算は、介護報酬における施設サービス費に該当する。

 

3.
栄養サポートチーム加算は、入院時食事療養費に「加算できない」。

 

栄養サポートチーム加算と入院時食事療養費は、それぞれ独立した診療報酬。

 

4.正答
入院栄養食事指導料の算定対象に、がん患者が含まれる。

 

入院栄養食事指導料の算定対象は、厚生労働大臣が定めた特別食を必要とする患者、ガン患者、摂食機能・嚥下機能が低下した患者、低栄養状態にある患者が対象

 

5.
在宅患者訪問栄養食事指導料の算定要件に、調理実技の指導が「必須ではない」。

 


B.2かつ4

 

1.
外来患者は、「初回30分の栄養食事指導」で算定できる。

 

初回の指導30分以上、2回目以降は20分以上が算定用件となる。

 

2.正答
小児食事アレルギー患者の外来栄養食事指導料は、9歳未満の場合に算定できる。

 

3.
入院栄養食事指導料は、「入院期間中に2回算定できる」。

 

4.正答
集団栄養食事指導料は、外来患者と入院患者が混在した場合も算定できる。

 

5.
集団栄養食事指導料の算定は、「1回の対象者数の上限が15人」である。

 


C.正答4

 

1.
指導に従事する管理栄養士は、「常勤である必要は無い」。

 

2.
算定回数は、「1カ月2回」に限る。

 

3.
指導時間は、「1回30分以上」とする。

 

4.正答
指導内容には、食事の用意や摂取などに関する具体的な指導が含まれる。

 

5.
訪問に要した交通費は、指導料に「含まれない」。

 

交通費は患者負担とし、実費を請求する。

 


D.正答2

 

2.看護師

糖尿病透析予防指導管理料は、入院中の患者以外の糖尿病患者に対し、「医師、看護師または保健師及び管理栄養士等」が共同して必要な指導を行った場合に算定する事が出来る。

 

今回は以上。
「診療報酬」と「介護報酬」は、制度上しっかりと別れているものになります。ごちゃごちゃにならないよう、しっかりと整理していきましょう。

繰り返しが大事です!
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特殊環境と栄養ケアについての問題 5問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.特殊環境と栄養に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.外部環境の影響を受けやすいのは、表面温度より中心温度である。
2.WBGT(湿球黒球温度)が上昇した時は、水分摂取を控える。
3.低温環境下では、皮膚の血流量が増加する。
4.高圧環境から急激に減圧すると、体内の溶存ガスが気泡化する。
5.低圧環境下では、肺胞内酸素分圧が上昇する。

 

 

B.環境温度と身体機能の変化に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.低温環境では、ふるえ熱産生が起こる
2.低温環境では、アドレナリンの分泌が減少する。
3.高温環境では、熱産生が増加する。
4.高温環境では、皮膚血管が収縮する。
5.夏季は、冬季に比べて基礎代謝量が増加する。

 

 

C.特殊環境下での生理的変化に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.高温環境下では、皮膚血管は収縮する。
2.低温環境下では、ビタミンB1の必要量が減少する。
3.低温環境下では、血圧は低下する。
4.低圧環境下では、動脈血の酸素分圧は低下する。
5.無重力環境下では、尿中カルシウム排泄量が減少する。

 

 

D.高温環境に曝露された時に起こる身体変化に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.皮膚血管は、収縮する。
2.換気量は、低下する。
3.熱産生は、亢進する。
4.腎臓でのナトリウムの再吸収は、増加する。
5.バソプレシンの分泌は、低下する。

 

 

E.低温環境に曝露されたときに起こる身体変化に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.ふるえによる産熱は、減少する。
2.基礎代謝量は、減少する。
3.血圧は、低下する。
4.皮膚血流量は、増加する。
5.アドレナリンの分泌は、増加する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答4

 

1.
外部環境の影響を受けやすいのは、「中心温度より表面温度」である。

 

身体の内部より外気に晒されている皮膚表面の方が温度変化の影響が大きい。

 

2.
WBGT(湿球黒球温度)が上昇した時は、水分摂取を「摂取する」。

 

WBGT:熱中症の危険度を判断する指標

WBGTが上昇すると熱中症リスクが上昇するため、水分摂取を積極的に行なう必要がある。

 

3.
低温環境下では、皮膚の血流量が「減少する」。

 

体温維持のため、皮膚血管の収縮、皮膚血流量の減少などにより、放熱が抑制される。

 

4.正答
高圧環境から急激に減圧すると、体内の溶存ガスが気泡化する。

 

気圧が上昇する高圧環境(潜水,鉱山,トンネル工事など)では、窒素などが血液や組織に溶解しやすくなる。その高圧環境下から常圧に戻ると、血液や組織に溶解していた過剰な窒素が体外へ排泄できず、溶解度を超えて気泡化する。

 

減圧症(潜函病)は、高圧環境下で血液や組織中に溶けていた窒素が、減圧に伴い気泡をつくる状態。
症状には疲労感、筋肉や関節の痛みがあり、 重症の場合、症状は脳卒中の症状に似ており、呼吸困難や胸痛がみられる。 酸素と再圧(高気圧酸素)療法で治療します。

 

5.
低圧環境下では、肺胞内酸素分圧が「低下する」。

 

低酸素環境であるため、体内への酸素の取り込みが低下し、肺胞内酸素分圧が低下する。

 

ラソン等持久力を必要とする種目のトレーニングの一環で高地トレーニングがありますが、少ない酸素の中で効率良く高いパフォーマンスを発揮するために行われています。
また、高い山に挑戦するような登山で高山病は、高地で酸素が欠乏することによって引き起こされる病気。
症状には、頭痛、疲労、吐き気や食欲不振、怒りっぽさなどがあり、より重症になると、息切れ、錯乱、そして昏睡などが現れる。

 


B.正答1

 

1.正答
低温環境では、ふるえ熱産生が起こる

 

体温維持のため、ふるえによる熱産生が亢進する。

 

2.
低温環境では、アドレナリンの分泌が「増加する」。

 

代謝の亢進による熱産生を促すため、アドレナリン・ノルアドレナリン甲状腺ホルモンといったホルモン分泌が高まる。
その結果、基礎代謝も上昇する。

 

3.
高温環境では、熱産生が「減少する」。

 

高温環境下では、少しでも体内から熱を下げる(熱を逃がす)ように汗をかいたり呼吸数を多くしたりします。
身体を冷やすために外気温の低い所に行ったり、冷たいものを摂取する事が有効。
加えて水分と電解質補給が必要である。

 

4.
高温環境では、皮膚血管が「拡張する」。

 

皮膚血管拡張により、放熱が亢進します。

 

5.
「冬季は夏季に比べて」基礎代謝量が増加する。

 

熱産生が亢進する低温環境下(冬季)では、基礎代謝量が高くなる。

 


C.正答4

 

1.

高温環境下では、皮膚血管は「拡張する」。

 

皮膚血管拡張により、放熱が亢進する。

 

2.
低温環境下では、ビタミンB1の必要量が「増加する」。

 

熱産生量の増加により、エネルギー代謝が亢進するため、ビタミンB1の必要量は増加する。
ビタミンB1だけでなく、基礎代謝が上昇しエネルギー代謝亢進・産出のため、他のビタミン・ミネラルも必要となる。

 

3.
低温環境下では、血圧は「上昇する」。

 

代謝の亢進による熱産生を促すため、アドレナリン・ノルアドレナリン甲状腺ホルモンといったホルモン分泌が高まる。

交感神経が興奮するため、血圧や基礎代謝が上昇する。

 

4.正答
低圧環境下では、動脈血の酸素分圧は低下する。

 

低圧環境下とは低酸素環境であるため、体内への酸素の取り込みが低下し、肺胞内酸素分圧が低下する。

 

5.
無重力環境下では、尿中カルシウム排泄量が「上昇する」。

 

骨への負荷が低下するため、骨組織からのカルシウムの脱灰(だっかい・歯科用語:歯のエナメル質や象牙質からリン酸カルシウムの結晶が溶出する現象)が増加し、尿中カルシウム排泄量が増加し、骨密度が低下する。
ここで言う「脱灰」は、骨からカルシウムやリンが溶け出す(溶出)する事を指します。

 

無重力環境下では、他にも2つ特徴がある。
・筋肉萎縮:無重力環境では筋肉を使う頻度が少なくなるので萎縮する。
・循環血液量減少:無重力環境では下肢の体液が頭方へ移動するため、身体は「循環血液量がいつもより多い」と判断し、結果尿量が増えて循環血液量が減少する。

 


D.正答4

 

1.
皮膚血管は、「拡張する」。

 

2.
換気量は、「増加する」。

 

3.
熱産生は、「抑制する」。

 

4.正答
腎臓でのナトリウムの再吸収は、増加する。

 

腎臓でのナトリウムの再吸収が促進され、水分の体内貯留が起こる。
夏場に運動し、水分を十分に摂取しないと、尿量が減るのはそのため。

 

5.
バソプレシンの分泌は、「上昇する」。

 

バソプレシンが亢進すると、水の再吸収を促進する→水分の体内貯留が起こる

 


E.正答5

 

1.
ふるえによる産熱は、「増加する」。

 

体温維持のため、ふるえによる熱産生が亢進する。

 

2.
基礎代謝量は、「増加する」。

 

熱産生が亢進する低温環境下(冬季)では、基礎代謝量が高くなる。

 

3.
血圧は、「上昇する」。

 

代謝の亢進による熱産生を促すため、アドレナリン・ノルアドレナリン甲状腺ホルモンといったホルモン分泌が高まる。

交感神経が興奮するため、血圧や基礎代謝が上昇する。

 

4.
皮膚血流量は、「減少する」。

 

体温維持のため、皮膚血管の収縮、皮膚血流量の減少などにより、放熱が抑制される。


5.正答
アドレナリンの分泌は、増加する。

 

代謝の亢進による熱産生を促すため、アドレナリン・ノルアドレナリン甲状腺ホルモンといったホルモン分泌が高まる。

交感神経が興奮するため、血圧や基礎代謝が上昇する。

 

今回は以上。
バソプレシンの事は、覚えていましたか?

応用栄養学の範囲も、これで終了です。
次回は臨床栄養学に入っていきますので、よろしくお願いします。

繰り返しが大事です!
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正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

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ストレスと栄養ケアについての問題 3問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.汎(全身)適応症候群に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.警告反応期のショック相では、血糖値が上昇する。
2.警告反応期のショック相では、血圧が上昇する。
3.警告反応期の反ショック相では、生体防御機能が低下する。
4.抵抗期では、新たなストレスに対する抵抗力は弱くなる。
5.疲はい期では、ストレスに対して生体が適応力を獲得している。

 

 

B.ストレス応答の抵抗期に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.交感神経の活動は、低下する。
2.糖新生は、亢進する。
3.血中遊離脂肪酸値は、低下する。
4.血清ビタミンC値は、上昇する。
5.尿中カルシウム排泄量は、低下する。

 

 

C.ストレス応答の抵抗期に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.エネルギー代謝は、低下する。
2.窒素出納は、負に傾く。
3.副腎皮質ホルモンの分泌は、減少する。
4.ビタミンCの需要は、減少する。
5.カルシウムの尿中排泄量は、減少する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず最初に「汎適応症候群」について

 

<汎適応性症候群(General Adaptation Syndrome:はんてきおうせいしょうこうぐん )>
ストレスという言葉をはじめて用いたカナダのセリエは、生体が外部から寒冷、外傷、疾病、あるいは怒りや不安などの精神的緊張(ストレッサー)を受けたとき、これらの刺激に適応しようとして生体に一定の反応が起こることを発見。これを「適応症候群」とし、全身におきる反応を全身適応症候群と名づけた。

 

ストレス応答は時間経過に伴い、①警告反応期、②抵抗期、③疲憊期(疲はい期)の3段階に分けられる。

 

①警告反応期(ショック相:6~48時間 反ショック相:48時間~
ストレス刺激に曝されたときの初期反応。警告反応期は、ショック相と反ショック相とに分けられる。

ショック相
・初期反応では、血圧、血糖値等が低下
・神経系の活動や筋肉の緊張の低下が見られる
・胃・十二指腸のびらんや出血がおこる

反ショック相(ショック相から立ち直る)
・体温上昇・血圧・血糖値が回復
・神経系の活動や、筋緊張が高まる

 

②抵抗期(1~3か月)
ストレス刺激に対して、生体が適応力を獲得した時期。直接原因となるストレス因子に対する抵抗性は確保されているが、新たなストレス因子に対しての抵抗性は低下している。

ストレスに抵抗するため、視床下部から分泌される副腎皮質刺激ホルモンにより、コルチゾール分泌が亢進する。
コルチゾールには、糖質、たんぱく質、脂質の代謝を亢進する働きがあり、栄養素を分解することで、ATPの合成が増加し、ストレスに対抗するエネルギーを産生。

さらに続く場合、1~3カ月後に生体は抵抗力を失う。

 

③疲憊期(疲はい期)
長期間、ストレスが持続すると、生体の防御機構の限界を超えてしまい、再び警告反応期のショック相に類似した生体反応がみられる。

 

 

A.正答4

 

1.
警告反応期のショック相では、血糖値が「低下する」。

 

2.
警告反応期のショック相では、血圧が「低下する」。

 

3.
警告反応期の反ショック相では、生体防御機能が「亢進する」。

 

4.正答
抵抗期では、新たなストレスに対する抵抗力は弱くなる。

 

5.
「抵抗期では」、ストレスに対して生体が適応力を獲得している。

 


B.正答2

 

1.
交感神経の活動は、「亢進する」。

 

2.正答
糖新生は、亢進する。

 

3.
血中遊離脂肪酸値は、「上昇する」。

 

カテコールアミン分泌により、脂肪組織におけるトリアシルグリセロールの分解が亢進し、血中遊離脂肪酸値が上昇する。

 

4.
血清ビタミンC値は、「低下する」。

 

ビタミンCは、ストレス時に分泌が亢進する副腎皮質ホルモンや副腎髄質ホルモンの合成材料として利用されるほか、脂質代謝、抗酸化作用にも関与する。ストレス時にはビタミンC消費量増大のため、血清ビタミンC値は低下する。

 

5.
尿中カルシウム排泄量は、「上昇する」。

 

カルシウムには脳神経細胞の興奮を抑制する働きがあり、欠乏すると興奮状態が起きる。
精神的・肉体的なストレスをかけると、腸管でのカルシウムの吸収率が減少し、ストレス時に分泌されるコルチゾールノルアドレナリンはカルシウムの尿中排泄を促進する。

 

「カルシウム不足だと怒りっぽくなる」というイメージに繋がる内容だと思います。

 


C.正答2

 

1.
エネルギー代謝は、「上昇する」。

 

2.正答
窒素出納は、負に傾く。

 

ストレスによるエネルギー消費量増加に伴い、たんぱく質の異化(分解)が亢進(糖新生)し、尿中窒素排泄量も増加するため、窒素出納は負に傾く。

 

3.
副腎皮質ホルモンの分泌は、「増加する」。

 

4.
ビタミンCの需要は、「増加する」。

 

5.
カルシウムの尿中排泄量は、「増加する」。

 

 

今回は以上。

繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

頑張っていきましょう!!

運動時の生理的え特徴とエネルギー代謝と運動と栄養ケアについての問題 5問【管理栄養士国家試験過去問解説】

今日も楽しく!
知識を身に着けていきましょう!!
質問等ありましたら、コメント欄にお気軽にどうぞ

 


A.体力の測定項目と評価項目の組み合わせである。正しいものを1つ。

 

1.上体おこし   ――――敏捷力
2.握力      ――――瞬発力
3.反復横跳び   ――――筋力
4.20mシャトルラン――――全身持久力
5.立ち幅跳び   ――――筋持久力

 

 

B.運動時の身体への影響に関する記述である。正しいものを2つ。

 

1.筋肉のクレアチンリン酸は、短時間の運動で利用される。
2.肝臓のグリコーゲンは、長時間の運動で減少する。
3.糖新生は、長時間の運動で抑制される。
4.速筋線維は、有酸素運動により肥大する。
5.消化管の血流量は、激しい運動で増大する。

 

 

C.運動時の身体への影響に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.筋肉中の乳酸は、無酸素運動では減少する。
2.遊離脂肪酸は、瞬発的運動時の主なエネルギー基質となる。
3.瞬発的運動では、速筋線維より遅筋線維が利用される。
4.酸素摂取量は、運動強度を高めていくと増加し、その後一定となる。
5.消化管の血流量は、激しい運動で増加する。

 

 

D.健康づくりのための身体活動基準2013に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.対象者に、65歳以上は含まれない。
2.対象者に、血圧が保健指導レベルの者は含まれない。
3.推奨する身体活動の具体的な量は、示されていない。
4.かなりきついと感じる強度の運動が、推奨されている。
5.身体活動の増加で、認知症のリスクは低下する。

 

 

E.スポーツ選手の栄養に関する記述である。誤っているものを1つ。

 

1.持久型種目の選手では、炭水化物摂取が重要である。
2.筋肉や骨づくりには、たんぱく質摂取が重要である。
3.スポーツ貧血の予防には、ビタミンA摂取が必要である。
4.運動後の疲労回復には、早いタイミングでの栄養補給が重要である。
5.熱中症予防では、運動中の水分と電解質の補給が重要である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答4

 

1.
上体おこし   ――――筋力・筋持久力

 

2.
握力      ――――筋力

 

3.
反復横跳び   ――――敏捷性

 

4.正答
20mシャトルラン――――全身持久力

 

メチャクチャしんどいです。

 

5.
立ち幅跳び   ――――瞬発力

 


B.正答1と2

 

1.正答
筋肉のクレアチンリン酸は、短時間の運動で利用される。

 

短時間の運動時には、筋肉のクレアチンリン酸を分解してATPを供給する。

 

2.正答
肝臓のグリコーゲンは、長時間の運動で減少する。

 

3.
糖新生は、長時間の運動で「促進される」。

 

4.
速筋線維は、「無酸素運動により」肥大する。

 

速筋(白筋)線維:迅速な運動(無酸素運動)に関与している。

 

5.
消化管の血流量は、激しい運動で「減少する」。

 

激しい運動 ⇒ 交換神経が活発 ⇒ 血液を全身(特に筋肉や心臓や脳)に送らないといけない ⇒ 消化管の働き(血液量)は鈍くなる

逆に副交感神経が活発になると、消化管の血液量は増加する

 


C.正答4

 

1.
筋肉中の乳酸は、無酸素運動では「増加する」。

 

2.
遊離脂肪酸は、「持久的運動時の」主なエネルギー基質となる。

 

3.
瞬発的運動では、「遅筋線維より速筋線維が利用される」。

 

ミオグロビンの少ない速筋(白筋)線維は、瞬発的運動に適する。
ミオグロビンの多い遅筋(赤筋)線維は、持続的運動に適する。

 

4.正答
酸素摂取量は、運動強度を高めていくと増加し、その後一定となる。

 

運動により酸素需要が高まると、酸素摂取量が増加する。
ただ、酸素摂取量には限界があるため、運動強度を高めていくと、この限界(最大酸素摂取量)に達し、その後の酸素摂取量は一定になる。

 

5.
消化管の血流量は、激しい運動で「減少する」。

 


D.正答5

 

1.
対象者に、65歳以上は「含まれる」。

 

2.
対象者に、血圧が保健指導レベルの者は「含まれる」。

 

3.
推奨する身体活動の具体的な量は、「示されている」。

 

18~64歳では、3メッツ以上の強度の身体活動を毎日60分する事が推奨されている。

 

4.
「適度な強度の運動」が、推奨されている。

 

5.正答
身体活動の増加で、認知症のリスクは低下する。

 


E.正答3

 

1.
持久型種目の選手では、炭水化物摂取が重要である。

 

炭水化物摂取量は、肝臓や筋肉に蓄積されるグリコーゲン量に影響を及ぼす。グリコーゲン蓄積量が多いほど運動持続時間が長くなるため、特に持久型種目の選手では炭水化物の摂取が重要となる。

 

※マラソントライアスロンの選手が試合前日に「カーボローディング」という炭水化物(糖質)を大量に取り込んで、当日のエネルギーにするという手法を取っているのはそのためですが、試合後半の急激な低血糖症状を引き起こしたり、試合後、筋肉のダメージがなかなか回復しないというデメリットも多い。
他の方法としてナトリウムローディングを行なうと、足の痙攣も起きにくく、低血糖も起きにくいので、私はこちらをお勧めします。
試験ではこの設問は「正解」となるので、試験後にでも興味があれば調べてみてください。


3.正答
スポーツ貧血の予防には、「鉄やビタミンC等の摂取」が必要である。

 

 

今回は以上。

繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

頑張っていきましょう!!