管理栄養士国家試験合格に向けてチャレンジする人を応援するブログ

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栄養カウンセリングについての問題その1 4問【管理栄養士国家試験過去問解説】

今日も楽しく!
知識を身に着けていきましょう!!
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A.栄養カウンセリングを行う上で、管理栄養士に求められる態度と倫理に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.クライアントの外見で、行動への準備性を判断する。
2.クライアントの課題を解決するための答えを、最初に提示する。
3.クライアントの情報を匿名化すれば、SNSに投稿できる。
4.管理栄養士が、主導権を持つ。
5.管理栄養士が、自らの心身の健康管理に努める。

 

 

B.半年前に配偶者を亡くし、食欲が低下したままの高齢期の男性に対する栄養カウンセリングである。ラポールの形成が期待できる管理栄養士の発言として、最も適切なものを1つ。

 

1.昨日、どのようなものを召し上がりましたか?
2.食事の量が不足してますから、もっと食べて元気になりましょう。
3.まだ半年ですから、食べる気力も出ませんよね。
4.もう半年たちますので、そろそろ気持ちを切り替えてみませんか?

 

 

C.偏食がひどい幼児に、食事のたびに叱ってしまうと話す母親への栄養カウンセリングである。母親に対し、共感的態度を示す管理栄養士の発言である。最も適切なものを1つ。

 

1.食事中は、子どもを叱らない方が良いですよ。
2.皆さんも、子育て中は子どもの偏食に悩んでいますよ。
3.幼児期の偏食は、あまり気にしなくて大丈夫ですよ。
4.せっかく作っても、食べてくれないとイライラしますよね。

 

 

D.経済的な困窮のために「子どもに十分な食事を食べさせてあげられない」と悲嘆している親への栄養カウンセリングにおける、共感的理解を示す記述である。正しいものを2つ。

 

1.「子どもに十分な食事を食べさせてあげられない事が辛いのですね。」と返す。
2.経済的に困窮している理由を尋ね、「それはお気の毒ですね」と伝える。
3.子どもの食事記録から、不足の可能性のある栄養素について説明する。
4.地域で開催されている、子ども食堂の場所と参加方法を紹介する。
5.親が言葉を詰まらせた時に、うなずきながら「ゆっくりで良いですよ」と言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答5

 

1.
クライアントの外見で、行動への準備性を判断する。

 

外見だけで判断するのは不適切だし、意味がない。

 

2.
クライアントの課題を解決するための答えを、最初に提示する。

 

カウンセリングでは、クライアントが自ら問題点に気が付き、解決しようとする事が重視される。

 

3.
クライアントの情報を匿名化すれば、SNSに投稿できる。

 

匿名化しても不適切だし、するのであれば事前に内容について許可は必要だと考えられる。そもそも守秘義務があるので、基本はしないし出来ない。

 

4.
管理栄養士が、主導権を持つ。

 

カウンセリングの主導権は、クライアントが持つ方が上手くいく。

 

5.正答
管理栄養士が、自らの心身の健康管理に努める。

 

不健康な人が健康について説いたところで、説得力が生まれない。

 


B.正答3

 

ラポール(信頼関係)の形成を促すためには、共感的理解を示す事が最適であると言える。

共感的理解:相手と同じ立場に立ち、同じ価値観・人生観で感じようとする事

 

3.まだ半年ですから、食べる気力も出ませんよね。

 


C.正答4

 

4.せっかく作っても、食べてくれないとイライラしますよね。

 

管理栄養士の発言としては、幼児の偏食に対する母親の苛立ちに共感した態度を示す事が最適であると言える。

 

D.正答1と5

 

1.
「子どもに十分な食事を食べさせてあげられない事が辛いのですね。」と返す。

 

クライアントの言葉を反復する事で、共感的理解を示す事が出来る。

 

5.
親が言葉を詰まらせた時に、うなずきながら「ゆっくりで良いですよ」と言う。

 

うなずく事でクライアントの気持ちを理解している態度を示す事が出来、共感的理解に繋がる。

 

この経済的な困窮という内容で、共感的理解を示したとしても、管理栄養士単独で解決するのは限界がある(範疇を超える)と感じる。

 

 

 

今回は以上。

カウンセリングの内容の問題ではなく、カウンセリング時の話法・アプローチ方法についての問題ですが、実際の現場ではこのような対応だけではないですからね。

そこがやっていて難しい部分でもあり、結果として前向きになってくれるような考え方を伝達出来ればいいのかなと感じます。

杓子定規的な感じにならないようには気を付けていかないといけないですね。

 

繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

頑張っていきましょう!!

行動科学の倫理とモデルについての問題 3問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.被災地におけるコミュニティオーガニゼイションに関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.陸上自衛隊が炊き出しを始めた。
2.被災経験者が救援物資を送った。
3.管理栄養士が食物アレルギーを持つ子供に対して支援を行った。
4.被災者が仮設住宅の敷地内に談話喫茶を立ち上げた。
5.職能団体が災害支援チームリーダーを派遣した。

 

 

B.大企業において、社員の健康づくりのための減塩行動の普及を目的に、新たな取り組みを行なう事となった。社内で減塩行動を早く普及させるための、イノベーション普及理論に基づく初期活動である。最も適切なものを1つ。

 

1.全社員に減塩の意義を記載したリーフレットを配布する。
2.全社員に、減塩の意義を社内メールで知らせる。
3.部署ごとに、順次減塩教育を行う。
4.部長を集め、減塩教育を行う。

 

 

C.イノベーション普及理論によれば、イノベーションの普及には、相対的優位性、適合性、わかりやすさ(複雑性)、試行可能性、可観測性の5つの条件が関係する。管理栄養士が新たに作成した離乳食メニュー集を、速やかに普及させるために、相対的優位性を活用した内容である。正しいものを1つ。

 

1.メニュー集を使って試作した人の例を、SNSで公開する。
2.メニュー集を使った離乳食教室への参加を呼び掛ける。
3.よく使う調理器具で作れることをアピールする。
4.これまでの離乳食よりも、経済的に作れることをアピールする。
5.時間のある時に作り置きし、保存する方法を説明する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答4

 

4.被災者が仮設住宅の敷地内に談話喫茶を立ち上げた。

 

コミュニティオーガニゼーション:地域住民の自主的な活動をさす

被災地に住む被災者が、自主的に談話喫茶という組織を立ち上げる事は、これに該当する。

 


B.正答4

 

4.部長を集め、減塩教育を行う。

 

イノベーション普及理論:新しい情報や技術などを普及させていくために用いられる

社員への減塩行動を普及させるには、社会的立場の高い部長に減塩教育を行い、減塩行動を実践してもらう事が最適であると考えられる。

 

追記
イノベーションとは、新商品、新技術、アイデアなどなど、あらゆる新しいものを指す。
イノベーションが登場したときに、それがどのように普及していくかのプロセスと要因を整理した理論で、すぐに採用する人をイノベーターやアーリーアダプターと呼びます。

 

イノベーター:新しいものを進んで採用し、目新しいものを好む。自己満足タイプだが、多大な影響力を及ぼす場合がある。

 

アーリーアダプター:流行に敏感。情報収集も行い、他者への影響力も大きく、オピニオンリーダーとも呼ばれる。影響力の差はある。

 

今回の設問での着目点は「大企業」、「イノベーション普及理論に基づく初期活動」の2点。

「大企業」=大勢の社員という考えでの問題設定だと思います。社員全体に向け減塩の情報を伝達した場合、イノベーターが存在する可能性はありますが、アーリーアダプターになってくれるとは限りません。
初期活動という点では、より影響力のあるアーリーアダプターの登場に期待しますので、大企業の部長職ともなればその可能性は大きくなり、普及率も期待できる。

 

という事で、この問題の正答は4となるが、少し強引だと感じる設問・選択肢だと思います。
減塩教育を部長にやった所で、部下が従うか・結果に繋がりやすいかというと、それは難しいと思います。

 

個人的にはね。

 

 

C.正答4

 

イノベーション普及理論>
エベレット・ロジャースのイノベーター理論で明確にした5つの採用者カテゴリーは有名ですが、その理論の中でロジャースは商品が普及する要件を5つあげています。

 

相対的優位性:既存のものより優れていると知覚される度合いで、今まで使っていたものに比べ、いかに優れているかの要件。

適合性(両立可能性):既存の価値観や必要性と相反しないと知覚される度合いで、当面はこれまで使っていたものと併用・両立ができる要件。

 

複雑性:理解や使用が困難だと知覚される度合いで、その構造などが理解できないほど複雑ではない要件。

試行可能性:試しに経験できる度合いで、本格的な導入の前に効果を認識できる要件。

 

可観測性(観察可能性):採用して使用した結果が他人の目に触れる度合いで、効果が目に見えて観察できる度合。

 

1.
メニュー集を使って試作した人の例を、SNSで公開する。

 

可観測性に該当。
SNSで離乳食の公開→他者への情報提供・人へ見せる事に繋がる

 

2.
メニュー集を使った離乳食教室への参加を呼び掛ける。

 

試行可能性に該当。
世間に普及させる前に、離乳食教室での反応を試している。

 

3.
よく使う調理器具で作れることをアピールする。

 

複雑性に該当。
よく使う調理器具で作れるという簡単さ、手軽さをアピールしている。

 

4.正答
これまでの離乳食よりも、経済的に作れることをアピールする。

 

これまでの離乳食と比較し、安価(経済的に優れている)である部分を比較してアピールしている。

 

5.
時間のある時に作り置きし、保存する方法を説明する。

 

適合性に該当。
離乳食を作り置きしたいという人(行動)に合わせている。

 

 

 

今回は以上。

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何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

頑張っていきましょう!!

行動科学の理論とモデルについての問題その3 3問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.社会的認知理論に基づいて、便秘で悩んでいる中学生に野菜摂取を促す支援を行った。結果期待を高めるための支援である。適当なものを1つ。

 

1.便秘が続く事により生じる、身体への悪影響を説明する。
2.野菜摂取が便秘に及ぼす好影響を、図示して説明する。
3.食べた野菜の量と種類を、1週間記録することを勧める。
4.家族に、野菜料理を増やすように頼む事を勧める。
5.便秘が解消できた人が、身近にいないかを尋ねる。

 

 

B.ソーシャルサポートには、情動的サポート、評価的サポート、道具的サポート、情報的サポートの4つがある。食事療法中の人への情動的サポートである。正しいものを1つ。

 

1.食事調査結果から、改善点を指摘する。
2.セルフヘルプグループを紹介する。
3.「がんばってますね」と声をかける。
4.病院で開催される栄養教室のチラシを渡す。
5.デジタルのキッチンスケールを貸し出す。

 

 

C.1人で外出が困難な高齢者への、ソーシャルサポートの内容とその種類の組み合わせである。正しいものを1つ。

 

1.バランスの良い弁当の配食を依頼する       ――― 情動的サポート
2.家族が心配して毎日電話をかける         ――― 評価的サポート
3.NPOが地域の食事会に車で送迎をする        ――― 道具的サポート
4.車いすで買い物がしやすい食料品店の場所を伝える ――― 情動的サポート
5.現在の食事内容の具体的な課題を伝える      ――― 情報的サポート

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答2

 

2.野菜摂取が便秘に及ぼす好影響を、図示して説明する。

 

結果期待:その行動がもたらす結果を期待すること

野菜摂取という行動が、便秘を解消する効果を生む事を期待させる支援と言える。

 


B.正答3

 

<ソーシャルサポート>
社会的関係の中でやりとりされる支援。健康行動の維持やストレッサーの影響を緩和する働きがある。

ソーシャルサポートは、その内容によって以下のように分けることができる。

情動的サポート:共感や愛情の提供(情緒的サポートともいう)
道具的サポート:形のある物やサービスの提供
情報的サポート:問題の解決に必要なアドバイスや情報の提供
評価的サポート:肯定的な評価、自己評価に役立つサポートの提供

 

1.
食事調査結果から、改善点を指摘する。

 

評価的サポートに分類される

 

2.
セルフヘルプグループを紹介する。

 

情報的サポートに分類される

 

3.正答
「がんばってますね」と声をかける。

 

情動的サポートに分類される

 

4.
病院で開催される栄養教室のチラシを渡す。

 

情報的サポートに分類される

 

5.
デジタルのキッチンスケールを貸し出す。

 

道具的サポートに分類される

 


C.正答3

 

1.
バランスの良い弁当の配食を依頼する       ――― 「道具的」サポート

 

2.
家族が心配して毎日電話をかける         ――― 「情動的」サポート

 

3.正答
NPOが地域の食事会に車で送迎をする        ――― 道具的サポート

 

4.
車いすで買い物がしやすい食料品店の場所を伝える ――― 「情報的」サポート

 

5.
現在の食事内容の具体的な課題を伝える      ――― 「評価的」サポート

 

 

 

今回は以上。

繰り返しが大事です!
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正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

頑張っていきましょう!!

行動科学の理論とモデルについての問題その2 4問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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知識を身に着けていきましょう!!
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A.「牛乳は苦手だけど、明日から残さず飲もうと思います」と話す小学生Aさんへの給食指導である。トランスセオレティカルモデルに基づいた指導として、最も適当なものを1つ。

 

1.牛乳に含まれる主な栄養素について説明する。
2.牛乳を残さず飲めるようになったら、家族がどう思うかを考えさせる。
3.牛乳を飲むと、身体にどのような影響が出るのかを考えさせる。
4.牛乳を残した日は、好きなゲームを我慢すると決めるように勧める。
5.牛乳を残さず飲む事を、担任の先生と約束するように勧める。

 

 

B.生活習慣改善に消極的な中年男性に、計画的行動理論を用いた支援を行った。主観的規範を高めるための管理栄養士の発言である。正しいものを1つ。

 

1.体重が減ると検査結果もよくなりますよ。
2.ご家族は、あなたがずっと健康でいることを願っていますよ。
3.今よりも10分だけ多く、身体を動かしてみませんか?
4.簡単にできる食事の方法を紹介しましょう。
5.健康になった10年後の自分の姿を想像してみてください。

 

 

C.血圧が高めの高齢女性に、計画的行動理論を活用した減塩のための支援を行った。主観的規範を高めるための管理栄養士の発言である。正しいものを1つ。

 

1.減塩調味料を使えば、簡単に食塩摂取量を減らせますよ。
2.メニューに食塩相当量を示している飲食店を紹介しますね。
3.減塩を続ければ、健康診査の結果もよくなると思いますよ。
4.工夫次第で減塩した料理も、おいしく作れますよ。
5.ご家族も、あなたがずっと元気でいてくださることを願っていますよ。

 

 

D.後攻運動部の生徒に対する食生活改善のための支援と、社会的認知理論の構成要素の組み合わせである。正しいものを1つ。

 

1.食事内容を練習日記につけるよう勧める    ――― 観察学習
2.望ましい食べ方をしている選手の例を紹介する ――― 結果期待
3.食生活を改善すれば、体力がつく事を説明する ――― 自己効力感
4.生徒の家族に、弁当の改善を提案する     ――― 相互決定主義
5.できることからやってみようと話す      ――― 自己制御

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答5

 

1.
牛乳に含まれる主な栄養素について説明する。

 

情報提供などにより、行動変容への意識を高める「意識の高揚」に該当し、無関心期から関心期へ変容させる支援内容。

 

2.
牛乳を残さず飲めるようになったら、家族がどう思うかを考えさせる。

 

行動変容する事で、自分の周囲へ及ぼす影響を考える「環境への再評価」に該当し、無関心期から関心期へ変容させる支援内容。

 

3.
牛乳を飲むと、身体にどのような影響が出るのかを考えさせる。

 

行動変容後、自分にとってどのような影響があるか考える「自己の再評価」に該当し、関心期から準備期へ変容させる支援内容。

 

4.
牛乳を残した日は、好きなゲームを我慢すると決めるように勧める。

 

行動変容を促したり、維持させるための強化(褒美や罰)を行う「強化マネジメント」に該当し、実行期から維持期へ変容させる支援内容。

 

5.正答
牛乳を残さず飲む事を、担任の先生と約束するように勧める。

 

「明日から〇〇しようと思う」という発言から、準備期に該当すると判断する。準備から実行期へ変容させるには、行動変容への自信を持ち、決意表明する「自己の解放」を用いる事が適当であると言える。

 


B.正答2

 

主観的規範:社会的な対人関係からの期待をいう

 

家族からの期待にこたえたいという主観的規範を高めて、行動変容への意志を持つよう支援する。

2.ご家族は、あなたがずっと健康でいることを願っていますよ。

 


C.正答5

 

1.
減塩調味料を使えば、簡単に食塩摂取量を減らせますよ。

 

行動コントロール感(行動する事に対しての容易さの事)を高めるための発言

減塩調味料の使用 → 減塩行動を容易にする

 

2.
メニューに食塩相当量を示している飲食店を紹介しますね。

 

行動コントロール感を高めるための発言

飲食店の活用 → 減塩行動を容易にする

 

3.
減塩を続ければ、健康診査の結果もよくなると思いますよ。

 

行動への態度(行動に対する気持ち)を高めるための発言

健康診断の結果の改善は、減塩行動のメリットを感じさせる。

 

4.
工夫次第で減塩した料理も、おいしく作れますよ。

 

行動への態度を高めるための発言

おいしい減塩食は、減塩行動のメリットを感じさせる。

 

5.正答
ご家族も、あなたがずっと元気でいてくださることを願っていますよ。

 

主観的規範:社会的な対人関係からの期待をいう

家族の元気でいて欲しいという願いを伝える事は、主観的規範を高める為に有効

 


D.正答4

 

1.
食事内容を練習日記につけるよう勧める    ――― 「自己制御」

 

自己制御:自分の行動をコントロールすること

食事内容を記録することで、自分の行動を客観的に評価することができる → 自己制御に繋がる

 

2.
望ましい食べ方をしている選手の例を紹介する ――― 「観察学習」

 

観察学習:他人の行動をみたり、話しを聞いたりすることで、行動を学習していく事。モデリング学習ともいう

手本となる選手の例を紹介することで、自己効力感が生まれ、行動変容が促される。

 

3.
食生活を改善すれば、体力がつく事を説明する ――― 「結果期待」

 

結果期待:自分の行動がもたらす結果への期待

食生活を改善すること(自分の行動)により、体力がつく(結果への期待)を提示することで、行動変容が促される。

 

4.正答
生徒の家族に、弁当の改善を提案する     ――― 相互決定主義

 

相互決定主義:行動が個人の認知能力や環境と相互に結びつき、影響し合っているという考え方

家族に食生活改善の支援を提案する事は、個人を取り巻く環境改善につながる。

 

5.
できることからやってみようと話す      ――― 「自己効力感」

 

自己効力感:自分はその行動を上手くやる事が出来るという自信の事。セルフ・エフィカシー(self-efficacy)ともいう。

達成しやすい目標から始めるように促す事で、自己効力感が高まる。

 

 

今回は以上。

繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

頑張っていきましょう!!

行動科学の理論とモデルについての問題その1 4問【管理栄養士国家試験過去問解説】

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A.児童の野菜摂取に関する記述である。オペラント条件づけに当てはまるものとして、正しいものを2つ。

 

1.先生に「野菜を食べましょう」と言われたので、食べた。
2.野菜を食べたら先生に褒められたので、次も食べた。
3.運動後おなかが空いたので、野菜も食べた。
4.友達が野菜を残したので、自分も食べなかった。
5.野菜を食べたが美味しくなかったので、食べなくなった。

 

 

B.特定保健指導の積極的支援の対象になり、節酒を行動目標とした男性である。初回面接1カ月後の支援時に、「酒の量は減らせたが、たまに飲み過ぎてしまいそうになる。」と話している。トランスセオレティカルモデルに基づく行動変容ステージにあった管理栄養士の対応である。正しいものを1つ。

 

1.お酒を減らせば、検査結果も改善する事を説明する。
2.悪化すると、家族にどのような影響を及ぼすかを、考えてもらう。
3.節酒が成功して、スリムになった自分の姿を想像してもらう。
4.節酒している事を、同僚に対して宣言してもらう。
5.節酒できている自分へのほうびを、考えてもらう。

 

 

C.「週3日休肝日にする」という行動目標を、1カ月継続している男性への管理栄養士の支援である。トランスセオレティカルモデルに基づいた支援として、正しいものを1つ。

 

1.行動目標について、家族に宣言するように勧める。
2.毎晩の飲酒を続ける事による健康へのリスクを説明する。
3.家に、アルコール飲料を置かない事を勧める。
4.休肝日を守る事のメリットとデメリットを、一緒に考える。
5.お酒のエネルギー量を、調べてみるように伝える。

 

 

D.運動部に所属する高校生で、行動変容ステージが無関心期(前熟考期)の者に対し、栄養サポートを行なう事になった。トランスセオレティカルモデルに基づいた支援内容である。正しいものを1つ。

 

1.食事内容の改善が、競技力向上に及ぼすメリットを考えさせる。
2.コンディションが悪くて負けた時の悔しさを想像させる。
3.食事内容の改善に取り組む事をチーム内で宣言させる。
4.練習量が多い日は、あらかじめ捕食を用意させる。
5.食事内容の改善に、家族の協力が得られるかを考えさせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答2と5

 

<オペラント条件付け>
オペラントはOperationに由来する言葉。
「ある行動をした結果、環境がどう変化したか、を経験することによって、環境に適応するような行動を学習すること」
「自分の意思で行動を起こした(自発行動)後、刺激の変化によって、その行動の頻度が変化すること」を指す。
この「刺激」には良い刺激(正の刺激)もあれば、悪い刺激(負の刺激)もある。
例えば、レバーを押せば餌が出る、という経験を繰り返すことで、自発的にレバーを押すようになる行動をオペラント条件付けという。


2.正答
野菜を食べたら先生に褒められたので、次も食べた。

 

野菜を食べた(自発的行動)→褒められた(正の刺激)により、野菜摂取が促進(行動の頻度が変化)されている。

 

5.正答
野菜を食べたが美味しくなかったので、食べなくなった。

 

野菜を食べた(自発的行動)→美味しくなかった(負の刺激)により、野菜摂取が抑制(行動の頻度が変化)されている。

 


B.正答5

 

<トランスセオレティカルモデル>
元々は禁煙指導のために開発されたモデルだが、食事・運動といった様々な健康に関する行動について用いられている。

行動変容は5つのステージに分けられる。
「無関心期」→「関心期」→「準備期」→「実行期」→「維持期」
・無関心期(前熟考期)…6か月以内に行動を変えようと思っていない
・関心期(熟考期)…6か月以内に行動を変えようとしている。
・準備期…1か月以内に行動を変えようと思っている。
・実行期…行動を変えてから6か月未満
・維持期…行動を変えてから6か月以上

「無関心期」「関心期」については、考え方へのアプローチが主となる
「実行期」「維持期」については、行動へのアプローチが主となる

 

※前熟考期…行動変容について考えていない時期
無関心期の働きかけとしては
 『意識の高揚』
 『運動のメリットを知る』
 『感情的経験』
 『このままでは「まずい」と思う』
 『環境の再評価』
 『周りへの影響を考える』
などがあげられる。

 

正答5

5.節酒できている自分へのほうびを、考えてもらう。

 

この男性はトランスセオレティカルモデルの実行期に該当する。実行期から維持期への変容を促すため、行動変容が出来た場合に褒美を与える「強化マネジメント」の手法を用いる。

 


C.正答3

 

1.
行動目標について、家族に宣言するように勧める。

 

「自己解放」の例にあたり、「準備期」の対象者に対するアプローチとなる。

 

2.
毎晩の飲酒を続ける事による健康へのリスクを説明する。

 

リスク説明による「意識の高揚」による支援であるため、「無関心期(前熟考期)」の対象者に対するアプローチとなる。

 

3.正答
家に、アルコール飲料を置かない事を勧める。

 

この男性はトランスセオレティカルモデルの実行期に該当する。実行期から維持期への変容を促すため、「家にアルコール飲料を置く」という刺激を取り除き、行動変容を継続させる「刺激統制」の手法を用いる。

 

4.
休肝日を守る事のメリットとデメリットを、一緒に考える。

 

「意思決定バランス」による自己再評価であり、「関心期(熟考期)」におけるアプローチとなる。

 

5.
お酒のエネルギー量を、調べてみるように伝える。

 

「意識の高揚」であり、「無関心期(前熟考期)」や「関心期(熟考期)」に行われる支援となる。

 


D.正答2

 

1.
食事内容の改善が、競技力向上に及ぼすメリットを考えさせる。

 

行動変容によるメリットを考える「自己の再評価」であるため、関心期から準備期に変容する過程となる。

 

2.正答
コンディションが悪くて負けた時の悔しさを想像させる。

 

行動変容しなかった事でどのような気持ちになるかを考える「感情的経験」であるため、無関心期から関心期に変容する過程となる。

 

3.
食事内容の改善に取り組む事をチーム内で宣言させる。

 

行動変容を起こす事を決める「自己の解放」であるため、準備期から実行期に変容する過程となる。

 

4.
練習量が多い日は、あらかじめ捕食を用意させる。

 

行動変容の実践を用意にする刺激を設定する「刺激統制」であるため、実行期から維持期に変容する過程となる。

 

5.
食事内容の改善に、家族の協力が得られるかを考えさせる。

 

行動変容の実践を容易にする協力者を設定する「援助関係の利用」であるため、実行期から維持期に変容する過程となる。

 

 

今回は以上。

本日からは栄養教育論です。

理論の部分なので難しく思うかもしれないです(私もそうでした)。
これは出題する側も同じで、あまりねちっこい問題を出してしまうと、「解なし」となるので、結構シンプルなものにしかできないんですよね。
キーワードをしっかりと理解し、正答を選べるようにしていきましょう。


繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

頑張っていきましょう!!

老年症候群の栄養アセスメントと栄養ケアについての問題 4問【管理栄養士国家試験過去問解説】

今日も楽しく!
知識を身に着けていきましょう!!
質問等ありましたら、コメント欄にお気軽にどうぞ

 


A.高齢者の病態と栄養管理に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.尿失禁は、脱水症の原因となる。
2.サルコペニアは内臓脂肪量で評価する。
3.誤嚥の予防では、摂取時に顎を挙上した姿勢を避ける。
4.褥瘡患者では、たんぱく質を制限する。
5.フレイルティ(虚弱)の予防では、身体活動を制限する。

 

 

B.褥瘡の状態とに関する記述である。正しいものを2つ。

 

1.栄養状態の低下は、発症の外的要因である。
2.糖尿病患者では、悪化しやすい。
3.踵骨部は、好発部位である。
4.たんぱく質漏出期には、低たんぱく質食とする。
5.水分制限は、褥瘡を改善させる。

 

 

C.褥瘡に関する記述である。誤っているものを1つ。

 

1.評価法には、DESIGN-Rがある。
2.肩甲骨部は、好発部位である。
3.十分なエネルギー摂取が、必要である。
4.滲出液がみられる時には、水分制限を行う。
5.予防には、除圧管理が有効である。

 

 

D.褥瘡に関する記述である。誤っているものを1つ。

 

1.大転子部は、好発部位である。
2.貧血は、内的因子である。
3.十分なタンパク質の摂取量が必要である。
4.亜鉛の摂取量を制限する。
5.30度側臥位は、予防となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答3

 

1.
尿失禁は、脱水症の「原因とならない」。

 

排尿量が増加する訳では無いため、尿失禁が脱水の直接的な原因とはならない。

 

2.
サルコペニアは「筋肉量」で評価する。

 

サルコペニア:加齢に伴う筋肉量の低下の事

 

3.正答
誤嚥の予防では、摂取時に顎を挙上(きょじょう)した姿勢を避ける。

 

上向いて食べたらむせるよね。

挙上:持ち上げること。 医学用語で主に用いられる。 対義語として下垂がある。

 

4.
褥瘡患者では、たんぱく質を「摂取する」。

 

褥瘡は血清アルブミン値 3.0g/㎗以下で好発しやすくなるため、たんぱく質制限するとより悪化してしまう。

 

5.
フレイルティ(虚弱)の予防では、身体活動を「増加させる」。

 

身体を動かす事で、体力の維持向上を図る。

フレイルティ:加齢に伴い様々な機能低下・健康障害がみられる状態

 


B.正答2と3

 

1.
栄養状態の低下は、発症の「内的要因」である。

 

外的要因には、圧迫がある。

 

2.正答
糖尿病患者では、悪化しやすい。

 

血流が悪くなりやすいのも要因

 

3.正答
踵骨(しょうこつ)部は、好発部位である。

 

踵は圧迫されやすいため、褥瘡の好発部位となる。他には大転子部(だいてんしぶ)・仙骨部等
大転子部:股関節横あたりの少し外側に出ている骨の事

 

4.
たんぱく質漏出期には、「高タンパク質食」とする。

 

5.
水分制限は、褥瘡を「悪化」させる。

 


C.正答4

 

4.滲出液(しんしゅつえき)がみられる時には、「水分摂取を積極的に行う」。

 

DESIGN-R:褥瘡の程度を、深さ・浸出液・大きさ・炎症・感染・肉芽組織・壊死組織・ポケットにより判定するもの

 

肩甲骨部:仰臥位(ぎょうがい・仰向けに寝ている姿勢)時に圧迫されやすいため、褥瘡の好発部位となる

 

 

D.正答4

 

4.亜鉛の摂取量を「増加させる」。

 

亜鉛摂取により、組織の再生を促進する。
基本的に褥瘡が起きるリスクがあるという事は、低栄養状態であるため、制限するという方針になるのは考えにくい。

 

貧血:組織に酸素を運搬する赤血球不足により、組織代謝障害・脆弱化を助長する。

 

30度側臥位:仰臥位時に発生する仙骨部の褥瘡、側臥位時に発生する大転子部の褥瘡を予防できる

 

 

 

 

今回は以上。

 

今回で臨床栄養学は終了です。

繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

頑張っていきましょう!!

乳幼児・小児・妊産婦・授乳婦疾患の栄養アセスメントと栄養ケアについての問題 4問【管理栄養士国家試験過去問解説】

今日も楽しく!
知識を身に着けていきましょう!!
質問等ありましたら、コメント欄にお気軽にどうぞ


A.メープルシロップ尿症の栄養管理に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.エネルギーの摂取量を制限する。
2.分枝アミノ酸の摂取量を制限する。
3.シスチンの補充を行なう。
4.食事療法の評価は、血中チロシン値を用いる。
5.食事療法は、成人期には不要となる。

 

 

B.10歳女児。6歳で発症した1型糖尿病で、インスリン療法中である。身長140㎝、体重35㎏、HbA1c6.5%。栄養管理に関する記述である。正しいものを1つ。

 

1.エネルギーの摂取量は、1200㎉/日とする。
2.たんぱく質の摂取量は、60g/日とする。
3.脂質の摂取量は、100g/日とする。
4.炭水化物の摂取量は、100g/日とする。
5.食物繊維の摂取量は、6g/日とする。

 

 

C.妊娠糖尿病患者の栄養管理に関する記述である。正しいものを2つ。

 

1.朝食前の目標血糖値は、70~100㎎/dlとする。
2.エネルギーの摂取量は、20㎉/㎏標準体重/日とする。
3.炭水化物の摂取エネルギー比率は、50~60%Eとする。
4.分割食は禁止する。
5.経口血糖降下薬を使用する。

 

 

D.妊娠20週の28歳妊婦。身長162㎝、体重62㎏(妊娠前体重57㎏)。血圧135/85、蛋白尿(-)、浮腫(-)。前回妊娠時に、妊娠高血圧症候群を指摘された。妊娠高血圧症候群の予防を目的として優先される栄養指導の項目である。正しいものを1つ。

 

1.エネルギーの摂取量
2.たんぱく質の摂取量
3.食塩の摂取量
4.水分の摂取量

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続いて回答と解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A.正答2

 

1.
エネルギーの摂取量を「制限する必要無い」。

 

2.正答
分枝アミノ酸の摂取量を制限する。

 

メープルシロップ尿症:分枝ケト酸脱水素酵素(分枝アミノ酸代謝に関与)の欠損による疾患。

 

3.
シスチンの「補充をする必要はない」。

 

シスチンの補充は、ホモシスチン尿症の治療に用いられる。

 

4.
食事療法の評価は、「血中ロイシン値」を用いる。

 

血中チロシン値は、フェニルケトン尿症の食事療法の評価に用いる。

 

5.
食事療法は、「成人期以降も必要である」。

 


B.正答2

 

1.
エネルギーの摂取量は、「2000㎉/日」とする。

 

小児糖尿病の食事は、健常な活動と成長に必要なエネルギー量を確保するため、「日本人の食事摂取基準」程度の摂取量とする。

 

2.正答
たんぱく質の摂取量は、60g/日とする。

 

正常な発育を遂げるため、推奨量(RDA)以上とする。

 

3.
脂質の摂取量は、「50~60g/日」とする。

 

脂肪エネルギー比20~30%Eとする。

 

4.
炭水化物の摂取量は、「250~300g/日」とする。

 

炭水化物エネルギー比50~60%Eとする。

 

5.
食物繊維の摂取量は、「13g/日以上」とする。

 

目標量(DG)以上を摂取する。

 


C.正答1と3

 

1.正答
朝食前の目標血糖値は、70~100㎎/dlとする。

 

2.
エネルギーの摂取量は、「30㎉/㎏標準体重/日」とする。

 

3.正答
炭水化物の摂取エネルギー比率は、50~60%Eとする。

 

4.
分割食は「必要があれば用いる」。

 

1日の総エネルギー量を分割して摂取することで、食後高血糖を予防し、血糖コントロールがしやすくする。

 

5.
経口血糖降下薬を「禁忌」する。

 

血糖コントロール不良の際は、インスリン療法を行う。

 


D.正答3

 

3.食塩の摂取量

 

妊娠前体重→標準体重
タンパク尿・浮腫→陰性
であることから、食塩の摂取量に関する栄養指導を行なう事が最適であるといえる。

 

 

今回は以上。

繰り返しが大事です!
何回繰り返すの?
正答を導きだすための理論を身につけるまでです。

頑張っていきましょう!!